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もう脇役とは言わせない、お酒にもご飯にも合う

肥「豚肉以外に鶏肉を使う店が増えたのも昨今の特徴のひとつらしいよ。酒場系のイチオシ『シュウマイルンバ』も鶏&チーズの組み合わせがあっておいしかった。メイン食材に何を使うかで味が一変するし、焼売って具の魅力を味わう料理だと改めて思った。今後の展開も楽しみ」

藤「アレンジの可能性があるんですよね。私が取材した店も独自の素材を使うところが多かった。キノコやフルーツなど、肉と異なる旨みがある素材と合わせることで定番のおいしさを倍増させてる。『no. 506』のスモモを使った焼売は他にない」

武「え、スモモですか?」

藤「驚きでしょ? フルーツは季節で変わるけど、店が推すオレンジワインに合わせるならこれしかないという納得の味。まさにフレンチと融合した焼売。店主に聞いたら、シャルキュトリーを作るように、餡を練る時も温度帯に気を遣うとのこと。確かに粗挽き肉の歯切れの良さがパテに似てるような気もした!」

武「僕が好きだったのは玉ねぎを使わない『千の香』のもち米焼売かな。ちまきに少し似ているのですが、甘過ぎないので食べ飽きることなくパクパクいけるんです」

肥「あー、そこおいしかった。某ライターいく子ちゃんもよく飲んでる店(笑)。同じく中華料理店の味なら『Foo』や『廣安』。まさに名シェフの安定の味。技術が確かだから文句なくおいしい。やっぱ基本大事」

戎「確かに。トッピングを変えて種類をたくさん出す店もありますが、基本の味がおいしくなければどんなにアレンジしてもごまかせないんですよね。そんな中、調理法の違いでプレゼンしてくれたのが『一本堂』。蒸、焼、揚、炊があって、僕は揚げに心を奪われた。春巻きみたいにパリッとした皮から肉汁ジュワっ。く~、思い出すだけでサワーが飲みたくなる!」

藤「わかりますっ、焼売ってシュワシュワ系のお酒が合いますよね。肉の脂を流して口の中をさっぱりさせてくれるから、その度に新鮮な気持ちで味わえる。一方で意外な相性に驚いたのが日本酒。『MIKIYA GYOZASTAND』の焼売は肉汁のスープに日本酒を合わせるとヘヴンリーな気分になる!」

武「ビール、サワー、紹興酒、ハイボールなど合わせたいお酒がいろいろあって、1個で1杯……なんて勢いで楽しんでたら結構飲み過ぎるので要注意。特に肥田木さん!」

肥「コラコラ、私だって最近はしっぽり飲んでるのよぉ。そういう意味ではゆっくり老舗町中華で昔ながらの焼売をつまみにビールってのもまたいい。『平和軒』なんて最高。グリーンピースがのった王道が仲良く皿に並んでいるのがもう愛おしくて。よしよし今から食べてやるから待ってろ~ってほくそ笑みながらチビチビ楽しみたい」

武「想像したらコワイ(笑)」

藤「アハハ、シンプルな調理だからこそ、作り手次第、食べ手次第で好きに楽しめる焼売は器が大きい料理かもしれませんね。中華なのに洋食になってしまう『銀座スイス』の味はその一例かも。ほかに調査していて気付いたのが自分の焼売の好み。もっちり系、ほろっと系、さっくり系の餡があって、もっちり系は豚肉の細挽きをしっかり練った餡、ほろっと系は脂身多めの肉を粗挽きにした餡、さっくり系は豚肉の粗挽きや鶏肉、エビなどを使うんですけど、私はさっくり系が特に好きみたい。みなさんも食べ比べて好きな味を見つけてほしいな」

戎「焼売は奥が深いですね。寒くなる秋冬にかけてさらに専門店が増えそうです」

肥「だね。実は焼売って年配の人ほど好んで食べるらしいよ。蒸し料理なので脂っぽくなくて食べ応えもあるし、焼くより旨みや栄養価も損ないにくい。よっ、優等生♪」

武「もう脇役とは言わせない。お酒にもご飯にも合うし、似てるけど個性が違う焼売の世界を楽しんでください!」

文/肥田木奈々

『おとなの週末』2022年9月号

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おとなの週末Web編集部
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