石川・金沢で毎年7月1日に食べられている季節の和菓子があります。「氷室まんじゅう」です。金沢の和菓子店ではこの時期、店頭に自慢の氷室まんじゅうが並びます。“金沢の奥座敷”と呼ばれる湯涌温泉でも湯涌温泉観光協会が氷室まんじ…
画像ギャラリー石川・金沢で毎年7月1日に食べられている季節の和菓子があります。「氷室まんじゅう」です。金沢の和菓子店ではこの時期、店頭に自慢の氷室まんじゅうが並びます。“金沢の奥座敷”と呼ばれる湯涌温泉でも湯涌温泉観光協会が氷室まんじゅうを販売していますが、本来はこの温泉街でしか買えない“限定品”。それが、東京都内のアンテナショップで今回初めて販売されます。
石川県アンテナショップで、6月30日、7月1日に限定販売
湯涌温泉観光協会の氷室まんじゅうが買えるのは、東京・銀座の石川県アンテナショップ「いしかわ百万石物語 江戸本店」です。店頭販売は6月30日と7月1日。湯涌温泉観光協会と、金沢の老舗和菓子店「越山甘清堂」の2種類が、店内に置かれます。もともと事前に予約注文を受け付けており、予約分の引き取りとは別に当日販売があります。2種類とも数量限定です。
越山甘清堂が567円(3色各1個の3個入り、こしあん、消費期限は当日)で、湯涌温泉観光協会が220円(1個、こしあん、消費期限は翌日まで)。
氷室まんじゅうは、皮が白と桃色と緑の3色が基本です。湯涌温泉観光協会のものは独特で、1個のまんじゅうにこの3色が入っています。湯涌温泉観光協会によると、「けっこうなボリュームがあるので、3色全部食べるのは大変。1個食べれば、3色を味わえる」というアイデアの逸品です。
湯涌温泉観光協会の氷室まんじゅうは、金沢の和菓子店で作ってもらったものを、基本的には湯涌温泉の街だけで販売してきました。都内の一部店舗にも卸しているとのことですが、石川県アンテナショップでの販売は初めてです。
無病息災を祈って
氷室まんじゅうのルーツは、江戸時代にさかのぼります。実は、氷室まんじゅうを食べる「7月1日」には、意味があります。当時、加賀藩は氷室で貯蔵した雪氷を取り出し、将軍家に献上していました。その氷室を開く日が旧暦6月1日。現在では7月1日というわけです。金沢では7月1日は「氷室の日」と呼ばれています。
遠い江戸まで氷が溶けずに無事に届くようにと、祈念して供えられたのが氷室まんじゅうの始まりだったそうです。五代藩主の前田綱紀のときに、金沢の菓子職人だった道願屋彦兵衛が考案したと伝わっています。以来、氷室の日に、氷室まんじゅうを食べて無病息災を願う習慣が広がりました。300年もの歴史がある伝統の和菓子です。
湯涌温泉観光協会では、1986年に氷室を復元。6月30日に氷室開きをして雪氷を切り出し、石川県知事や金沢市長に贈呈するほか、加賀藩下屋敷のあった東京都板橋区、上屋敷のあった文京区、前田家の旧本邸が残る目黒区という縁のある区にも送ってきました。
今年は、上記に加えて、その伝統の雪氷が江戸本店にも送られ、7月1日に展示されます。
7月1日の江戸本店では、金沢の伝統が体感できる貴重な日となりそうです。
「いしかわ百万石物語 江戸本店」の店舗情報
住所:東京都中央区銀座2-2-18TH銀座ビル
TEL:03-5579-5890
営業時間:10時半〜19時
交通:地下鉄有楽町線銀座一丁目駅の4番出口を出てすぐ