2022年6月OPEN『Ume bachee(ウメバチ)』 @渋谷
一線を画す凛とした蕎麦と料理
出会いはある日突然にやってくる!食べ歩きの好きな店主・梅澤さんが福岡のとある店で食事を済ませると、その店の店主から「今から行きましょう」と誘われたのが蕎麦職人、外牧さんの店だった。
その料理と蕎麦をすっかり気に入った梅澤さんが、彼を東京へスカウトしたのが始まりとか。ラーメン文化圏の博多だが、石臼挽き・手打ち十割を出す孤高の名店「信州そばむらた」があり、聞けば外牧さんはそちら出身。さらに自分なりに工夫を凝らし、蕎麦の香りと味わいを最大限に引き出している。
【温】きのこそば 1800円
ツユに砂糖を使わないのも蕎麦の甘みを引き立てるため。料理も最小限の味料で素材の味を際立たせている。外牧さんの研ぎ澄ました蕎麦と料理は唯一無二の魅力を放っている。
[住所]東京都渋谷区渋谷3-22-11 サンクスプライムビル3A
[電話]なし
[営業時間]18時~24時(23時LO)
[休日]日・月
[交通]JR山手線ほか渋谷駅西口から徒歩5分
※年末は31日まで営業(年越し蕎麦のテイクアウトなし)、年始は10日~
2022年2月OPEN『蕎麦前 ごとう』 @代官山
和食店のような蕎麦前が充実
店主が酒好きと分かると、個人的にいい店判定5つ星を差し上げたくなる。「前菜盛り合わせにロゼのスパークリングはどうですか?」というこの店の店主後藤さん。その変化球の投げ方にピンと来たので聞いてみると「お酒好きです」ときっぱり。
日本酒やワインも酒好きをそそる銘柄が充実していて、料理に合わせてオススメの一杯を選んでくれる。こういう店なら蕎麦前もひと際楽しいというもの。さらに和食の経験があるので料理は完成度が高い。
【温】鴨南蛮 1800円
「柿と大豆のマッシュサラダ」のようにひねりの効いた小鉢から王道の「鮎の甘露煮」までとても端正だ。料理を食べて欲しいから、〆の二八蕎麦は軽やか。一人でもコース仕立てに対応してくれるので、〆まで大満足で過ごせる居心地良い1軒だ。
[住所]東京都渋谷区代官山11-12 日進ヒルズ代官山2階
[電話]03-6427-8308
[営業時間]11時半~15時(14時半LO)、18時~23時(フード22時LO)
[休日]無休 ※不定休あり
[交通]東急東横線代官山駅北口から徒歩5分
※年末は31日まで営業(終了時間は未定、年越し蕎麦のテイクアウトなし)、年始は未定
2022年2月OPEN『酒・蕎麦 矢来山房』 @神楽坂
住宅街の隠れ家でゆるりと一献
神楽坂でも古い住宅街である矢来町に民家を改装した蕎麦屋が誕生した。店主の井上さんは会社員からの転身という。実はかつてフラリと入った伝説的な蕎麦店・阿佐ヶ谷「慈久庵」の蕎麦に衝撃を受けた井上さん。
その後、茨城へ移転し蕎麦を栽培から手がける「慈久庵」のご主人を見て、「いつか自分もそんな生き方ができたら」と思うようになったのだとか。
【冷】せいろ 900円
そんな縁もあり、ここで使う蕎麦粉は「慈久庵」の畑やその知り合いの農家から届く常陸秋そば。
山房と名付けただけに辿り着くのは少々難しいが、それだけに静か。階段下を覗くといつも静かに寝ているボストンテリアのボスに出会えるのもお楽しみ。16時と早い開店時間は、住宅街の隠れ家でゆるりと飲み始めるにはいい頃合いだ。
[住所]東京都新宿区矢来町26
[電話]03-6767-9157
[営業時間]16時~20時半(20時LO)
[休日]日・月・祝
[交通]地下鉄東西線神楽坂駅2番出口から徒歩4分
※年末年始の営業は未定
撮影/貝塚隆(ひら山、玄庵、一鬼、Ume bachee、蕎麦前 ごとう、矢来山房)、西崎進也(やましん)、取材/菜々山いく子(ひら山、玄庵、一鬼、やましん)、岡本ジュン(Ume bachee、蕎麦前 ごとう、矢来山房)
※2022年12月号発売時点の情報です。
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