●『銀座 みかわや』(銀座1丁目)の「舌平目かに肉包揚げ」(3456円)
1887年に食料品店として創業。戦後に『フランス料理 みかわや』として再スタートを切り、74年の歴史を持つ。時代の変遷を経た現在においても、その伝統を引き継ぎ“日本の洋食”の味を伝えている。
「舌平目かに肉包揚げ」は、冷凍とは思えない衣のサクサクさに肝を抜かれた逸品。
ぷりぷりの舌平目の中には、たっぷりのタラバガニと自家製ベシャメルソースをおよそ半々で合わせた、旨みの強いソースがぎっしり。ひと口含めば深く長い余韻が楽しめる。ウスターソースやタルタルソースをかけてもいいが、そのままでも十分おいしい。
季節により内容が変わる「ガルニチュール(付け合わせ)」も丁寧に作られているのがわかるおいしさで、単品でも販売される(454円)。
オーブントースターで約25分加熱。解凍のコツはトースターを予熱しておき、均等に加熱すること。
「銀ぶらグルメ」はその他「かにクロケット」(3132円)、「舌平目のムニエル」(4104円)、「ポークカツレット(黒豚)」(3024円)、「アワビのグラタン」(4860円)などを展開している。
●『ピエスモンテ』(銀座8丁目)の「フォレノワール」(15×7.5×5.5cm)4000円
1987年創業の“おとなの”洋菓子店。カクテルなどにも使われる洋酒や高品質の材料を使用した、“リッチなレシピ”により、手仕事で仕上げている。
銀座のクラブ街・並木通りに位置し、お酒にも合う味と香りの洋菓子が揃っている(アルコール不使用のものもあり)。今回取り上げる「フォレノワール」のほか、「チーズケーキ」(3800円)などに加え、季節商品も展開予定。
「フォレノワール」とは、サクランボとチョコレートのケーキ。上部にのる削られたチョコレートの見た目からフランス語で「黒い森」を意味する。
『ピエスモンテ』ならではのアレンジは、チョコレートムースとバニラムースの2層になっていること。バニラはサヤを仕入れ、ビーンズを取り出して使う。さらに、サクランボのリキュール「マラスキーノ」をふんだんに入れることで薫り高く仕上がり、ブランデーなどの洋酒との相性が抜群だ。
冷蔵庫内で7~8時間で自然解凍がおすすめだが、凍った状態で食べてもよし。
銀座の名店の灯を消さない
今回松屋銀座の「銀ぶらグルメ」にこれだけの名店が集まるきっかけとなった人物がいる。『銀座 日東コーナー1948』の店主・竹田大作さんだ。
銀座の名店の灯を消さぬよう、2020年に「美味しい銀座デリバリー」などの仕組みを作り上げた。さらに広く伝えたいと、その活動と並行して冷凍食品会社などに勤務し、冷凍食品の研究を重ねた。
その結果、熱々のまま真空パックにできる機械と急速冷凍機「3Dフリーザー」を導入。『銀座 みかわや』をはじめとする銀座の各店に冷凍・解凍のノウハウと共に提供している。
「銀ぶらグルメ」に参加した4店舗の各店主は、銀座の二代目以降が集う元・青年会のメンバーということもあり、竹田さんに賛同。この取り組みに至った。