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関西チャンピオンの実力はいかに?

おっと、ここで「黒大醤」が運ばれた。うん、美しい。ビジュアルからも仕事の丁寧さが伝わってくる。具材は、チャーシューとナルト、メンマ、ネギ。

「黒大醤」(850円)。醤油のポテンシャルを極限まで引き出したスープが絶品
「黒大醤」(850円)。醤油のポテンシャルを極限まで引き出したスープが絶品

まずはスープをひと口飲んでみる。おーっ、醤油の味と香り、コクがふわっと広がる。決して濃すぎることなく、味にカドもない。口の中で醤油の味が消えかかる頃、柚子皮の香りが余韻として残るのも実に心地よい。

麺は中太のストレート麺。噛むごとに小麦の旨みをしっかりと感じる。醤油ラーメンとしてはかなりレベルが高い。さすがは食い倒れの街である。

2、3分の時間差で「焼き飯」が目の前に。お米の一粒ひと粒が油でコーティングされていて、ムラなく仕上がっている。具材は刻みチャーシューとネギ、玉子とシンプルであるにもかかわらず、ここまで美しいチャーハンは初めて見た

お米のひと粒ひと粒が油でコーティングされている「焼き飯」(500円)
お米のひと粒ひと粒が油でコーティングされている「焼き飯」(500円)

たまらずレンゲを突き刺して口へ運ぶ。すると、まるで江戸前寿司のシャリのように口の中でほどけて、塩とコショウ、醤油、そして刻みチャーシューの味が複雑に絡み合った旨みが広がり、噛むごとに味が弾ける

食感はパラパラでもなければしっとりでもない。米粒の形がしっかりとしているので、炊き方も工夫しているのだろう。関西チャンピオンというのも充分に頷ける。

黒大醤も焼き飯もまったく奇を衒っておらず、それぞれ王道の味を追求していることが伝わってくる。だから、この組み合わせは不味いわけがない。スープをすすりつつ、焼き飯を食べると相乗効果でどんどん旨くなる。これぞチャーラーの醍醐味。素晴らしいとしか言いようがない

いやー、実に感動した! 大阪には旨いチャーラーを食べさせてくれる店がまだたくさんありそうなので、これからもリサーチを続けていこうと思った。

取材・撮影/永谷正樹

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永谷正樹
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