躍動する若き日のレジェンドレスラーに感動
そしてテレビに目をやると、懐かしい映像が流れていた。スタッフさんに聞くと、1976年〜1990年代の映像を流していて、この日は1979年。自分が生まれる前だ。世界最強タッグリーグ戦の入場式!
ジャイアント馬場、ジャンボ鶴田(赤いパンツ!)組、ザ・ファンクス、アブドーラ・ザ・ブッチャー・ザ・シーク組など名タッグチームが続々と入場。
僕が見たときは晩年の粋に達していたので「若い!」というのが第一印象。だってドリー・ファンクJr.さんがゴツいんだもの。そして、CM(当時のテレビ放送の映像!)の後は、テリー・ファンク対ブッチャー、ドリー対シークのシングルマッチが流れた。YouTubeでもお目にかかれない超レア物! リーグ戦の前哨戦がシングルなんて贅沢だなぁ。
店内に貼られているポスターも、よく見ると世界最強タッグリーグ戦。取材時は12月。その時期に合わせたポスターや映像にしているのだそう。芸が細かい。
ちなみに映像は、お客さんが少ないまたは貸し切りであれば、この年代ある? と映像資料がある範囲でのリクエストに応えてくれる。
名物のハンバーグもチェック!
さて、バルということで料理もお酒も充実。料理は鉄板メニューを中心に、馬場さんが生前愛したシチューやサラダもラインナップ。今回は定番の「ビーフ100%ハンバーグ」をオーダー。16文サイズという700g(2620円)を選んだ。
牛100%で粗めに挽いたハンバーグは、多少つなぎは使っているものの、シンプルに肉の旨みを楽しめる。サルサソース、デミグラスソース、おろしポン酢もついてくるが、そのままでも塩だけでも十分美味しく食べられる、まさに“王道”の一品。
お酒も16文! スパイクシューズ型グラスの「神泡プレミアム・モルツ生ビール」(640円)に。こういうグラスが昭和に流行ったらしい。つま先を下にしないとゴボゴボっとビールが勢いよく出てくると聞き、気をつけながら飲み干した。
ほかにも、馬場さんが好んでいた「サントリーオールド」のハイボールも用意。メガサイズ(970円)で飲めるのは意外とレアなのでは。
なお、飲食代3000円以上で、オリジナルコースター2枚と、名言が印字された箸袋入りの割り箸をプレゼント。ぜひ3000円超えを目指してほしい。
帰り際、もう一度店内を見渡したとき、はたと気づく。全日本プロレスの抜けるような青い色のリングを模した床に、対角線上に赤と青の柱。赤コーナーと青コーナーだ!
細部にまでこだわったジャイアント馬場バル。こんなにも楽しいのに、取材後、2022年1月31日をもって閉店という残念なお知らせが届いた。お店はなくなっても、馬場さんは心の中で生き続ける。
王者の魂よ、永遠に!
撮影/小島 昇 取材/編集部