常連客に愛されている偏愛メニュー2品
「若い方や最近うちを知ってくださった方には、“仙台マーボー焼そばの店”のイメージがあると思いますが、うちといったらやはり『五目焼きそば』。それから、うちに来たらこれしか食べない! というメニューをもつ常連さんも多いんですよ」と、大柳さんが教えてくれた。
こちらが初代が考案し、世間に『まんみ』の名を広めた「五目焼きそば」。
たっぷりとオイスターソースを使ったあんは、カキ独特のコク、香りが特徴だ。仙台マーボー焼そばと同じ麺を使用しており、細麺にあんがよく絡む。
そして、こちらも初代が試行錯誤を重ねて生み出した、唯一無二の「ホルモンラーメン」。
「昔の豚ホルモンは臭みがひどくて、ラーメンに使う人なんていませんでした。でも父は、下味に仙台味噌やカレー粉を使って、何とか臭みを和らげようとしたんです」
湯気とともに立ち上るスパイスの香りに、どこの国の料理なのかが一瞬わからなくなる。
片栗粉をまぶして揚げた豚ホルモンから、少しずつカレー粉がスープに溶け出し、食べ進めるたびにスープの表情が変化していくのが楽しい。スープに浮かぶすっぱくて辛い白菜「酸辣白菜(スーラ―パーツァイ)」は、さながら中華風ピクルスのようで、味変にも箸休めにもなる。
ガチガチにルールを決めないことで、店にとっては個性が出しやすく、お客にとっては食べ歩く楽しみが広がる仙台マーボー焼そば。
これから宮城、仙台を訪れる人にも、仙台マーボー焼そばなんか知らないという在住者にも、ぜひ一度味わってみてほしい。
■『中国菜館 まんみ 泉中央店』
[住所] 宮城県仙台市泉区泉中央1-22-3
[電話番号]022-371-9111
[営業時間]11時〜15時半(15時15分LO)、17時~21時(20時45分LO)
[定休日]不定休(HPで要確認)
[交通] 仙台市営地下鉄南北線泉中央町駅西出口1から徒歩4分
取材・撮影/阿部真奈美
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