あいがけのひと品から抜け出し、それだけですこぶる美味しいと、今、キーマカレーが人気上昇中だ。そこでキーマを味わうならここ!的な三ツ星店を集めてみました。個性あふれる味わいに悶絶必至です。
画像ギャラリー『MOKUBAZA(モクバザ)』@北参道
キーマカレー(M)(990円)
牛と豚の挽き肉がベース。15種類のスパイスは弾き立て、煎り立てを使うのが信条。
プチっと弾けるグリーンカルダモンは一粒ひと粒すべて手作業で剥いている。ビターな辛さにマイルドな黄身がマッチ
“元祖”専門店の味覚と美学の集大成
寸分の隙もないドーム型の造形は、元グラフィックデザイナーだった宮本さんの美学の集大成と言おうか。
アボカドやモッツァレラチーズで彩ったひと皿なんて、まるでスイーツのようだ。
「キーマカレーの専門店はおそらくウチだけだった」17年前からキーマひと筋。食材や配合へのこだわりも書ききれないほどスゴイ。
スプーンで崩すのをためらいつつ口に運ぶと、味の緻密さに「!?」。グリーンカルダモンの爽快な刺激が口の中を吹き抜け、煮詰め玉ネギやブイヨンのコクに気が緩んだところで、秘伝スパイスの妙味が再び駆け巡り……。
アート心もイート心も大満足。
アボカドチーズキーマカレー(M) (1350円)
色艶が良くこの量でもクドくならないモッツァレラを厳選
画像上:グリーンサラダ(M)(600円)
画像中:カシスラッシー(820円)
画像下:トルティーヤチップキーマカレーディップ(750円)
店の歴史は“バーの名物カレー”からスタート。カクテルの味もさすが
TEL:03-3404-2606
営業時間:11時半~14時半LO、18時~21時半LO(月は夜のみ)
定休日:日・祝
交通:地下鉄副都心線北参道駅2番出口から徒歩5分
『吉田カレー』@荻窪
カレー MIX(甘口・辛口)(1300円)
※トッピング 国産豚の煮込み350円
特徴的な甘みやフルーティさは、厳選した国産食材(バナナ以外)から。
化学調味料や添加物は不使用。バターや脂の使用も抑えられている
濃密キーマとベースカレー 層を成す旨みとフルーティさ
濃密なキーマと旨みが溶け込んだベースのカレー。このふたつの組み合わせが絶妙だ。肉感溢れるキーマはスパイシーにして中華の甘味噌がベース。松阪ポークと2種類の国産牛がブレンドされ、辛さと甘さ、味には深みがある。
ベースのカレーは、辛さの中にも織り重なるような旨みと後を追うフルーティさが印象的。鶏肉や魚介をふんだんに使ったスープをもとに、吟味された野菜や果物が溶け込む。スープ状なのに濃厚。
ふたつのカレーはスパイスの構成も違い、両者を混ぜ合わせるように食べ進めればさらに刺激的。
渾然一体となって爽やかさと旨さが押し寄せてくる。
TEL:非公開
営業時間:11時半~13時50分、17時半~20時(土夜は18時半〜20時半、限定メニューのみ)
定休日:水・木・日・祝
交通:JR中央線ほか荻窪駅北口から徒歩4分
『ヨゴロウ』@原宿
ビンディキーマ(1000円)※トッピング半熟玉子100円
ビンディとはオクラのこと。そのネバネバ感とスパイシーな鶏肉の相性が抜群。
スパイスの刺激や旨みを感じながら、バクバクいってしまうこと間違いなし
オクラ・スパイス・鶏挽き肉 ここにしかない黒いキーマ
熱々の鉄鍋で供されるカレーは、黒みがかったルックスにやや脂を浮かせ、力強いスパイシーさで誘ってくる。
中にはぎっしりの鶏挽き肉とオクラ。これをスプーンですくってターメリックライスと口に運ぶ。
うーん、山椒も利いたスパイシーさ、鶏挽き肉、オクラのトロッと感が一体となるのがたまらない。
脂の旨みはチキンオイルがベースだ。注文後に焦げる直前までよく炒って細かく砕いたスパイスも足され、食べ進むにつれじわっと来る。
何とも後を引く旨さ。「カレー屋をやろうと思ったのは自由度が高いから」という店主の西さん。ココにしかない味がすごくいい。
チキン/ホウレン草(1000円)※トッピング チーズ100円
通にウケがいいというキーマに対して一番人気はこちら。
こんがりローストされた鶏肉が抜群に旨く、
濃厚なほうれん草ペースト、カレーのスパイシーさと実に合う!
TEL: 03-3746-9914
営業時間:11時半~16時半(15時50分LO)、18時~20時半(19時50分LO)(土は昼のみ)
定休日:日・祝
交通:JR山手線原宿駅竹下口から徒歩10分、都営大江戸線国立競技場駅A2出口から徒歩10分
『カレーライス専門店 ブラザー』@高田馬場
鯖キーマ(860円)
豚1対鶏3の割合というキーマは肉の食感もよく、カルダモンなども利いて爽やかにスパイシー!
食べ進むほどに楽しい クセになる清涼感と旨み
もともとは期間限定の予定が人気で定番化したという鯖キーマ。
ほかほかの白米の上にたっぷりのるキーマは、サバの旨みにトマトの酸味やスパイスが自然に溶け込み、山椒の香りも爽やかに立ってくる。三つ葉のシャキシャキ感、みょうがの清涼感に後からピリッと辛さもきて、抜群のバランスだ。
もっとも旨さの秘密はそれだけじゃない。決め手は下味。鶏ガラを何時間もかけて丁寧に炊いているスープだ。「普段使いの店なので、ハレではなく飽きない味」を目指したという言葉にも納得。それぞれに個性を立たせつつ、どのカレーも妙に旨いのはそのせいなのだ。
キーマカレー (860円)
付け合わせのアチャールとポテサラに、薬味ともども味変を楽しみながら食すのがおすすめ
チキン野菜カレー(980円)
同店1番人気。飴色玉ネギやスープの旨みも全開。
スパイスでマリネしてローストされたチキン、野菜も7種類とたっぷりだ
TEL: 非公開
営業時間:11時~14時半LO、17時~21時LO ※カレーがなくなり次第終了
定休日:日・祝
交通:JR山手線ほか高田馬場駅早稲田口から徒歩2分
『カレー&オリエンタルバル 桃の実 水道橋店』@水道橋
キーマカレーセット(ピクルス・ダル・サブジ付き) (1030円)
※単品880円
挽き肉の噛み応えがしっかり残り満足度は高い。お皿の左側がダル。
混ぜ合わせてマイルドな味にしても美味
ガツンとくるスパイスがご飯の甘みを引き出し、しっかり残る挽き肉の歯触りがご飯の粘りと好相性。
味わいはしっかりインドなのに、ご飯のおともと食べているかのようにパクパクいける。
「その理由は旨みにあります」とは店長の加来さん。
鶏の旨みをしっかり引き出したスープをベースに、多量のスパイスを加え、さらに挽き肉は炒めてから混ぜ合わせて仕上げるため、ご飯の美味しさと手を取り合う味わい、香りに仕上がるのだという。
この店でキーマに開眼すること間違いなしだ。
チキンカレーセット(1030円)
※単品880円
定番のチキンカレー。もうひとつ「マトンカレー」(1100円)がある
画像上:ラムスペアリブのスパイス添えミントチャトニ添え(780円)
画像下:牛ハチノスの八丁味噌マサラ煮込み(830円)
夜はワインやビールとスパイス料理も提供している
TEL:03-5577-2879
営業時間:11時半~14時LO、18時~19時半LO、土11時半~16時LO
定休日:日
交通:JR総武線水道橋駅東口から徒歩3分
『オクシモロン 二子玉川』@二子玉川
和風キーマカリー(1320円)
上にはゴマと万能ネギをたっぷりと。
ゆず酢の浅漬け、クルミの糖衣がけも自家製
“豚汁”のアイデアが魅惑のキーマに変身
テラスから光が差し込む店内は、女性客でいっぱい。ちと入りづらい、と感じる諸兄にも、こちらの「和風キーマカリー」を一度味わってほしい。シェフの村上愛子さんが“豚汁”からヒントを得たこのひと皿。
ベースにカツオの風味を加え、野菜はゴボウやニンジンを使う。八丁味噌や醤油など、調味料にも和食材をふんだんに。
それでいてスパイスは骨太&ボリューミー。
自家製コーヒーとケーキまで美味しいのは「純喫茶が好きなので」と村上さん。胃袋ガッチリ掴まれますゾ。
本日のカリー・春野菜のコルマ(1430円)
月替わりカレーの一例。
ハーブバターとカシューナッツペーストが穏やかな旨みを醸す
画像上:オクシモロンマイルドコーヒー(660円)
画像下:チーズケーキ(660円)
コーヒーは一杯ずつドリップして淹れる。
スイーツは定番と季節限定を合わせて6~7種類
TEL:03-6805-6505
営業時間:11時~20時(フード18時半LO、ドリンク19時LO)
定休日:無休(施設に準ずる)
交通:東急田園都市線ほか二子玉川駅西口から徒歩2分
『ケニックカレー』@渋谷
ケニックカレー恐竜の卵スペシャル(1400円)
特注1点もののオレンジの皿に映えるカレーはちょっとしたアート。
スパイシーで食感も楽しく、五感で味わうカレーなのだ
ビジュアル、スパイス食感の変化まで楽しい!
プレートの上の華やかな色合いを見てワクワク。さらに15種のスパイスを使うという香りが刺激的に食欲をそそる。
キーマは茨城県・いも豚、それも様々な部位を混在して使用。超粗挽きなのも特徴だ。
ゴロゴロっとした弾力のある食感が心地よく、無水調理の濃縮した素材の旨みが口の中にほどける感じ。
フライドオニオンや仕上げのスパイスの食感も入り交じる。
炙りチーズやアボカド、温泉卵を崩しつつ食べ進めばさらに変化が加わり、最後のひと口まで楽しいのだ。
ケニックカレー×魯肉飯の合いがけ(1400円)
八角が香りほんのり甘い魯肉飯との合いがけも人気。
千葉産無農薬有機のパクチーも◎
ケニックカレー(1100円)
トッピングは温泉卵、絹ごし豆腐、炙りチーズ、キムチから選べる
TEL:03-6884-2188
営業時間:11時半~15時半LO、土・日・祝11時半~売り切れまで※平日の夜営業はSNSでご確認ください
定休日:月
交通:JR山手線ほか渋谷駅ハチ公口から徒歩5分
取材/林 匠子(MOKUBAZA)、池田一郎(ヨゴロウ、ブラザー、ケニックカレー、吉田カレー)、編集部(オクシロモン、桃の実)
※店のデータは、2021年6月号発売時点の情報です。
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