カット白菜を一度漬けで味わう
本格的な白菜漬けの漬け方には、(1)白菜を塩漬けにする(下漬け)。(2)塩漬けの白菜を取り出して味をつける(本漬け)という「二度漬け」のものもありますが、オイラのやり方は、塩漬けの際に味つけもしてしまう「一度漬け」です。しかも、丸ごとの白菜からではなく、スーパーで売られている4分の1にカットされた白菜を使います。
それほどの長期保存もしませんし、漬ける場合も白菜1~2個ですので、やや手抜きの漬け方かもしれません。それでも、昆布とゆずをこれでもかと使うことで、白菜の漬け物らしい、どっしりとした旬の風味が満喫できます。オイラの漬け方をご紹介いたします。
●白菜漬けの漬け方(下準備編=白菜2個分での漬け方)
1)丸ごとの白菜2個分(カット白菜8個)が収まる容器と、重石(おもし)を準備する。重石は干したあとの白菜の重さの2倍以上のものを用意する。※オイラはホウロウ製の10リットル容器を使っています。
2)白菜は4分の1に切り分けられたものを、8個(丸ごとの2個分)用意する。※買う時には、その日にカットされたものかを必ず尋ね、その日にカットされたものだけを求めましょう。丸ごとの白菜の場合は4分の1に切り分けますが、かなり長めの包丁が必要となります。
3)白菜はよく水洗いする。
4)水洗いした白菜はザルなどにのせ、半日ほど天日干しする。※したがって、白菜を買い求めるのは、晴れた日の朝とするのがベストです。天日干しの際は、1~2時間おきに面を返し、まんべんなく日が当たるようにしましょう。
●白菜漬けの漬け方(漬け込み編)
1)白菜漬けに使う塩は、干したあとの白菜の重さに対して、2.5%ほどの粗塩を準備する。※今回は4分の1にカットされたやや小ぶりの白菜8個分で、重さは合計3326g。用意した粗塩は84gです。
2)天日干しした白菜から、大きめの外葉2~3枚をはずし、それぞれの葉の間に粗塩をすり込んでいく。
3)粗塩をあらかたすりこんだら、葉の間に洗った板昆布(幅5cm×長さ10cmくらい)を差し込み、同様に赤唐辛子を2本ずつはさみ込む。
4)用意した容器の底に軽く粗塩をふり、その上に粗塩をすり込んだ白菜を入れ、重ねていく。最後にはずしておいた外葉で白菜全体を覆うようにのせる。※10リットル容器なら、カット白菜を2個ずつ並べ、4段重ねで8個が収まります。
5)白菜を容器に収めたら、風通しのよい場所に置き、白菜の重さの2倍強の重石をのせる。※今回は白菜3326kgでしたので、7kgほどの重石が理想です。
6)漬け込み後、1~2日で白菜から水が上がってくるので、輪切りしにしたゆず2個分を白菜の間に入れていく。※ゆずを最初から加えないのは、白菜に塩を十分にいきわたせるためです。
7)漬け込み後3~4日目くらいで重石をはずし、白菜がしんなりしていたら漬け込み完了、白菜漬けの出来上がり。軽くしぼってから、食べやすく刻み、細切りにした昆布、赤唐辛子、ゆずを添える。
8)漬け上がり後の白菜は、昆布などが入った状態でジプロックなどの保存袋に入れ、冷蔵庫で保存する。※経験上、2週間以内に食べきりましょう。保存袋に入れる際は、できるだけ空気を抜くようにしましょう。
文・写真/沢田 浩
さわだ・ひろし。書籍編集者。1955年、福岡県に生まれる。学習院大学卒業後、1979年に主婦と生活社入社。「週刊女性」時代の十数年間は、皇室担当として従事し、皇太子妃候補としての小和田雅子さんの存在をスクープ。1999年より、セブン&アイ出版に転じ、生活情報誌「saita」編集長を経て、書籍編集者に。2018年2月、常務執行役員パブリッシング事業部長を最後に退社