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これがその希少品だ!
これがその希少品だ!

「伝説」タイプのダブルメッシュ仕様。DVD-BOXの映像をはじめ、資料を見た結果、実際に試合で着用した“最高峰”のものであると確認できた。ついたお値段は390万円

意外な角度に驚き! マスクの鑑賞方法

写真を撮らせていただく際、ふと聞いてみた。「マスクの見方ってあるのですか?」。その泉さんの回答に目からウロコが落ちた。

「ふつうは真正面から鑑賞することが多いですが、斜め上から眺めるのもいいですよ」。

さて、390万円のマスクを眺めさせていただくと「おぉ、これはいい!」。本物のレスラーはほとんどの選手が上背があり、上から見ることは基本的に難しい。テレビでもそんな視点で見られることはほぼない。これはマスクを所有しないと見られない景色。なんたる贅沢!

斜め上からの視点
斜め上からの視点

しかもこのマスクの黒い部分、光を当てて見ると茶色っぽく見える。ブラウンメタリックというものを使っていて、角度によって色が変わるのだ。あぁ、奥深きマスクの世界!

まさにヒーローに会いに行く、売り手と買い手のアツい思い

売り手がいれば買い手がいる。これだけの高額商品だが、売り場(オンラインショップでも同時販売)に出せば、すぐに売り切れる。かつて闘道館にあった力道山のワールドリーグ戦の優勝トロフィー(525万円)は、特別高所得者というわけではない一般のサラリーマンの方が購入したという。

なぜそこまでして手に入れたいのかー。泉さんが購入者の思いを代弁する。

「子どもの頃からの記憶を辿っていき、あのとき、あの試合のものがどうしてもほしい。そんなアツい思いがあって購入されます。マスクなんて特にそうですが、見ていると被っていた選手の魂や息遣いを感じるんです。それってまさにヒーローに会いに行く気分なんですよね。

『自分がファンを代表して責任を持って守ります』とおっしゃる方もいて、購入者からすると保護活動的な要素もあるんです。人によっては、自分が亡くなったあとにどうしてほしいかを遺書に書く方もいらっしゃいます。売る方もそうだけど、買う方も覚悟がいる。直接話すことで金額ではないアツい気持ちが伝わってきます

そんな思いもあってか、お宝商品が入荷したら可能な限り、実物の展示期間を設けている。ひと目見たさに地方から来る方も多々いるそう。闘道館は、ミュージアムとしての側面もあるのだ。

タイガーマスクのみならず、さまざまなマスクが販売されている
タイガーマスクのみならず、さまざまなマスクが販売されている

取材途中、1階で橋本真也さんと小川直也さんが大阪ドームで戦ったIWGPヘビー級選手権試合の勝利者認定証を見かけた。しかも、選手権者名が勝者の橋本真也さんではなく小川直也さん! そう、勝者に渡される賞状を2枚用意されていたのだ。

実は私、この試合を現地で観戦していた。あぁ、あのとき、あの試合のものがどうしてもほしいとは、こういうことか。自分の中での思い出とともに所有欲が高まっていくんだな。よく理解できた。

マスク売り場でも、スペル・デルフィン選手が獣神サンダー・ライガー選手と第1回ベスト・オブ・ザ・スーパージュニアの決勝戦で被っていたマスク(通称・デルイガー)を発見

当時かっこいいと思っていたマスクが目の前にある。7万円か……う〜ほしい。迷わず買えよ、買えばわかるさ! と言いたいところだが、買って帰ると妻に怒られそうなのでなくなく断念。家では吾輩は虎ではなく猫である。

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王者の魂よ、永遠に!『ジャイアント馬場バル』...
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編集部えびす
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