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『勢揃坂 蕎 ぎん清』 @外苑前

実力派蕎麦屋は夜こそ真骨頂!

「夜は蕎麦を食べに来なくてもいい」なんて言うから驚いた。フレンチのシェフとバーテンダーの経験を持つご主人が作る蕎麦前は、つまみと呼ぶよりも佳肴と呼びたくなる品々だ。

豆腐の味噌漬けは濃厚な旨みにトッピングの生カラスミがさらに味を深め、だし巻き玉子は品の良い甘さのダシがとろっとぷるっと巻かれた卵の味を引き立てる。鴨の蕎麦粉焼きはかえしを使った絶妙な味付けと山椒、胡椒の香りが爽やかに鼻に抜けこれまた絶品。

鴨のそば粉焼き 2000円

『勢揃坂 蕎 ぎん清』鴨のそば粉焼き 2000円 定番から同店ならではの端正な逸品まで充実した蕎麦前

妥協することなく料理と向き合うご主人の手による蕎麦前はどれも味のバランスが抜群で、かつ酒との相性が良い。提供される器も女将のこだわりが垣間見られる美しさで、隙のない蕎麦前タイムにおぉと感動のため息が漏れてしまう。

ご主人の言葉通り蕎麦前だけで大満足してしまうが、蕎麦もまた旨い。端正な手打ち蕎麦はしっかりとしたコシと香りを楽しめるときた。完璧じゃないか! 蕎麦前から〆の蕎麦まで、夜こその味をぜひ堪能してほしい。

【蕎麦前の作法4】

「難しいことを考えず自分だけのコースを組み立てるように楽しんでほしい」と店主に言われ目から鱗。冷たいものから温かいものを頼むのが基本だが、その日の気分に合わせて蕎麦前オールスターを選ぶのもまた一興

『勢揃坂 蕎 ぎん清』

[住所]東京都渋谷区神宮前2-3-10 ヒルトップ神宮前1階
[電話]03-3479-1911
[営業時間]11時半〜14時(13時半LO)、18時〜21時半(20時半LO)
[休日]日・祝(水・土のランチ休み)
[交通]地下鉄銀座線ほか外苑前駅2a出口より徒歩7分
※年末は28日まで営業(年越し蕎麦のテイクアウトはなし)。年始は10日〜

『小松庵総本家 銀座』 @銀座

ワインでいただく“肴”な蕎麦

本当の意味で、蕎麦で酒を飲む、ということを私は同店で初めて体験した。大正11年創業の老舗が新しい蕎麦の楽しみ方として考案したのが「はじまりの蕎麦」だ。〆に対して食事の最初に繊細な蕎麦を味わってもらいたいと、水、塩、オリーブオイル、蕎麦ツユで食べ比べる2種類の蕎麦。

はじまりの蕎麦 1760円

『小松庵総本家 銀座』はじまりの蕎麦 1760円 同店の名物である蕎麦の前菜

さらにいぶし柿とオリーブオイルを使った白和え、あいち鴨の塩焼き、蕎麦粉のカナッペなどの季節の前菜がいただけるお得なメニューだ。小麦よりもさっくり食感の蕎麦パンのカナッペはもちろんのこと、この蕎麦が意外にも白ワインに合う。まずは水で食べて風味の違いを感じた後に、オリーブオイルと塩をつけるとイタリアンなつまみに大変身。

ほかに単品メニューであるサンマのオイルソースsobaも、皮目を炙り香ばしさを出してからコンフィしたサンマに蕎麦ツユを合わせて作ったソースが和えられていて酒を誘う味になっている。いやはや、まさか蕎麦が肴になってしまうとは。蕎麦の可能性、確実に広がっています。

【蕎麦前の作法5】

「実はワインも蕎麦前に合うんです」と教えてくれたのは店長の小松さん。旨みの濃い鴨やまろやかで深い味の蕎麦味噌に赤の合うのだ。こんな風に新しい組み合わせを試すのもいい。蕎麦前の楽しみ方は自由でいいのだ!

『小松庵総本家 銀座』

[住所]東京都中央区銀座5-7-6 ilivビル14階
[電話]03-6264-5109
[営業時間]11時〜16時(15時半LO)、17時〜22時(21時LO)、土・日は11時〜
[休日]不定休
[交通]地下鉄丸の内線ほか銀座駅A2出口から徒歩1分
※年末年始は休業予定(詳しくは店舗まで)

撮影/小澤晶子、取材/藤沢緑彩

※2022年12月号発売時点の情報です。

※全国での新型コロナウイルスの感染拡大等により、営業時間やメニュー等に変更が生じる可能性があるため、訪問の際は、事前に各お店に最新情報をご確認くださいますようお願いいたします。また、各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いいたします。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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おとなの週末Web編集部
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