百発百中で「から」がきれいにむけている! 有名ラーメン店の煮卵から受けた衝撃
ゆで卵は、子どもの頃の遠足でもよく食べていた記憶があります。「から付き」のまま持たされていましたね。だいたい固ゆでで、しかもうまくからがむけず、薄皮をはがすときに白身の表面がデコボコになってしまう――そんな、ゆで卵で育った世代です。
ところが、大人になってラーメン店で出会った煮卵は衝撃でした。ツルンとした美しいあめ色のゆで卵は、中の黄身もトロ~リとした超半熟。
かつて九段下(東京都千代田区)にあった有名ラーメン店での光景ですが、2リットルは入る氷水用のピッチャーの中いっぱいに、煮汁とともに浸けられたていた煮卵は実に壮観でした。
しかも、煮卵の表面はキズひとつない“美貌”。百発百中でからがきれいにむけているのです。
「どうやれば、あれだけたくさんのゆで卵を、すべてきれいにむけるのだろうか?」
オイラが抱き続けてきた素朴な疑問は、やがて、テレビ番組で解き明かされました。ご存じの方もいらっしゃると思いますが、ゆでる前のたまごの底部(とんがっていないほう)に、画ビョウで小さな穴をあけておくのです。
穴があくことで卵をゆでるときに、からの内側にある膜と、ゆで卵の白身との間に水が入るため、むきやすくなるという仕組みでした。
しかも、古くなるほどむきやすくなるのだそう。新しい卵の白身には「炭酸ガス」が含まれていてるそうですが、時間の経過とともにガスが抜け、からと白身の間に「すき間」が生じることでよりむきやすくなるのでした。
参考文献/一般社団法人日本卵業協会ホームページ「タマゴQ&A」
1年じゅう、お店に並ぶ卵ですが、春3月は卵の出荷量が1年でもっとも多くなる時期といわれています。自然界のニワトリは、本来冬にエサをたくさん食べて、春に栄養をたっぷり蓄えた卵を産卵してきたそうです。まさに春こそが卵の旬。そして煮卵の季節なのです!