西小山は“地味シブな商店街”に高感度な店が続々!5店を厳選 GW東京グルメ散歩(1)

お隣の武蔵小山の陰に隠れて(?)今まではなんとなく地味な存在だった(失礼)西小山が、このところ熱い。この街は線路を挟んで目黒区と品川区が隣り合っている。そのせいか、街の雰囲気も目黒区側と品川区側では一変する。 雰囲気が異…

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お隣の武蔵小山の陰に隠れて(?)今まではなんとなく地味な存在だった(失礼)西小山が、このところ熱い。この街は線路を挟んで目黒区と品川区が隣り合っている。そのせいか、街の雰囲気も目黒区側と品川区側では一変する。

雰囲気が異なる目黒区側と品川区側

まずは駅の西側、長い商店街が広がる目黒区側から歩いてみよう。駅からまっすぐ伸びるのは『にこま通り商店街』。この商店街とクロスする形で弁天通り、えびす通りがあり、それぞれ商店街を形成する。広範囲に店が散らばっているのでにぎやかな下町を思わせる。

駅から『にこま通り商店街』をしばし歩き、えびす通りを右折してずんずん行くと、昭和の哀愁漂う通りに忽然と『クラフトビレッジ西小山』が現れる。地域のコミュニティを活性化させようという試みを持つ新名所だ。クラフトビールやタイ料理などの個性的な飲食店とイベントスペースが集結する。また、こちら側には四川料理と日本酒の『コクエレ』や、モツとロゼワインがメインのワインバー『fujimido243』など、よく知られた人気店も多い。

反対側の品川区へ目を向けると駅から中原街道まで続くのが西小山桜並木通りだ。約1kmの間に100本以上の桜がある「しながわ百景」のひとつで、桜祭りも行われる。この西小山桜並木通りに面した駅からすぐの場所に、リニューアルした老舗銭湯『東京浴場』があり、最近メディアでも話題を呼んでいる。

『CHIISAKATTA ONNA』 一度食べるとクセになる、スパイシーなのにどこか懐かしい

気になる店名は、絵を描いていた店主・小助川さんの創作タイトルから選んだものだという。どこにも属さない子供時代の“何者でもない自分”を意味しているとか。その通り、自由な発想のカレーもカテゴリーに収まらない。自家製の調味料で甘みを加えるので、サラサラでスパイシーだけど欧風カレーのようなコクもあり、どこか懐かしさも漂う。カレーに合わせて焙煎したコーヒーと一緒に飲むのがおすすめです。

あいがけ(チキン&キーマ)1350円ブレンド+150円

チキンカレーの海に浮くライスにキーマと黄身をトッピングしたユニークなビジュアルのあいがけ。カレーはすべて鶏ダシの利いたスープき。テーブルに備え付けのキャベツのピクルスを一緒に食べると2倍旨い
カウンターでは自由に本を閲覧できる

店主・小助川麻里耶さん「トッピングやルウ増しなどカスタマイズもできますよ」

住所:東京都品川区小山5-25-14 カーサファイブ 1階 
TEL:03-6887-2292
営業時間:11時半~15時
定休日:月
交通:東急目黒線西小山駅から徒歩3分

『グローブコーヒー』 寒い冬の日にはこちらの温かいコーヒーで和みたい

ご近所の飲食店も買いに来る、我が街の頼りになるコーヒー専門店。焙煎から手がけるオリジナルのコーヒー豆は定番と季節限定を合わせて12種類。柔らかく焙煎をかけたフルーティな味わいで、毎日飲んでも飽きないコーヒーを目指している。週末に登場する自家製のケーキも密かなお楽しみだ。

自家製チーズケーキ500円、ホットコーヒー570円

定番スイーツはほどよい甘さのチーズケーキ。酸味がまろやかなコーヒーとの組み合わせがぴったり
静かな店内では落ち着いて過ごせる 

店主・増本敏史さん「お散歩の時にはテイクアウトでも温かいコーヒーをお楽しみください」

住所:東京都品川区小山5-25-10 平岡マンション 1B 
TEL:03-6426-2234
営業時間:10時半~19時半、カフェ~18時半
定休日:火
交通:東急目黒線西小山駅から徒歩3分

『キュイソン ルカ』 素朴だけど手抜きのない焼き菓子がいっぱい

 厨房から香ばしい香りが漂ってくる焼き菓子の専門店。店主の野澤さんは「日常のおやつを作りたい」と、店頭に並ぶのはクッキーやフィナンシェなど素朴なお菓子ばかり。保存料を使用せず、できたてにこだわって少量ずつ焼き上げるから、サクサクで香り高い。週末限定でスコーンやタルトも販売する。

キャラメル風味のフィナンシェにアプリコットやフィグが入っている。各230円
『キュイソン ルカ』の店内

店主・野澤克正さん「素朴なお菓子ですが上質な美味しさを味わって頂けるよう手間は惜しみません」

住所:東京都品川区小山5-25-10 平岡マンション 1C 
TEL:03-6421-5535
営業時間:10時~20時
定休日:火、月不定休(Instagramにて確認を。https://www.
instagram.com/cuissonlucca/
交通:東急目黒線西小山駅から徒歩3分

『Cizia(チッツィア)』 ワインがすすむイタリアンはパンとワインも超魅力的

この店のシェフであるばばさんはイタリアンの料理人。だけど、パンを極めようと以前は名店『パーラー江古田』で働いたり、店の夏休みには1 ヶ月もワイナリーを手伝ったりと、なかなかに守備範囲が広い。料理は「鶏とじゃがいものオーブン焼き」や「牛肉のロースト」など、素材をストレートに生かしたイタリアン。そこに「ラム串」や「ポテトサラダ」など、変化球のつまみが差し込まれていて、ばばさんの守備範囲の広さが見え隠れする。料理とパン、秀逸なセレクトのナチュラルなワインを求めて、ご近所さんが集う街のオアシスのような憩いのスポットだ。

砂肝のコンフィ600円

オリーブオイルでコンフィしたプリプリの砂肝は、ドイツの爽やか
な白ワインと一緒に。残ったオイルにフォカッチャを浸して食べたい
『Cizia』の店内

オーナーシェフ・ばばかつえ さん「ひとりでもフラリとカウンターでワインを楽しんでくださいね」

住所:東京都品川区小山6-6-3
TEL:03-6314-3965
営業時間:12時~14時半(14時LO)、18時~23時(22時LO)
定休日:月、日・祝は不定休
交通:東急目黒線西小山駅から徒歩3分

『winebar WEST』 シンプルなビストロ料理とこだわりのワインが揃う

「ワインバーでも、きちんとした料理が食べられたらうれしいですよね」と店主の仲西さん。そこで丁寧に調理したシンプルなビストロ料理を出すことにしたという。豊洲市場に通って仕入れる、魚を使った料理がスペシャリテ。また、仲西さんがセレクトした料理に合うナチュラルワインも、ここに通うお楽しみのひとつだ。こちらは西小山でも静かなエリアに誕生したばかり。だが仲西さんが人気店出身とあって、ピークタイムはすでに満席の日も多い。狙い目は夕方4時のオープンタイムというから、まだ明るい時間からひと足早くフライングで飲み始めたい。

平スズキのムニエルとメイヤーレモン2800円

肉厚のスズキをたっぷりのバターでムニエルに。ジューシーなメイヤーレモンを搾ってさっぱりさせるとより白ワインに合う
アーチ天井の店内は、ワインカーブをイメージして作られている

店主・仲西正和さん「来る前に一度お電話いただけると、お席が空いているかお知らせできます」

住所:東京都品川区小山6-9-9 コーポアキマル 1階
TEL:03-6426-8991
営業時間:16時~22時(21時LO)
定休日:日、月は不定休
交通:交東急目黒線西小山駅から徒歩4分

西小山のディープスポット 『海老重』はオトナの玉手箱

西小山が面白いのはなんでも混在しているところ。実はホットなソウル・バーもあるのだ。20年以上続く『海老重』は、西小山でも知る人ぞ知る存在だが、ソウル好きの間では有名だそう。ドアを開けると年齢層の高い客層が多く、落ち着いたいい雰囲気。特等席はマスターがいるカウンター付近で、常連客と楽しげに会話を交わしている。壁にはレコードがびっしり、中央にはダンスフロアがあり、夜が深まればダンスも見られるらしい! ?(←オカモト検証中)。

『宮野古民家自然園』 江戸時代の風景を留めるこのエリアの貴重な存在

場所は西小山駅と洗足駅の中程。農家だった民家の敷地に、主屋、庭園、屋敷林などが点在し、現代の街の中にぽっかりと残されたエアポケットのようだ。主屋は江戸時代後期(寛政期)以前に建てられたもので、目黒区指定有形文化財。庭園には初春の梅やツツジなども咲き、季節ごとの見どころになっている。併設の「民具展示室」には、江戸時代末期から現在に至るまで、この地域で日常的に使われていた農具や生活用品も展示されている。

古民家の内部

住所:東京都目黒区原町2-5-8
TEL:03-3712-0100
営業時間:10時~15時半 都合により早く閉園あり
定休日:月・火(祝祭日は翌日休)
入園料:大人200円、小学生100円
交通:東急目黒線西小山駅から徒歩8分

注目はこれから伸びる品川区側

西小山の品川区側は最近になってマンションが増えたこともあり、ライフスタイルにこだわる若い層が多い。そんなことも手伝ってか、こちら側には注目店が増えている。

例えば、桜並木が気に入ってこの場所に店を決めたという『グローブコーヒー』、隣にある本格焼き菓子店『キュイソンルカ』、裏手には個性的なカレー店『CHIISAKATTAONNA』など、キラリと光る店が点在している。さらにコアなファンがついているソウルバー『海老重』という重鎮があるのも忘れてはならない。そんなこの街を見守るのが『小山八幡神社』だ。品川区内随一の標高にあり、境内からは都心がはるかに見渡せる。ここから駅方向へ戻る途中には、夕方早めから飲める『ワインバーウエスト』、さらに駅寄りにはパンが美味しいイタリアン『チッツィア』がある。このおしゃれな2軒はわざわざ遠くから来る人も少なくない、今の西小山を象徴する人気店だ。

散歩がてら再び目黒区側へ戻ったら『宮野古民家自然園』も訪ねてみたい。ここには江戸時代の風景を思わせる建物や自然豊かな庭園が残っている。

商店街、住宅街、高台から見守る八幡様、センスのいい飲食店など、ミスマッチなものが違和感なく混在する、これこそ西小山最大の魅力。そして、エネルギーに満ち溢れた、注目したいローカルタウンそのものだ。

撮影/西崎進也、取材/岡本ジュン

※2022年3月号発売時点の情報です。

※全国での新型コロナウイルスの感染拡大等により、営業時間やメニュー等に変更が生じる可能性があるため、訪問の際は、事前に各お店に最新情報をご確認くださいますようお願いいたします。また、各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いいたします。

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