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月刊誌『おとなの週末』の好評連載「口福三昧(こうふくざんまい)」は、漫画家のラズウェル細木さんが、試行錯誤を繰り返しながら食を楽しむ様子を描いた漫画エッセイです。2021年6月には、連載をまとめた単行本『ラズウェル細木の漫画エッセイ グルメ宝島 美味しい食の探検へ』(講談社ビーシー/講談社)が刊行されました。単行本未収録の雑誌掲載作を『おとなの週末Web』で特別公開します。ラズウェルさんの“自作解説”とともに、お楽しみください。

※漫画は、画像ギャラリーでもご覧になれます

テーマは「定食」 定番具材以外をライスペーパーで巻く!

今回ご紹介するのは、「具材たっぷり!生春巻で定食作り」の回(『おとなの週末』2021年8月号掲載)です。生春巻は、ベトナム料理のひとつ。「エビや肉、生野菜などをライスペーパーで巻いた料理」(「デジタル大辞泉」より)です。

ラズウェルさんが挑戦したのは、定番以外のさまざまな具材を巻くこと。ただ、単に調理しても面白くないと考え、テーマを設定しています。ライスペーパーを「ご飯」ととらえて、「いろんなおかずを巻いてこれを1本の定食に見立てるという趣向」です。つまり、テーマは「定食」。

「今までは、ベトナムでの定番通り、エビにレタス、春雨などを巻いて、ベトナム料理店で出ているスタイルでしか作っていなかったんです。オーソドックスなものを作っていたんですけど、今回いろんなものを巻いてみようかなと思ったのがきっかけです」。今回の動機について、ラズウェルさんはこう話しています。

やってみて実感したことは、ライスペーパーの“まとめる力”でした。

「ライスペーパーは、わりかし、エスニックな料理の中では、オーソドックスに使われます。(もちもちした食感にするため)水で戻して巻くだけですから。凝った調理はしなくていいので、便利なものだと思っていました。いろんなものを巻いてみて、想像以上にいろんなものをまとめる力があるなと。それは、原料がご飯、米だからかな、と思う。要するに、ご飯は、いろんなおかずを食べても大丈夫。ご飯はすごいなということですね」

「洋食部門」として「ハンバーグ定食」、「エビ&白身フライ定食」に挑戦

「定食」をベースに、まずは「洋食部門」としてチャレンジしたのが、「ハンバーグ定食」。ライスペーパーを洋食とあわせた感想はどうだったのでしょうか。

「まさに、ソースとご飯は合うなと。西洋料理だと、パンで食べるものなのでしょうけど、日本の洋食文化は、ご飯と合わせることで進化してきた。ライスペーパーでも合わせられます。洋食屋が、パンだけではなく、ご飯も出すことに、納得です。西洋料理を出しているのではなく、これは日本の洋食なんだと。西洋料理は、ご飯に合うと改めて実感しました」

しかし、本当のハンバーグ定食とは違い、ハンバーグも千切りキャベツもレタスもパセリもケチャップ味スパゲッティーも一度に口の中に入れることになります。その点を尋ねますと。

「ハンバーグ定食で、具材をいっぺんに食べたりはしないけど、これはいっぺんに口に入っていく。食べる前は、不安でした。それは杞憂に終わった。うまいです。不思議なパワーが、ライスペーパーにはあります」

どうやら、ライスペーパーの形状や性質が、作用しているようです。

「巻く、包むということ。いろんなものを巻く、まとめる。薄いペーパー状だから、巻くということが可能。米が原料であることに加え、薄い紙状がポイントですね」

洋食部門では他に「エビ&白身フライ定食」、和食部門としては「刺身定食」を試しています。どれも食べた感想は、好感触だったそうです。

実は、この「生春巻定食シリーズ」は今回だけでなく、続きます。次回は、「中華部門」「韓国料理部門」。次回漫画の終盤には、この4部門計7定食の食べた感想をまとめた表も掲載されています。

さて、どれが、最も美味しかったのでしょうか。漫画の中のコメントだけでなく、ラズウェルさんに直接聞いて、次回のこのコーナーでお伝えします。

ちなみに、今回の「生春巻定食シリーズ」では、お酒は登場しません。「コンセプトが、定食なので、率先して合わせようとは、思わなかったんです。巻いたものを、もりもり食べるイメージでしたから。チューハイやビール、お酒のつまみには、当然合うでしょうね」

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おとなの週末Web編集部 堀
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