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肌寒くなってくると、選択肢の上位に浮上するのがカレー南蛮。蕎麦のつゆを利用した懐かしい味もあれば、計算され尽くした新発見の味も。新旧を食べ比べれば、カレー南蛮を見る目が変わりますよ。

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撮影/石井和明(やぶ久)、髙井 潤(ならや)、大西尚明(泰明庵)、鵜澤明彦(新橋てんか)、小澤晶子(朝松庵) 取材/井島加恵

日本橋 やぶ久(最寄駅:日本橋駅)

厳選した七味が生み出す奥深い旨みと辛みのカレー南蛮そば

辛口カレー南ばん 1134円

『日本橋 やぶ久』の看板メニューとも言えるカレー南蛮は、平成14年に4代目の高橋義明さんが受け継いでから多様な七味を取り入れ、辛さが普通・辛口・大辛・激辛の4種類になった。辛口は、ピリリとしたスパイシー感のあと、複雑な辛さがじわじわと攻めてくる。同時につゆの濃厚な旨みが溶け合い、「醤油に負けないように、ダシには特注の厚切りの鰹節を惜しみなく使っています」という高橋さんの言葉に納得。外二で打つ蕎麦の風味が調和の役目を果たし、辛さと旨みがこれまた絶妙なバランスになる。あっさりとキレがいい後味にも大満足だ。

カレーへのこだわり

カレー粉は辛くなるにつれ、炒める時間が長くなる。さらに、京都から取り寄せる7種類の七味を使い分けて辛さを調節している

[住所]東京都中央区日本橋2-1-19 [TEL]03-3271-0829 [営業時間]11時~16時(15時半LO)、17時~23時(22時半LO、土~21時半〔21時LO〕)※ランチタイム有 [休日]日・祝 [席]54席/昼のみ全席禁煙/予約可/カード可/サ・お通しなし [交通アクセス]地下鉄東西線ほか日本橋駅B7出口から徒歩1分

ならや(最寄駅:池袋駅)

コクのある辛さに導く手間暇かけたルウが決め手

カレー南蛮(豚肉) 850円 (小ライス付き)

『ならや』で34年前の創業時から根強い人気を誇るのが、カレー南蛮だ。ひと口目は甘いと感じるが、徐々にスパイスの複雑な辛みが広がって、パンチが利いたダシの鰹風味が溶け合い、まろやかな味へと変化する。「常に研究を重ね、作り方を見直しています」と話す店主・奈良順一さんの真摯な姿勢が垣間見える。さらに、7年前に日本料理店で修業した2代目となる息子の卓也さんが加わってから、「ふぐ天とすだちのおろし香味蕎麦」1000円(11月~4月)など季節限定の蕎麦のファンも増えた。

カレーへのこだわり

独自に調合したカレー粉と、とろとろになるまで炒めた玉ネギを加えたカレールウの2種類を使うことで、まろやかな甘みに

[住所]東京都豊島区東池袋1-17-11 パークハイツ池袋1階 [TEL]03-3984-6705 [営業時間]11時~16時、17時~21時(20時半LO、11時~21時の営業の日もあり。日・祝~16時)※ランチタイム有 [休日]土 [席]26席/全席禁煙/予約可/カード不可/サ・お通し代なし [交通アクセス]JR山手線ほか池袋駅東口から徒歩6分

泰明庵(最寄駅:銀座駅)

セリの爽快な食感が濃厚な味わいを引き締める

せりカレーそば 1200円

『泰明庵』で毎年10~3月頃に登場する「せりカレーそば」も、探究心旺盛な2代目・江端貞夫さんが偶然あったセリを入れてみたところ、相性の良さを発見したという。
そばとセリがよく絡むカレーはとろとろで、いわゆるカレーとは一線を画すカレー餡。口の中で濃厚なダシの風味が広がると同時に、セリのしゃきしゃき感が小気味いい。10月下旬からは、ゴボウのような歯触りのセリの根っこが加わる。魚屋時代の流れで刺身や旬の食材を使った料理も豊富なので、蕎麦前の時間も粋にゆったり楽しみたい。

カレーへのこだわり

カレー粉を加えるダシがポイント。前日から昆布を漬け、宗田節と鯖節、本削り節と本枯節などを別々に煮出してから合わせることでそれぞれの旨みを巧みに引き出す

[住所]東京都中央区銀座6-3-14 [TEL]03-3571-0840 [営業時間]11時半~21時(20時半LO、土~14時40分LO)※ランチタイム有 [休日]日・祝 [席]52席/15時まで全席禁煙、15時以降2階は喫煙可/予約可/カード不可/サ・お通し代なし [交通アクセス]地下鉄丸ノ内線ほか銀座駅C2出口から徒歩3分

朝松庵(最寄駅:中目黒駅)

一子相伝の大切な味を生きている限り

カレー南蛮 700円

「小学生の頃から、いつも祖父のカレー粉作りに呼ばれて手伝ってました」という『朝松庵』4代目の角田米子さん。明治41年に、祖父が大阪で売り出したカレー南蛮の作り方を今も忠実に守っている。材料を測るのもなんとすべて尺貫法だとか。黄色みがかったとろとろのカレーは、子供のファンも多いというやさしい口当たり。あとからじわじわ広がる辛みもほどよい。

カレーへのこだわり
注文が入る度に、3日かけて作ったカレー粉をダシで溶き、蕎麦のつゆを加えて一杯分ずつ作る。ダシに使う鰹節の量、そばの茹で時間などもすべて祖父直伝

[住所]東京都目黒区上目黒2-42-12 [TEL]03-3712-1807 [営業時間]11時半~15時、17時~20時半 ※ランチタイム有 [休日]火 [席]26席/全席喫煙可/予約不可/カード不可/サ・お通し代なし [交通アクセス]東急東横線ほか中目黒駅東口から徒歩7分

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※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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