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「パンタナール」を知ったのは1985年 “ナショジオ”の編集者の一言がきっかけ

開催前日に行われた内覧会で、岩合さんは、パンタナールでの撮影の苦労や楽しさを振り返りました。岩合さんは、テレビ番組の反響もあって、「ネコの写真家」としての知名度が高いようですが、原点は野生動物の撮影。1982年には、アフリカ・タンザニアに一家で移住し、セレンゲティ国立公園の野生動物を1年半以上にわたって撮り続けました。その充実の日々は、1984年の写真集『セレンゲティ アフリカの動物王国』に結実、高い評価を得ました。

パンタナールをとらえた数々の写真も、同様に長い期間と労力を費やした渾身の作品です。岩合さんは、「今はもうすっかり“ネコの写真家”になってしまったんですけど(笑)。本来はそんなことないんです。82年から84年まで、アフリカ・タンザニアにあるセレンゲティ国立公園で1年9カ月を過ごして、本当に毎日、写真を撮っていたんです。それを発表した時に、(世界各国で刊行されているビジュアル雑誌の)『ナショナルジオグラフィック』で、表紙を含めて47ページの特集をしてもらったんですけど、それがすごい評判になって、表紙の写真をプリントしてくれという注文が、世界中から毎日エアメールで僕の事務所に200通ずつぐらい来たんですね。その時は、個人の方にプリントするということはなかったんで、今あれに応えていたら、きっと岩合ビルが建ってたんじゃないかなと思うんですけど」とユーモアを交えて振り返り、今回のパンタナールを撮るきっかけについても、明かしてくれました。

内覧会で挨拶し、自作について語った岩合光昭さん(堀晃和撮影)

「ジオグラフィックの編集者が僕の友達で、『次に世界のどこをやるんだ(撮るんだ)』と聞かれたんです。僕はオーストラリアを考えていたんですけど、彼は『パンタナールはどうか?』と。その時は、1985年だったんですけど、初めて『パンタナール』という言葉を聞いたんです」

岩合さんが続けます。「パンタナールは湿地帯で、1年の半分は洪水状態。だからこそ、人の手の及ばないところで、自然が保たれている。野生動物たちも、人の開発が加わっていないところで暮らしている。そういうところは、僕は、アフリカのセレンゲティが、一番だと思っていたんですけど、あ、ここにも、世界一に匹敵するところがあると、思ったんです」

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寝転んだジャガーを撮って、心の中で小躍り...
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おとなの週末Web編集部 堀
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