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ご当地味噌、手前味噌…郷土料理にも多く使われる「みそ」

日本人の食に欠かせない味噌。その種類・味などは地域などによっても多種多様(PHOTO/jedi-master-Stock.Adobe.com)

日本各地には、その風土にふさわしい材料や製法で作られるさまざまなミソがあります。ミソは大きく分けて「米味噌」「麦味噌」「豆味噌」「調合味噌」の4種類に分類できます。

「全国味噌工業協同組合連合会」が集計した2020年ミソの種類別出荷数量データによると、米味噌が81.8%と断トツ。名古屋など中京地方で作られ、豆麹を使った赤褐色で硬さがある「八丁味噌」に代表される「豆味噌」が4.8%、主に九州地方で生産される「麦味噌」は3.8%とそれぞれ希少なものになっています。

せっかくですから、自分が住んでいる地域以外のご当地ミソを何種類か選んで、ブレンドするのはいかがでしょう。さらにご当地ミソを使ったなめろう(千葉県)、味噌煮込みうどん(愛知県)、冷汁(宮崎県)など郷土料理も多くありますから、マネして作ってみるのも楽しいものです。

一方、ミソを手作りして、我が家の味を伝承しているご家庭も多いことでしょう。自慢することを表す「手前味噌」の由来は、かつてミソはそれぞれの家庭で趣向を凝らして作られており、その出来栄えが良いことを自慢しあった際に使われたと伝えられています。

◆ミソのアレコレ、大人顔負けの麻布中の入試問題

「味噌などの発酵食品が消化や吸収されやすいといわれる理由を答えなさい」
「味噌が腐敗しにくく、長く保存できる理由を答えなさい」

これは、2022年2月に行われた私立麻布中学校(東京)の入試の理科で出題された問いの一部です。問題文のなかで、米味噌づくりに関する記述があり、発酵の過程で麹菌や塩がどのような役割をしているのかを問うています。ふだん料理をしている大人でも「何となくこうであろう」というあいまいさを払拭させる良問です。

時には、家族で台所に立ち料理を科学的に考察することも、立派な受験、いや社会勉強になるはずです。いえいえ、勉強だなんて、堅苦しいことを言わずに子供と一緒に料理を楽しむ、その経験が単に入試で役立つ以上に、いつか子供が独り立ちしたとき、理想の食事を自分でつくる際の“財産”になることを願わずにはいられません。

※現在は当時の状況と異なる場合があります。

文/中島幸恵、漫画/うえやまとち、メイン画像/Tsuboya-Stock.Adobe.com

◆『クッキングパパ』とは?
福岡市博多を舞台に、商社の営業課に所属するサラリーマン、荒岩一味が家族や同僚、友人らに得意な料理の腕前を披露、食を通じて周囲の人々に笑顔とパワーを与える物語。作中ある料理のレシピは、定番料理からオリジナルメニュー、地元九州の郷土料理まで多岐にわたり、詳細なイラストとポイントを押さえた簡潔な説明はいま、すぐ作りたくなると好評を博している。
週刊漫画誌「モーニング」(講談社発行)で1985年から連載している人気シリーズで、2022年1月現在、単行本は160巻。

※「おとなの週末Web」の記事では本稿紹介の漫画、クッキングパパ 「COOK.65 心の中からあったまるミソ汁を」 を一話丸ごと読むことができます。

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中島幸恵
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