「子供の短冊見て我が人付き合い直せ」
ただ、この手の短冊には、子供の純粋すぎるが故に、大人がひとこと言ってやってもいいのではないか、と思う願いが書かれている場合もある。
最近覚えた子供の拙い文字で「イタリアになりたい」と書いてある短冊を見たことがある。見てて笑えたけれど、冷静に考えるとぶっ飛んだ子だ。
イタリア人になりたいのであれば、国籍を変えれば叶うけれど、イタリアそのものになるには些かハードルが高い。遺骨をイタリアに撒いてもらい、その地の一部になることは叶うかもしれないけれど、現実的ではない。
もっと、世の中には素敵なものがあるよ、色々な人と触れ合って、世界を知って、選択肢がたくさん世界にはあるんだよ、ということを知ってほしいな、という気持ちになった。
だが、どうだろう。
そこまで積極的に色々な人と話をしたり、見識を広げようと活動をしていない私も、結局のところはその子と同じなのではないだろうか、と思う。
何せ人付き合いを避けている“胃”の中の蛙なのだから。
流石にイタリアになりたいとは思わないけれど、その子と大差ない。はたから見れば、前田、もっと世界を知るべきだ、と思われても然るべきな気もしてきた。その子も私も、もっと人付き合いをして世間を知るべきなのかもしれない。
人のふり見て我がふり直せ、ということわざが古くからあるように、子供の短冊見て我が人付き合い直せ、と自身の身の振り方を改めさせられる、そんな七夕でした。
前田裕太(まえだ ゆうた)
1992年8月25日生まれ、神奈川県出身。愛媛県の名門、済美高校野球部の同期である高岸宏行とのお笑いコンビ「ティモンディ」のツッコミ担当。趣味はサッカー観戦、読書。テレビ番組で画力を披露したり、複数メディアでコラムを執筆するなど、マルチな活動で注目を浴びている。
ティモンディ
高岸宏行・前田裕太によるお笑いコンビ。コンビ結成は2015年、グレープカンパニー所属。高岸のポジティブなキャラクターや、二人の野球経験と身体能力などがバラエティ番組で引っ張りだこに。コンビの野球経験をいかしたYouTubeチャンネル『ティモンディチャンネル』の登録者数は約25万人。