肩の力が抜けて自然体で選べるショップが楽しい
次に向かった『アンケヴィーノ』はときわ台、静かな住宅街にある。店名の意味は「ワインも」。かしこまらずに、いつもの食卓にワインも仲間に入れてよ、ってこと。いいワインを日常の中にって、肩の力が抜けたスタンスがいいね。店主の武石知桂さんはレストランのサービスを経て、イタリアでソムリエ資格を習得。帰国後はインポーターや百貨店の売り場勤務の後、5年前に同店を開設。
いろんな経験を重ねた上で、すすめたいと思っているのは「小さい造り手で、地に足が着いてていねいに造っているワイン」。であれば、産地やナチュラルであるとかないとかも気にしていない。その他おすすめのチーズやシャルキュトリー、オリーブオイルの量り売りなどもある。ひとりの子供のママとしても「ひとつのところで、ワインもつまみもおいしくて、安心、安全なものが選べればいいなと」。毎月第3金曜日には角打ちもやっていて、飲み比べもできるのでぜひ。
さて、最後に訪れたのは初台スーパー百貨店。昔のまんまのレトロなスーパーマーケット。以前は花屋だったというその一角を、自らリノベして岡田悦和さんが昨年12月にオープンさせた『カーヴ・ド・ミミ』だ。岡田さんの前職は伊勢丹新宿店のワインショップ『フェスティヴァン』。満を辞しての独立の物件探しの中でここを選ぶのも岡田さんらしい理由。「パリのマルシェっぽいというか。地元の人がお肉や野菜を買いに来る、ここに街のワインショップがあったらいいなと」。
紹介していきたいのは「造り手の見える、職人気質のワイン」。必ずしもナチュラルワインじゃなくても、きれいに造りきったワインをおすすめしたいとのこと。「初めて飲むならいきなり攻め過ぎず、ちょっとずつちょっとずつ、飲んでるうちにあ~おいしいなと思ってもらえれば」ということで、揃える価格帯も広い。おすすめワインの有料試飲もできる。穏やかな空気感でワインを注ぐ岡田さんと、あれこれ話すのも楽しい、居心地のいいお店なのだ。
『Anche Vino!(アンケヴィーノ)』 @ときわ台
自然体の目線でていねいに造られた素敵なワインを探す
カウンターには所狭しと店主の武石さんが選んだワインが。現行のヴィンテージはほとんど試飲済み。「好みと予算、今日は何を食べるか」などを伝えれば、いろいろとおすすめを教えてくれる。ちゃんと個性が見える素敵なワイン達だ。
[住所]東京都板橋区南常盤台2-6-1-B
[電話]03-6326-5051
[営業時間]12時〜20時
[休日]日・祝(不定休あり)
[交通]東武東上線ときわ台駅南口から徒歩3分
『Cave de Mimi(カーヴ・ド・ミミ)』 @初台
居心地のいい空間 ワインと付き合う楽しみが見つかる!
昭和レトロな初台スーパー百貨店の一角に開店した小さなワインショップ。ナチュラルワインにも精通する、店主の岡田さんセレクトのワインは造り手が見えるエレガントなもの。今後はブルゴーニュやシャンパーニュにも注目!
[住所]東京都渋谷区初台1-7-5 初台スーパー百貨店1階
[電話]050-3593-8833
[営業時間]12時〜19時
[休日]日(不定休あり)
[交通]京王新線初台駅南口から徒歩3分
撮影/橋本真美、取材/池田一郎
※2023年3月号発売時点の情報です。
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