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日本海と京都の産物をいただく。

夕暮れが美しい海岸沿いの道を通って再び宮津の町へ。今日の締めに選んでおいたのは今年6月にオープンしたばかりの鮨割烹『西入る』。

リノベーションした蔵の2階。ヒノキ一枚板のカウンターの向こうに待つ料理長リカルド・コモリさんとご対面。ポルトガルで15年ほど鮨職人として働き、改めて和食を学ぼうと決心し2015年に奥様と来日。日本各地の店で研鑽を積み、ここ宮津でご自身の店を持つことに。

宮津の食材を中心に、10品前後プラス鮨のおまかせコース(16,500円、税込)に仕立てる。
「今でも緊張します」とリカルドさん。それでも自分の店を持つならでき立てを目の前のお客様に出せるカウンター割烹と決めていた。
素材へのこだわりも強く、鮨酢は地元の老舗・飯尾醸造の赤酢を使用。また同社がつくる酢醸造用の無農薬米でにぎる。
修業先の最後が京都だったこともあり、京都市内で店探しをしていたが、宮津を訪れた際にこの空間と出合った。

ノドグロ、タチウオ、マナガツオ、ワタリガニにアワビなど、近くの漁港に揚った旬の魚介を素材に、つまみからにぎりと丁寧な仕事を多彩に楽しませていただけます。

修業中はどの店でも「ポルトガルで習ったことは忘れて」という厳しい言葉。「乾いたスポンジになったつもりで学びました。若いときならプライドが邪魔したかもしれない」と笑います。都市部の洗練された懐石はもちろん、山梨や草津、伊東などで各地の郷土料理に触れられたことも大きな収穫だったそう。

酒蒸しにしたレンコダイと翡翠茄子のお椀。骨からとったダシを合わせるときもあるが、この日は本枯節の一番だしのみ。
宮津産のイチジクを酢とポルトガルのワインで炊いた白和え。イチジクと白和えの甘みに角が取れたワインのうま味が染みる。
にぎりは宮津の旬魚をしっかり歯ごたえのある赤シャリで。藻塩と青柚子がのったアオリイカ、ぷりぷりの歯ごたえと甘みを持つレンコダイは今が最盛期。
ご夫婦で店を仕切る。店名は「はるばるきたお客様と西の果てのポルトガル出身の店主が、料理を通して対話する」という想いを込めた。

ユニークなのはにぎりの後に供されるポルトガルの菓子パオンデロー。カステラのルーツと言われますが、デザートではなく鮨の締めの卵焼きをイメージしているのだとか。

宮津・和食・ポルトガル……に満たされて旅の1日目を終えました。

次回に続く……明日も楽しみだなぁ。

天橋立ビューランド

[住所]京都府宮津市字文珠
[電話]0772-22-1000(代表)
[営業時間]9:00~17:00(8/21〜10/20、※季節により変動あり)
[入園料]おとな850円(中学生以上)、子供450円(小学生)※リフト・モノレール共通往復乗車料金込み

カフェ・レスト絵梨奈

[住所]京都府宮津市万年1015-1
[電話]0772-22-2727
[営業時間]10:00~24:00
[定休日]第2・4日曜

西入る

[住所]京都府宮津市新浜1968
[営業時間]18:00~
[定休日]水、木
[備考]おまかせコース16,500円(税込)のみ。全6席の完全予約制、ご予約希望日の2日前の17時までに連絡

編集/エディトリアルストア
取材・執筆/成田孝男、渡辺美帆
写真/名取和久

※情報は令和4年8月23日現在のものです。

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おとなの週末Web編集部
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