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商品名は鶴の一声で急遽「月見バーガー」に

写真は2022年期間限定メニューの最新「月見バーガー」。100%ビーフパティにスモークベーコンをのせ、トマトクリーミーソースを合わせ、ゴマ付きバンズでサンドした一品

なるほど、発売が秋に決まったので、その時に卵=月見のイメージで「月見バーガー」の名前が与えられたのか……と思いきや実はこれも違う。命名の背景はさらに意外なものだった。

「こんなふうに販売時期は決まったのですが、“秋バーガー”としての運命が決定づけられたのは商品が完成した段階での試食会でした。

当初、メニュー開発のメンバーはこの新バーガーを「ベーコンチーズエッグバーガー」というネーミングで販売したいと考えていました。

しかし、試食会で当時の社長、藤田 田は新商品のバーガーをひとくち食べるとしばらく黙り込み、そして突然こう叫んだのです。

『これは月見バーガーや!』

まんまるなたまごから「お月見」を連想し、しかも秋の販売ということで藤田は、“月見”というネーミングを主張しました」(同)

卵を訴求した新商品「ベーコンチーズエッグバーガー」は、まさに鶴の一声で「月見バーガー」に。今に続く秋の風物詩の運命を決定づけた出来事だった。

ただ、当時バーガーとしてあまりに和風な名前だったため、社員のなかには売れるか心配になった人もいたのだとか。

そんな不安をよそに月見バーガーはたちまちヒット商品に。昔から馴染み深い“月見”という名前とたまごを月に見立てたキャッチーな見た目、たまごのまろやかなおいしさが人々の心をくすぐり、晴れてヒット商品の仲間入りを果たしたという。

◆  ◆  ◆

データをもとにした商品開発と感性的なひらめき――ふたつの相反する要素が重ならなければ、このあと数多くの月見バーガーたちが生まれることはなかっただろう。

2022年9月10日、今宵は中秋の名月。

秋の夜長にそんな“美味しい偶然”を思い出しつつ秋の風物詩を頬張れば、いつもよりちょっと趣深い味わいを感じられるかもしれない。

取材・文/高瀬雄士(おとなの週末Web編集部)、写真提供/日本マクドナルド

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おとなの週末Web編集部 高瀬
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