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ぷるんつるんの姿が艶めかしいホルモン。刺しならばその美肌のまま堪能でき、網の上で焼けばバチッと音を立てながら湛えていく脂の甘みを満喫できる。果ては隅々まで食べ尽くすコース仕立ても。官能的なホルモンの世界へ誘う名店5選をご紹介!

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ホルモン基礎知識

ホルモンには胃や腸、臓器のイメージが強いが、精肉として扱われない部位はすべて該当。「もつ」とも呼ばれる。部位によるが、ビタミンや鉄、亜鉛を主に含む。
特にレバーはビタミンが豊富で、必須アミノ酸を有していることから“栄養の宝庫”といわれている。

『江古田ホルモン』@江古田

[産地]国産牛、豚
[使用部位]牛:マルチョウ、シマチョウなど 豚:シロコロ、昔ホルモンなど

鮮度と仕事に自信あり!ピカピカのホルモンがジュージュー誘う

活気溢れるのがいい。下町の名店、亀戸ホルモン『初代吉田』から独立して2年、もはや江古田の名店と言いたい。

毎日芝浦から仕入れるホルモンは、見るからに新鮮でどれもピカピカ、大ぶりにカットされ、焼く前から旨そうだ。メニューを眺めれば、腸や内臓系などだけでも25種類以上

で、初めてでも心配ご無用。「何でも聞いてね」とすかさずカウンターから声が掛かる。噛みしめるほどに甘い脂のマルチョウに、脂が甘くとろけるシマチョウ、皮目をカリッと焼いた懐かしの昔ホルモン……。

味もぼやけず決まって、しかもリーズナブル。満足感ハンパなし!

下から時計回りに、塩ホルモン(650円)、ハツ(590円)、昔ホルモン(480円)、マルチョウ(650円)、シマチョウ(690円)
ホルモンは新鮮なものを使い切り。洗いや保存方法、振り塩にこだわり、部位ごとの良さを満喫できる。とろける脂の「シマチョウ」や「マルチョウ」、皮目と内側の食感の違いがまたいい「塩ホルモン」、パワーみなぎる「ハツ」など、部位も種類豊富

ちなみに、塩系のホルモンをはじめ、様々なメニューにのっている「ネギ」。白い部分にはビタミンC、緑の部分はそれにβカロテンやカルシウムも多く含まれている。

煮込み(450円)
毎日仕込むという煮込みは牛モツをいっぱい使い、クリアかつ甘くとろける旨さ 

闇盛(しょう、980円)
「闇盛」は10種類以上のホルモンがひと皿に。お得だ! 

奥:センマイ刺(580円)
手前:コブクロ刺(450円)
シャキッとした食感でみずみずしい「センマイ刺」。クキュッとして中がピンクの「コブクロ刺」はニンニク醤油で!

後列左からドンちゃん、聖ちゃん村松淳子さん、店主 中山直さん
「旨いのは当たり前!ワイワイ食べて飲んで楽しんでください」

『江古田ホルモン』

[住所]東京都練馬区旭丘1-73-13 2階
[電話]03-6908-0992
[営業時間]18時〜24時(23時半LO)
[休日]月(祝日の場合は翌火)
[交通]西武池袋線江古田駅南口から徒歩1分

『江古田ホルモン』

『山源』@板橋

[産地]国産牛、豚
[使用部位]牛:ホルモン、ハツなど(豚:コメカミ、トントロなど)
創業当時からの炭火焼。なるべく火をあげずに焼くべし。「ホルモンは焼き方で全然違う」ということで焼き方指南してくれるのもうれしい。噛み切れなかったりするのは焼きが甘いからだし、こんがりと焼けた部分の食感と、脂のとろけ具合、そのバランスも大事。

脂とろけるホルモンが絶品 焼き方にもこだわる その旨さにリピート必至!

今年で創業38年目。店舗の場所は少し移動したが、ガラッとしたくなるレトロな間口は変わらない。

何といっても人気は「ホルモン(シオ・タレ)」。一人前に鮮度抜群のシマチョウとコプチャンが2切れずつのる。「そのものの味を楽しんでほしい」ゆえ、塩もタレも注文が入ってから味付けするのも特徴だ。

炭火の上に皮目からのせ、皮目7、裏返して3くらいで焼くのがコツで、初めてなら付きっきりで焼き方も教えてくれる。柔らかくとろける脂に皮目の香ばしさが、う〜、たまらない。

シオはわさびか柚子胡椒で、タレは白飯と鉄板。ここだけの味だ。

(上の皿)奥:上ホルモン(シオ、520円) 手前:コメカミ(420円)
(下の皿)奥:子袋(420円) 手前:ホルモン(タレ、520円)
自慢のホルモンはもちろん、肉々しくジューシーな「コメカミ」、「子袋」は太めのサイズでよく焼きすると実に旨い

豚足(420円)
秘伝のタレで煮込んである「豚足」もファン多し。ピリ辛でホロリとした食感だ

ちなみに、豚足とチャーハンに入っている「ネギ」。その独特の匂いのもと、硫化アリルはビタミンB1の吸収を助けてくれる。ビタミンB1が豊富な豚足と好相性!

焼めし(500円)
ネギと玉子入りのシンプルな「焼めし」。ホルモンを食べたあと残ったタレを少しかけて食べるとまた絶品

店長 山口潤一さん
「カットの具合美味しい焼き方スタッフもいつも研究しています」

『山源』

[住所]東京都板橋区板橋1-22-10
[電話]03-3963-4656
[営業時間]17時〜23時くらい(なくなり次第閉店)
[休日]月
[交通]JR埼京線板橋駅西口から徒歩3分

『山源』

『焼肉ケニヤ』@三宿

ミックス特製スパイスホルモン(1900円)
シマチョウはカリカリの皮目と脂の旨さにスパイスが絡んで刺激的。しっかりエッジの立ったハツやコクのあるリ・ド・ヴォー、食感抜群の上ミノサンドとも、いい塩梅のスパイス&塩加減

スパイスが鼻腔をくすぐりホルモンの脂と絡む その旨さ刺激的!

たまには美味しいホルモンを塩やタレ以外で食べたい、と思う人もいるはず。そんな人にぜひおすすめしたいのが、こちらの「特製スパイスホルモン」だ。

自家製のラスエルハヌートこと、10種類以上を混ぜた北アフリカのミックススパイスを使用。焼くほどにスパイシーな香りが鼻腔をくすぐり食欲中枢を刺激する。

シマチョウ、ミノサンド、ハツ、リ・ド・ヴォーがワンセット。肉はヤザワミートからの仕入れで、牛肉はすべてA5ランク

同じくスパイスを使ったラムや、南インド仕込みのカレーなど、ホルモンとともに各種楽しめるのもうれしい。

仔羊モモ肉チュニジアスパイス(1800円)
チュニジアのスパイスを使ったラムも人気。焼き上がった肉やソーセージを、「キャベツ千切りヨーグルトミントソース」(700円)と一緒に「ピタパン」(300円)に挟むとまた旨い

まずは、ラム肉やソーセージをこんがりと

焼きあがったラム肉やソーセージを、「キャベツ千切りヨーグルトミントソース」(700円)と一緒に「ピタパン」(300円)に挟んでいただく

ちなみに、「キャベツ千切りヨーグルトミントソース」をかければ、「キャベツ」が豊富に含むビタミンUや食物繊維、発酵食品のヨーグルトで腸内環境が整う。

南インドのおふくろの味カレー(1200円)
南インドのお母さん直伝!

シェフ 中須謙太郎さん
「ホルモンはもちろんスパイシーな肉料理いろいろお楽しみを」

『焼肉ケニヤ』

[住所]東京都世田谷区三宿1-4-19
[電話]03-6413-8838︎
[営業時間]16時〜22時15分LO
[休日]水
[交通]東急田園都市線池尻大橋駅西口から徒歩9分

2階席は開放的で気持ちいい

『ホルモン焼肉hachi』@西麻布

生盛(4種盛り、大1850円)左上から反時計回りに、牛タン、ハツ、センマイ、生ホホ
牛タンは肉感と脂のバランスがよく柔らかな食感。新鮮でなめらかな食感のハツ、手間をかけ肉厚な白い部分のみ取り出したセンマイ、やさしい旨みを感じるほっぺた。至福…… 

[産地]国産牛、豚[使用部位]牛:シマチョウ、レバーなど 豚:サガリ、トントロなど

自家製うし醤油で食べる 新鮮ピカピカの刺ものも絶品 みずみずしい肉感を堪能

焼きも旨いが、「生盛」こと刺の4種盛りにまずシビれてしまった。

見た瞬間新鮮さが伝わるきれ〜なビジュアルで、皿の上には上質な牛タン、甘みさえ感じるハツ、肉厚で貝柱みたいな食感のセンマイ、いい塩梅の脂が口で溶けるほっぺた。

センターにあるのは、酢味噌と牛スジからダシを抽出した特製の「うし醤油」だ。ぜひ堪能されたし。

もっとも「スタンダードなホルモンにも赤身にも自信があります」と店主の塩河さんが言うように、美味しい選択肢は多々あり。
「『好み』と『食べたいもの』を言っていただければ」というおまかせコースもおすすめだ。

下から時計回りに、コリコリ(800円)、ナンコツ(500円)、ホルモン(味噌ダレ、1切100円)、センマイ(850円)
ナンコツとコリコリはスパイシーなカレー塩で。味噌ダレホルモンは味噌と脂の甘みが一体化してとろける

ちなみに、本企画で何度も登場する「ネギ」は生盛に。ハラミカツに添えられる「すだち」は皮にスダチチンが含まれ、脂質の代謝を改善するとか

ハラミカツ(1450円)
和牛脂で揚げた「ハラミカツ」は、好みでヒマラヤ岩塩をかけて。カリッとした衣の中のハラミは、じゅわりと柔らかくエロい旨さ

店主 塩河克弥さん
「ご要望に合わせ楽しんでいただけるように、様々用意しています」

[住所]東京都港区西麻布1-4-25 長寿庵 寿ビル1階
[電話]03-3405-2915
[営業時間]18時〜翌2時、金・土18時〜翌3時半
[休日]日
[交通]地下鉄千代田線乃木坂駅5番出口から徒歩8分

『ホルモン焼肉hachi』

『久遠の空』@中野

真髄フルコース(10品、6000円)
下から時計回りに、フワとキクアブラ、ハラミとピリ辛ピーナッツバター、直腸とブルーチーズ
たくさんのハーブとともに軽い食感のフワ、脂に旨みのあるキクアブラの前菜からスタート。ハラミとピーナッツクリームのコクや直腸とブルーチーズの組み合わせも新鮮
[産地]国産豚[使用部位]豚一頭すべて

豚の内臓1頭丸ごとから繰り出される皿は美味しい発見の連続!

ホルモンの旅、最後はフルコースで豚モツを味わってもらおう。

カウンターの中には、本日仕入れた豚一頭の内臓がバットにのって大迫力。

「ただ串焼きにするだけじゃつまらないでしょ」と、様々な部位が、隊長こと遠山さんの手にかかれば、イタリアンを思わせるコース仕立てとなって登場する。

コースには基本的に豚一頭の内臓を味わう醍醐味が集約されている。部位ごとの絶妙な焼き加減、いろいろなハーブやフルーツ、ブルーチーズやフォアグラバターなどとの出合い……。ワインにもよし。

豚モツの新たな美味しさを発見できること間違いなしだ。

上から時計回りに、カシラ肉とラベンダー風味のアイス、ナンコツの沖縄もずく酢、ホホ肉とフォアグラバター、タンドウィッチ
食感や旨みの違う部位が様々な仕立てで続く。ハーブやフルーツ、フォアグラバターなどとの組み合わせが、それぞれの部位の楽しさを引き立てる

ちなみに、各皿に加わる様々な「フレッシュハーブ」。ビタミンやミネラルが豊富に含まれており、それぞれが持つ香りや苦みなどが、各料理のアクセントになっている

下から時計回りに、ハツのキョフテ、コメカミとフルーツの寄せ、カシラ肉のカレー
キョフテはスパイスが利いたウクライナ風ハンバーグ。〆は毎回違って趣向を凝らしたモツカレー。本日はマイルドでホッとする味わい 

店主 遠山隆昌さん
「それぞれ食感も香りも違う内臓の楽しさをぜひ!」

『久遠の空』

[住所]東京都中野区中野3-48-14 シャトー信濃
[電話]090-2224-0170
[営業時間]18時〜22時(入店20時まで)
[休日]日(不定休)
[交通]JR中央線ほか中野駅南口から徒歩10分

『久遠の空』

撮影/西﨑進也、瀧澤晃一(山源)、小島 昇(ケニヤ) 取材/池田一郎
※店のデータは、2019年9月号発売時点の情報です。

※全国での新型コロナウイルスの感染拡大等により、営業時間やメニュー等に変更が生じる可能性があるため、訪問の際は、事前に各お店に最新情報をご確認くださいますようお願いいたします。また、各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いいたします。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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