CMなしでも国民的ふりかけ「ゆかり」の美味しさの秘訣

みずみずしくてつやつやなご飯は、思わず心躍りますよね。本誌『おとなの週末』11月号の特集「ごはんのお供選手権」で、少ししか触れられなかった「ゆかり」をはじめとした『三島食品』のふりかけの魅力をドーンとご紹介します!

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発売から50年以上! 安定感抜群の「ゆかり」

赤シソの爽やかな香りと酸味が食欲をかきたてるふりかけ「ゆかり」。1970年の発売から50年以上愛される、『三島食品』を代表する人気商品だ。

『三島食品』は、1949年に創業。広島県に本社を置く、ふりかけをメインとした食品メーカー。家庭用ふりかけだけで50を超えるアイテムを展開している。「ゆかり」は『丸美屋』の「のりたま」に次ぎ、国内のふりかけ売上2位を誇る。

1970年発売の「ゆかり」(26g・希望小売価格140円)。
あったかご飯に混ぜ込めば、豊かな香りと爽やかな酸味が広がる

 

「ゆかり」の最も驚くべきは、自社農園で研究開発を行っているこだわりぶり。香り高さを極めるべく、納得のいく赤シソを開発している。

赤シソの香りの爽やかさは「ペリラアルデヒド」という成分だが、発売から数年が経過した頃、「ゆかり」の香りに違和感があったことから原因を追求。長年に渡る自然交配の影響によるものだった。また売り上げの伸びに伴い、高品質な原料の確保も課題に。そこで1988年から試行錯誤を繰り返しながら、優良な株を選び、種取りを重ね、1999年に香りと色が安定した新品種を完成させた。「豊香(ほうこう)」と名付けられ、商標登録されている。

契約産地とタッグを組みつつ、現在もさらなる品質向上を目指し、日々研究が続けられている。

色鮮やかな「豊香」の赤シソ畑。ドローンを使って成長分布を分析し、土壌改良のヒントにするなど様々なテクノロジーとともに進化している

 

なお、「ゆかり」をはじめ、商品に使用するのは柔らかくて香りがいい新芽の部分

摘み取られた新芽は、塩と梅酢に1〜3ヶ月ほど漬け込み、アクや苦味を抜くことで、素材そのもののストレートな美味しさを楽しめるようにしている。そう、「ゆかり」って実は、漬物をふりかけにしたものなのだ。

「豊香」

 

「コマーシャルなどにお金をかけるなら、より良い原料を使う」というのが『三島食品』のモットー。

コマーシャルをしていないのにも関わらずみんなが知っているのは本当にすごい。こうしたこだわりやその美味しさが広く親しまれ、「ゆかり」は、赤シソ風味のふりかけの代名詞として呼ばれるほど、国民的愛されふりかけの地位を築いた。

パートナーは白米だけじゃない! 変幻自在な三姉妹

さて、その「ゆかり」だが、最もポピュラーな26gのほか、大袋(60g)や徳用(90g)、さらに通常より約30%塩分カットの減塩タイプやソフトタイプ、梅入り、五穀入り、しょうが入り、青菜入りなど、豊富にラインナップされている。

これだけ展開を見せているというのは、やはり人気モノゆえ。「ゆかり」の食欲を刺激する香りと美しい色みに思わずテンションが上がってしまうという人も少なくないのではと思う。

2021年に登場した「ソフトふりかけ ゆかり」(16g・希望小売価格140円)。ご飯にふりかけてそのままいただけるのが魅力だ

 

そんな「ゆかり」だが、1984年発売の「かおり 青じそふりかけ」(15g・希望小売価格140円)、2011年発売の「あかり ピリ辛たらこ」(12g・希望小売価格140円)とともに“ふりかけ三姉妹”として親しまれている。

偶然人名っぽい商品名になったそうなのだが、なんでも最初はこのふりかけのファンたちがネット上などで“三姉妹”と言い出したことに端を発している。そんなつもりじゃなかったメーカーもこれ(三姉妹)に乗っかったというのが素敵。ノリの良さと柔軟性がある会社なのだ。

3種類揃うとまるでアニメ『キャッツアイ』の来生三姉妹さながら!(昭和世代の人しかわからないか……
と思わず興奮したけど、次女のレオタードの色が惜しくも違った。残念!

 

青ジソの風味がより爽やかな「かおり」とタラコのピリリとした味わいの「あかり」。温かいご飯はもちろんなのだが、『三島商品』のふりかけは、単にご飯に合わせるだけじゃもったいない

例えば「ゆかり」は、納豆に入れてよ〜く混ぜると爽やかな風味に変貌するので、納豆が苦手という方にぜひ試してみてほしい。

私、ライター市村は、少し塩を入れて茹で上げ、バターで和えたパスタに「かおり」を混ぜ込み、青ジソをパラッとふりかけた

「かおり」パスタ。振りかけて混ぜるだけで香り高い一品に。もちろん、青ジソなしでも美味しい

 

「あかり」は、下茹でした白滝を料理酒で炒めて水分が飛んできたところに和えてみた。タラコや明太子って、薄皮から取り出すのは微妙に面倒だし、何よりそれなりにお値段がするので、こんなに手軽にお値打ちに作れるのか! と感動した。

 

おかずにもおつまみにもGOOD! ピリリとした辛さが抜群のアクセント。「あかり」だけで味が決まるのがうれしい

 

この三姉妹、どれも使い勝手がいいので、いろいろな料理で試してみたくなるのだ。

米袋を抱きしめて名前を叫びたくなる

この三姉妹に続けとばかりの商品がある。2020年発売の「うめこ」と、2021年に発売された「ひろし」だ。いずれも「混ぜごはんの素」なので、温かいご飯に混ぜ込んで柔らかくなったら食べ頃。

 

「うめこ」(12g・希望小売価格140円)は、カリカリ梅を大きめにカットしている

 

「ひろし」(16g・希望小売価格140円)は、広島菜のみという、広島の会社としてのプライドを感じる

 

『三島食品』の広報担当さんによると、この2商品の立ち位置(?)は特に決まっていないそうなので、好きに妄想してほしいとのこと。

ということで、私は三姉妹にとって「うめこ」は頼りになる憧れの従姉、「ひろし」は年下のかわいい従弟という設定で位置づけている。

ちなみに「混ぜ込みごはんの素」には「菜めし」(18g・希望小売価格119円)もある。 広島菜と京菜、大根葉がバランスよく配合されている

 

「うめこ」はカリカリ梅を大ぶりにカットしてあり、存在感抜群。おにぎりにしたら妙に落ち着く安心感があるが、小松菜など茹でた青菜や軽くレンジアップしたキャベツや白菜なんかと和えても美味しそう。

「ひろし」は国産の広島菜を100%使用しており、とても爽やかでピュアな美味しさ

余談だが私にとって「ひろし」はとても身近な存在。大好きな叔父は広だし、義理の父は博、自宅の庭に手掘りで温泉を掘り当てた友人の父親もひろし(個人が特定できそうな漢字なのでここでは伏せておく)、いま最も推しているバンド・FIVE NEW OLDのボーカル&ギターはHIROSHIだし、なんてったって我らが『おとなの週末』の編集長も宏だ。

素敵な「ひろし」が勢揃いだ。個人的な思いを乗せてしまった。米袋を抱きしめながら「ひろしー!」と叫びたい気分だよ。

みなさんも身近な「ゆかり」や「かおり」、「あかり」や「うめこ」、そして「ひろし」に思いを馳せながら、いただいてみてはいかがだろうか。

なお、『三島食品』のオンラインストアには、「赤しそ飲料ゆかり」や赤シソのリキュール「Yukari Classic」などというように、様々な商品がラインナップされている。
https://mishimashop.jp/

ちなみに、スマホで遊べる「ふりかけ4姉妹メーカー」なるものもある。
https://enjoy.mishima.co.jp/sisters/

美味しさと遊び心を兼ね備え、さりげなくこだわりと愛が詰まっている『三島食品』のふりかけたち。どうぞご堪能あれ。

※「ゆかり」、「豊香」、「かおり」、「あかり」、「うめこ」は三島食品株式会社の登録商標です。

取材・撮影/市村幸妙 撮影/鵜澤昭彦(TOP画像)

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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