週刊漫画誌「モーニング」(講談社発行)で連載中の「クッキングパパ」は、主人公のサラリーマン荒岩一味が、得意の料理の腕を振るって、家族や同僚らとの絆を深めるストーリーが人気。 著者のうえやまとちさん自身が、試行錯誤を繰り返…
画像ギャラリー週刊漫画誌「モーニング」(講談社発行)で連載中の「クッキングパパ」は、主人公のサラリーマン荒岩一味が、得意の料理の腕を振るって、家族や同僚らとの絆を深めるストーリーが人気。
著者のうえやまとちさん自身が、試行錯誤を繰り返しながら作り上げた自信作のオリジナルレシピを、詳細なイラストと臨場感あふれる筆致で紹介しています。本欄では3月3日号で通算1600話を突破した膨大なエピソードのなかから、毎週1つを取り上げ、その料理にまつわる四方山話をお届けします。
長引くコロナ禍で、自炊をする人が増えているいま、「クッキングパパ」を参考に料理を作って食べて楽しんでみませんか。第42回は「ロールケーキ(ブッシュ・ド・ノエル)」です。
クリスマスケーキにも応用可能! 結婚式で登場した「幸せいっぱいハッピーケーキ」
「ブッシュ・ド・ノエル」は、フランスの伝統的なクリスマスケーキとして、日本でも高い人気を誇ります。ふわふわに焼き上げたスポンジ生地をロール状に巻いて、森の丸太や切り株に見立てて、デコレーションしているのが特徴です。まるで、絵本の世界に迷い込んだかのようなビジュアルは、大人も子供もひきつけてやみません。
クッキングパパ 第6巻「COOK.59幸せいっぱいハッピーケーキ」は、荒岩主任(当時)が、同僚の結婚式のケーキカット用に腕をふるったものです。クリスマスケーキにも応用できますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
肝はスポンジ生地!? 荒岩流ロールケーキレシピ【応用編】
取りかかる前に、卵とバターは常温に戻して、オーブンは180℃~200℃に予熱しておきます。
まずは、スポンジ生地作りから。ボウルに卵とふるった砂糖を入れ、50~60℃のお湯を当てながら泡立て器で混ぜ合わせます。大きく上下に叩くように空気を含ませながら泡立てるのがコツ。
生地をすくってリボン状に落ちるようになったら、ふるった薄力粉とココア、溶かしたバターを加えます。泡立て器からゴムベラに取り替えて、全体をさっくり切るように混ぜます。
生地ができあがったら、シートを敷いた鉄板に流し込みます。その際、鉄板の四隅まで生地がきっちり行き渡るよう注意を払うと、見栄え良く仕上がります。
8~10分で焼き上がったら、すぐに生地を裏返ししてシートをきれいにはがし、固く絞った濡れ布巾をかけておきましょう。乾燥してしまうと、シートがはがれにくく、生地が割れやすくなってしまうからです。
アイディア次第で自由自在! 大人も子供も楽しめる飾り付け
もうひと息! 生地の中に挟んだり、飾り付け用として使うホイップクリームを作ります。
生クリームに砂糖、ココアパウダーまたは湯煎にかけたチョコレート、ラム酒を加え角が立つまでよく泡立てます。ハンドミキサーがあると、時間の短縮になって便利かと思われます。
生地にクリームを薄く塗り、手前からくるくる巻いたら布巾やラップで包み、冷蔵庫で約30分間冷やし固めておきます。取り出したら、両端を切り落とし、さらに全体の4分の1あたりで斜めにカット。その“切り株”を“丸太”の片側にのせ、さあデコレーションを始めましょう。
ココア、チョコクリームを全体に塗ったら、フォークでツーと線を引き“樹皮”模様を。生クリームを絞り出して丸太に雪を積もらせたり、キノコをあしらったメレンゲを添えたり、砂糖菓子のサンタクロースやトナカイをのせて……などなど、大人も子供も遊びゴコロ全開で楽しんだら、唯一無二のブッシュ・ド・ノエルが完成!
ふわっと軽いスポンジとしっとりしたクリームが口の中で溶け合って、絶妙なハーモニーがたまりません。みんなで切り分けながら、一段と話が弾みそうですね。
文/中島幸恵、漫画/うえやまとち
◆『クッキングパパ』とは?
福岡市博多を舞台に、商社の営業課に所属するサラリーマン、荒岩一味が家族や同僚、友人らに得意な料理の腕前を披露、食を通じて周囲の人々に笑顔とパワーを与える物語。作中ある料理のレシピは、定番料理からオリジナルメニュー、地元九州の郷土料理まで多岐にわたり、詳細なイラストとポイントを押さえた簡潔な説明はいま、すぐ作りたくなると好評を博している。 週刊漫画誌「モーニング」(講談社発行)で1985年から連載している人気シリーズで、2022年10月現在、単行本は163巻。