もともと毎月の連載時、本誌同様覆面取材で店を巡り、感動したところだけを紹介するというスタイルで執筆されている羊さん。
本誌読者ならお気づきかと思いますが、まさに『おとなの週末』がお店を取材するにあたっての進め方とまったく同じ!
ある回では宇都宮餃子の店を8件まわるなど、本誌スタッフ顔負けの動きをして驚いたこともありました。もはや名誉編集部員とも読んで差し支えないでしょう。
そんな普段の連載から感じていたことを、今回の書籍の制作過程を通して改めて実感しました。それは、すべてにおいて全力で取り組むこと。さまざまな魅力はありますが、この実直さこそ、女優・吉田羊を作り上げた大きな要因のひとつではないでしょうか。
あ、「美味しい」ものもまた羊さんを作り上げる要素であることを書籍の宣伝としては忘れちゃいけませんね。
こうして連載時の原稿から大幅に加筆・修正が加わってできあがった『ヒツジメシ』は、全6章で構成。自分自身の原点、仕事のこと、大好きな人や街のことなどが綴られています。
連載時から文字数の多さを感じさせないリズムのいい文体が特徴的な羊さんの原稿。これが一冊にまとまったとき、どうなるかと思っていましたが、書籍担当の編集の妙も合わさって、新しい『ヒツジメシ』が誕生しました。今風にいうと“シン・ヒツジメシ”ですね。
連載を愛読いただいてる方はもちろん、「え、吉田羊って雑誌で連載やってたの?」という方、そう、むしろ、舞台、映画、テレビで見る女優・吉田羊しか知らない人にこそ読んでいただきたい!
羊さんがいざなう「美味しい」世界にぜひ飛び込んでみてください。
最後に本書の「はじめに」にある一文で〆させていただきます。
「もしもこの一冊があなたのお腹を空かせられたらこれ幸い」。