『うな藤』 @荻窪
ふわりとした中に力強くしっかり感じられるうなぎの旨さ!
予約必至である。なぜかと言うなら、本当に美味しいうなぎを食べてもらうために、至極真っ当に仕事をするからだ。「どうしたって味が抜ける」という焼き置きはせず、来店時間を逆算して白焼きから始める。そこから提供までは40〜50分を要することになる。
うな重(松) 4301円
試行錯誤を重ね、厳選したといううなぎは年間を通してバラつきがないという九州産。ほどよく脂がのり、甘さを感じるのが特長だ。目の前に登場したうな重は、端正できれいな焼き色で、一気にテンションが上がる。
箸で口に運べば、中はふわとろ。外側は香ばしく焼けて香りがよく、そのバランスがなんともいい。タレは甘過ぎず、さらりとしている。「うなぎ自体の味がしっかりあるので、それが感じられるようタレはあっさりめなんです」。うなぎの旨みが口でほどけていく。シアワセ。
[住所]東京都杉並区今川4-8-7 グリーンパレス今井1階
[電話]03-3397-9174
[営業時間]11時〜14時(13時LO)、17時〜21時(20時LO)
[休日]水・第3木曜日(8月以外)
[交通]JR中央線荻窪駅北口から関東バスで7分、井草八幡宮下車すぐ
『うなよし』 @木場
抜群の焼き上がりにさらりとしたタレが映える江戸前の旨さ
カウンターの向こうでは店主の岩本誠人さんが慣れた手つきで玉子を巻き、その横で2代目の卓二さんがうなぎを焼き上げる。親子ふたりが並ぶ、こなれた仕事っぷりが見ていて気持ちいい。うなぎはものが安定していいという鹿児島や宮崎産を使う。
うな重特 4000円
先にあがった串焼きが生き生きした旨さ。焼き色と火の入り加減が見事で、俄然期待値もアップする。そんな思いを裏切らず、目の前に現れたうな重は、まずふっくらしてかつ力強さを感じさせる焼き上がりだ。聞けば「蒸し過ぎず、固過ぎず。焼きはうなぎそれぞれの個性を見て」というていねいな仕事。
外側はバリッと、箸を入れれば中はふわり、ご飯はしっかり粒が立っている。ここにやや甘めでさらりとしたタレのバランスが抜群。飲み込むとのどの奥からうなぎの旨みが返ってくるようで、勢いのある旨さなのだ。
[住所]東京都江東区東陽5-18-12
[電話]03-3645-9136
[営業時間]11時半〜13時半LO、17時〜20時LO
[休日]日・月曜日、不定休 ※丑の日はテイクアウトのみ
[交通]地下鉄東西線木場駅1番出口から徒歩6分
『三代目むら上 大森山王店』 @大森
コスパも特上。浜名湖産の肉厚うなぎが口の中でふわりと溶ける
“三代目”むら上の店名は、昭和20年代より大井町で続いたうなぎ屋を、今から12年前に2代目から秘伝の味とともに引き継いだゆえという。そしてその当初からの同店の思いは「美味しいうなぎを、より多くの人に安く食べてもらいたい」とのこと。
特上でも3800円。その心意気は価格設定を見れば一目瞭然だ。となれば、次に気になるのはもちろん旨さだが、まずは写真のうな重をご覧あれ。
うな重(特上) 3800円
浜名湖直送のうなぎはサイズも厚みも立派のひと言。これが炭火で香りよく、ふんわりと焼き上げられている。口に入れればじわりととろけ、ややあっさりめのタレ、粒の立ったご飯と一緒に口の中にやさしく旨みが広がっていくのがいい。「うなぎは個体差が大きいのでそれを見極めて焼くのが大変なんです」とは店長の五十嵐実さん。その仕事にも納得だ。
[住所]東京都大田区山王2-4-4
[電話]03-3771-1123
[営業時間]11時半〜14時、16時半〜21時(20時半LO)
[休日]不定休(HPを確認)
[交通]JR京浜東北線大森駅西口から徒歩1分
撮影/貝塚隆(宇のじ、鰻 すが原)、大西尚明(うなぎ屋 永井、明神下神田川支店、恵比寿 鰻 松川)、小島昇(うな藤)、鵜澤昭彦(うなよし)西崎進也(三代目むら上)取材/肥田木奈々(宇のじ、うなぎ屋 永井、明神下神田川支店、鰻 すが原、恵比寿 鰻 松川)池田一郎(うな藤、うなよし、三代目むら上)
※2022年8月号発売時点の情報です。
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