老舗の醤油蔵が作った! バーベキューに持っていきたい万能調味料
続いてこちら。コロナ禍に家族でキャンプやバーベキューを始めた人も多いと聞く。だけど準備が実に大変。実は山女の私も、醤油や味噌など調味料をちまちま小分けにして持っていていたのだけど、液体は気を使うし、毎度、詰め替えが面倒だった。
しかし、このFOODEX会場で、いいものを発見! 「日本一しょうゆ」で知られる岡直三郎商店が開発した、その名も「日本一スパイス」。醤油を製造する時に絞った後の醤油粕を再利用し、数種類のスパイスを混ぜて作ったそう。味見してみるとただしょっぱいのではなく、しっかり醤油の味なのにガーリックが効いていて、魚でも肉でも何でも合いそう。
社員さんによると、「フライドポテトやステーキに振りかけても、おにぎりの塩代わりにもなりますよ」とのこと。まだ行きづらいけれど、海外出張でもポケットに入れていけば、和風の味付けが恋しくなったら活躍しそう。コンパクトで優秀な1本です。
■「日本一スパイス」80g 480円
http://www.nihonichi-shoyu.co.jp/
バーベキューで活躍! 焼いても溶けないキプロスのハルミチーズ
今年は参加も少なく寂しい海外エリアだが、そのなかでも賑わっている一角が。近づいてみると地中海の東に浮かぶ小さな島、キプロス共和国のブースであった。ワインや海塩、オリーブなどが並べられ、大使みずからせっせとオードブルを並べてPRに奮闘している。
トマトに白いチーズを刺したオードブルを「どうぞ」と差し出されたが、もしかしてこれはキプロス伝統のハルミチーズ? セミハードタイプで非熟成の塩漬けチーズで、匂いはほとんどない。しかし、口に入れてみると、日本のカマボコのような不思議な食感に、初めて食べた人なら驚くだろう。やさしいミルク風味で、クセは少なくさっぱりしていて酸味のあるトマトとよく合う。
「そのままパンに挟んだだけでも塩味が効いて美味しいですが、日本食材の大葉や海苔を巻いてもいいですよ。焼いても溶けないので、家庭でもぜひバーベキューにも加えてほしいですね」と大使のハリスさん。
そのままでも食べられて、両面をひっくり返してさっと焼くだけで料理の主役級。時短料理としても重宝するし、冷蔵庫で半年間、保管できる商品もあるので、常備しておいて損はない。聞けば、日本で現在、売られているハルミチーズは羊やヤギの乳に牛乳を混ぜたものだそうだ。
「日本人に馴染みのある牛乳が混入したチーズも、もちろん美味しいのですが、本来、キプロス伝統のハルミチーズはヤギや羊の乳で作るんです。ハルミチーズとひと口に言っても、いろいろな種類があるんですよ。ぜひ日本でもヤギや羊の乳だけで作ったハルミチーズをたくさんの方に味わってほしいですね」
羊の乳で作ったチーズはまろやかな味でサラダに、ヤギの乳は独特のクセがあって好みが分かれるかもしれないが、フルーツソースをかけたら合いそうだ。
日本では約250gで1000円から1500円前後で輸入食材店やネット通販などで売られているが、今回、取引先を増やして羊やヤギのチーズも、もっと広めていきたいそう。ワインにも日本酒にもビールにも合う不思議なキプロスチーズ、一度、試してみては?
以上、「FOODEX JAPAN 2022」で見つけた、気になる食品の紹介でした。第2回目は、健康にも良い「お酒のつまみ編」をお送りします。
取材・撮影/白石あづさ