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不自由を極めた高校時代を振り返り、自由を実感するのだ

私の高校時代は自由など何一つなかった。

野球部の時は学校と野球場の往復で、寮に帰っても先輩の洗濯をしたり、プライベートと呼べるものは一切なかったし。

携帯も禁止だったから手紙でやりとりしていた。なんだよ外界との連絡手段は主に手紙って、刑務所じゃねぇかよ。

中学時代の友達とのやりとりも手紙ではないといけなくて、寮に手紙が届くたびに、その封筒から「お前、彼女とかできてねぇよな」と寮監のおじさんに疑われたものだった。

検閲じゃねぇか。いつの時代だよ。

そもそも、付き合っちゃいけないって校則だあった。

あれ、なんだよ。刑務所でも禁止してねぇよ。

今は違うのかもしれないけれど、当時は、付き合っているのがバレて、別れさせられている先輩もいた。可哀想すぎやしないかい。

野球部は休みだって年に4日くらいで、外出なんてその時以外できなかったし。多感な高校生の時にそんな不自由を課しまくるなんて、刑務所よりも刑務所じゃねぇかよ。

野球部を引退したところで寮の門限は6時だったので、それまでには帰らなければならなかったし、ファミレスで深夜まで和気藹々と喋るなんてこともできなかった。

「俺、大学に行ったら、携帯持って、友達とメールするんだ」
なんて、シャバに出た時にどう過ごすか夢見る受刑者のような日々を過ごしていた。

当時は、自由を喉から手が出るほど欲しがっていたけれど、念願の自由を手にしても、それが今となっては当たり前になってしまっている。

コンビニで肉まん買える!最高!とこれ以上ない喜びを感じていたのに、当たり前になるというのは、いかに恐ろしいことか。

ちなみに、「文化の日」の意義の後半部分、「文化をすすめる」の意味はよく分からない。

進めるのか、薦めるのか、で意味合いも変わってくるし、よく分からないから、スルーすることにする。

すすめたい人が文化をすすめたまえ。

こんなふうにあーだこーだと言っているうちは、大人に向かって進んでいるとは自分でも思えないので、来年の文化の日には、よし、私が文化をすすめるぞ、と思えるくらい内面が成長していることを願う。

前田裕太(まえだ ゆうた)
1992年8月25日生まれ、神奈川県出身。愛媛県の名門、済美高校野球部の同期である高岸宏行とのお笑いコンビ「ティモンディ」のツッコミ担当。趣味はサッカー観戦、読書。テレビ番組で画力を披露したり、複数メディアでコラムを執筆するなど、マルチな活動で注目を浴びている。

ティモンディ
高岸宏行・前田裕太によるお笑いコンビ。コンビ結成は2015年、グレープカンパニー所属。高岸のポジティブなキャラクターや、二人の野球経験と身体能力などがバラエティ番組で引っ張りだこに。コンビの野球経験をいかしたYouTubeチャンネル『ティモンディチャンネル』の登録者数は約25万人。

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