『no.506』 @経堂 ×オレンジワイン 酸味と果実感が焼売を軽やかにする 店に入ってすぐ、天井までずらりと並ぶワインボトルたちが出迎える。 フレンチのエッセンスを取り入れたネオアジアン料理とナチュラルワインのペアリン…
画像ギャラリー今回お届けするのは、お店で楽しむ焼売。ブームを牽引する“焼売酒場”に、街場の中華料理店、そして、実は焼売もイケてるお店まで幅広く調査しました。おいしい焼売が食べられる三ツ星店はココです!焼売人気を押し上げているのが、専門店やネオ酒場に代表される“焼売酒場”。「焼売」を掲げる店はもちろんのこと、ワインやクラフトビールがウリの店で食べられる逸品も紹介。酒が進むこと間違いなし!
『焼売酒場 一本堂』 @二子玉川
「蒸・焼・揚・炊」で味わい尽くす肉汁焼売
熱々をひと口頬張れば、あふれる肉汁、噛みしめるごとに押し寄せる豚肉の旨み。「ああ幸せ!」と叫びたくなる絶品焼売だ。店主萩原裕介さんが理想の豚肉を探し求め、たどり着いたのが新潟・十日町の「妻有ポーク」。圧倒的な旨みとジューシーさに魅せられた。
ミンチした豚肉と肩ロースのざく切りを半々にブレンドする製法が、絶妙な食感を生む。野菜は玉ねぎのみ。味付けは、ラード、昆布ダシ、ゴマ油、オイスターソース……「あとは企業秘密」と萩原さん。毎日手ごね、一つひとつ手包み、注文を受けてから蒸し上げることで異次元の味に仕上がるのだ。
調理法は4種類。「蒸」で豚肉の旨みに向き合い、「焼」の香ばしさ、「揚」のクリスピーさを楽しむ。白湯で仕上げる「炊」は、とろける皮を堪能したい。
肉汁蒸し焼売(4個) 880円 (右)エッシャープ グラス 900円
さらに青唐辛子を漬込んだ自家製「とんがら酢」やポン酢など4種の薬味と組み合わせることで、味わい方は無限に広がる。焼売とくれば、ビールはもちろんだが、店おすすめはオレンジワイン。ほのかな渋みと甘みが心地よく、焼売との相性はバツグンだ。
[住所]東京都世田谷区玉川3-20-2 地下1階
[電話]03-6431-0720
[営業時間]17時半~24時 ※土・日・祝は15時~
[休日]無
[交通]東急田園都市線ほか二子玉川駅西口から徒歩4分
『おでんと焼売 まつうら食堂』 @御徒町
肉感たっぷり、基本の肉種が調理法で4変化
カウンター内で揺れる白い湯気がこちらを手招きするかのよう。楽しそうに杯を傾けるお客さんのほぼ全員が頼むのが店自慢の肉焼売だ。
豚肉はダイス状のカットと細かく挽いたものを2種配合して食べ応えのある肉感に。玉ねぎの甘みと隠し味のオイスターソースが奥深さを出している。
(奥)手作り肉焼売 焼き(各1ヶ218円) (中央)手作り肉焼売 蒸し(各1ヶ218円) (手前)手作り肉焼売 揚げ(各1ヶ218円)
シンプルに味わうなら「蒸し」。でも「揚げ」もカリッと香ばしいし、棒状にアレンジした「焼き」もいいな……えぇい全部ちょーだい。と思ったら、もうひとつの看板、おでんの焼売もあるじゃない。
煮干しベースのダシと共に味わえばこれまた妙味、しこたま酒が進みます。〆は炊きたての釜めしだーい。食べ過ぎ?いや大丈夫。残ったら持ち帰り用におにぎりにしてくれる。至れり尽くせり、良き酒場です。
[住所]東京都千代田区外神田5-4-6 山岡ビル1階
[電話]03-6284-4158
[営業時間]16時半~23時(22時半LO)、土 15時~22時(21時半LO)
[休日]日、他不定休
[交通]JR山手線ほか御徒町駅南口などから徒歩4分
『シュウマイルンバ』 @西荻窪
目からウロコ! 焼売のポテンシャルに歓喜
餃子と違って「焼売食べまくろうぜ~」とはならないなあと思ったそこのアナタ!この店を知れば思考が変わる、ならば行動が変わる、そして人生が変わる……かもよ。何せ主役が焼売だ。
豚肉たっぷりの王者「肉」から売れっ子コンビ「鳥チーズ」、ぷりりと弾む「エビ」「カニ」合戦、刺激が欲しけりゃ「山椒」もあるよ。
焼売 肉・エビ・山椒・カニ・鳥チーズの合いもり 880円
これがまあ5種5様の魅力で。味に変化を出すため素材の挽き方や配合を試行錯誤で研究したんだそう。食感を良くするには種をしっかり練るのがコツとかで、それをやさしく握るように手包みし、注文後に蒸してくれる。
さあさあ紹興酒を使ったオリジナルのルンバサワーと味わえば、胃袋だってルンルン陽気にルンバを踊る。これでアナタもNo 焼売 no life!?
[住所]東京都杉並区西荻南3-8-19 ヤマイチビル1階
[電話]03-3247-8170
[営業時間]11時半~15時、17時~21時
[休日]月(月が祝の場合は営で翌火休)、他不定休
[交通]JR中央線ほか西荻窪駅南口から徒歩4分
『煮タリ蒸シタリ こんぺいとう』 @飯田橋
せいろで楽しむ「蒸シ」の旨さ
2022年2月オープン。店内はステンドグラスにビロード張りの椅子、白木のテーブルと懐かしい雰囲気。「大正ロマンをテーマに、居心地のよい空間を目指しました」と店主の金谷大和さん。
店名どおり、身体に優しい「煮る」「蒸す」料理がメイン。その一番手が、せいろで蒸し上げる焼売だ。脂分が10~20%の国産黒豚のみを使用し、玉ねぎとたけのこを加えるのが基本の具だ。
(奥から時計回りに)パクチーシウマイ(1個) 209円 肉シウマイ(1個) 176円 麻辣シウマイ(1個) 198円 (右手前)鳳凰美田 みかん酒 550円
ふわっと漂うせいろの香りを楽しみつつフタを開ければ、湯気の中からつやつやの焼売が現れる。旨みたっぷりの具に、たけのこの食感が絶妙なアクセントに。ひとつから注文できるので、焼売をつまみにカウンターで「ちょい飲み」という方も多いそう。レアな焼酎や日本酒とともにどうぞ。
[住所]東京都千代田区富士見2-2-9 大山ビル1階
[電話]03-6272-4886
[営業時間]11時半~15時、17時~23時半、土 15時~23時半、日・祝 12時~23時
[休日]無休
[交通]JR総武線ほか飯田橋駅西口から徒歩2分
『岩瀬蒸店』 @池袋
今宵もにぎわう親子酒場、鶏焼売で一杯!
夕暮れ時、横丁にある立ち飲み酒場から呑兵衛たちの楽し気な声が聞こえてくる。2022年4月オープンの『岩瀬蒸店』だ。
店主のてちょるさんが、母が約15年営んだ韓国料理店をリニューアルしてオープン。魅力的な料理の数々、そしててちょるさんとお母ちゃんの親子トークでまたたく間に人気店に。
名物は鶏焼売。鶏肉を選んだわけは……。「毎日のように来てくださるお客さんが多いので、あっさり飽きのこない焼売にしたかった」とてちょるさん。モモ肉とムネ肉をブレンド、何度も試作を繰り返し、現在の割合にたどり着いた。
(奥の皿右)パクチのスパイス鶏焼売(1個)150円 (奥の皿左)スタミナ鶏焼売(1個)150円 (手前の皿、奥から)明太子と大葉の鶏焼売(1個)150円 イタリアン鶏焼売(1個)150円 鶏焼売(1個)100円 (右)ハートランド小瓶350円
鶏肉のマイルドな味わいに生姜が香り、後を引く。バリエーションも楽しく、「パクチのスパイス鶏焼売」はパクチーとスパイスの組み合わせが絶妙な逸品だ。
[住所]東京都豊島区東池袋1-13-2
[電話]03-4400-5726
[営業時間]17時~24時 ※土・日・祝は15時~
[休日]不定休
[交通]JR山手線ほか池袋駅東口から徒歩5分
こだわりの酒とベストマリアージュ!メイン級に旨いサブ焼売
『関飯店』 @中野
×ハイボール ペアリングで出合ったのは中華の新しい表情
マリアージュ。この言葉を焼売に使う日が来るなんて。同店のウリは創作中華とワインのペアリングだ。マンゴーソースのエビマヨやジャスミン茶で煮たエビなど素材同士の意外な相性で驚かせてくれる同店だが、それは焼売でも同じだった。
(奥)関ボール 480円 (手前)シュウマイ(1個) 250円
粗挽き肉が歯切れ良い焼売は上にXO醬がオン。それをひと口かじって柑橘皮と山椒を漬け込んだ自家製ハイボールで流し込むと、魔法が起きる。
XO醬のスパイスにシトラスと山椒のフレッシュな香りが結びつき鼻に抜け、炭酸が脂を切る。ハイボールはよりスパイス感豊かに、焼売は軽やかになるのだ。互いを引き立てる焼売マリアージュ、必食です。
[住所]東京都中野区中野5-62-9
[電話]03-3388-1260
[営業時間]11時半~14時半(14時LO)、18時~売り切れ次第終了
[休日]月、火(ランチ)
[交通]JR中央線ほか中野駅北口から徒歩1分
『no.506』 @経堂
×オレンジワイン 酸味と果実感が焼売を軽やかにする
店に入ってすぐ、天井までずらりと並ぶワインボトルたちが出迎える。
フレンチのエッセンスを取り入れたネオアジアン料理とナチュラルワインのペアリングを楽しめる同店で、特に種類豊富なのがオレンジワイン。これが焼売によく合うのだ。
(奥)エビ・チュン焼売 600円 (手前)手包焼売 スモモとタイム 700円
スパイスとハーブ使いが得意なシェフが作る焼売は、餡にスモモ、タイムをのせた逸品。一瞬中華らしからぬ食材に驚くが、スモモの酸味は豚の甘みと相性抜群。
フルーティな香りもしっかり葡萄感があるオレンジワインと溶け合って鼻に抜ける。フレンチと融合したネオ焼売飲み、この夏から秋にかけてのトレンドになる予感がする。
[住所]東京都世田谷区宮坂2-18-1
[電話]03-5799-6506
[営業時間]12時~23時(22時LO)、日・祝 12時~22時(21時LO)
[休日]月
[交通]小田急小田原線経堂駅南口から徒歩2分
『AKUBI』 @渋谷
×クラフトビール 夏のビールはオンザロックが大正解
キンキンに冷やされた炭酸からシュワっと香るのは柚子とライム。まるでカクテルのようなビールだ。台湾発のフルーティなクラフトビールと火鍋がスペシャリティだが焼売も負けていない。
3種類それぞれ餡の具材を変えているのだ。中でも自家製椎茸醬をのせた焼売はかぶりつくと甘辛いタレに中のしいたけ、桜エビ、そして豚のダシが混ざり合い圧倒的な旨みとなって押し寄せる。
(奥)松坂ポークの皿シュウマイ 980円 (中央)AKUBI特製 発酵焼売 385円 (手前)肉シュウマイしいたけ醬と台湾サクラエビ 680円
そこにアルコール9.99%の爽やかなフルーツビール。オンザロックで流し込むと、キリッと口の中をリセット。また眼前の旨みの塊に挑みたくなる。焼売と台湾クラフトビールの無限ループをお試しあれ。
[住所]東京都渋谷区猿楽町2-13 F93daikanyama1階
[電話]03-6433-7987
[営業時間]17時~23時半(22時半LO)※金 ~4時半、土 15時~4時半※日 ~23時半
[休日]無休
[交通]JR山手線ほか渋谷駅新南口から徒歩10分
撮影/西崎進也(焼売酒場 一本堂)大西尚明(まつうら食堂)、小澤晶子(シュウマイルンバ)、小島昇(煮タリ蒸シタリ こんぺいとう、岩瀬蒸店)小澤晶子(関飯店)、石井明和(no.506、AKUBI)、取材/本郷明美(焼売酒場 一本堂、煮タリ蒸シタリ こんぺいとう、岩瀬蒸店)、肥田木奈々( まつうら食堂、シュウマイルンバ)、藤沢緑彩(関飯店、no.506、AKUBI)
※2022年9月号発売時点の情報です。
※全国での新型コロナウイルスの感染拡大等により、営業時間やメニュー等に変更が生じる可能性があるため、訪問の際は、事前に各お店に最新情報をご確認くださいますようお願いいたします。また、各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いいたします。
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