違いが楽しめるほど多様化している真っ最中 揚げ物大好き『おとなの週末』ライター・肥田木と編集・武内がアジフライのアレコレを徹底討論!おいしい店を探して回ったからこそわかるその魅力とは? 【魚介系のフライでナンバーワン?】…
画像ギャラリー魚へんに参(3)+フ(2)ライ(1)で、3月21日はアジフライの日。ここ数年でじわじわ人気沸騰、進化した専門店も増えてきた。素材の産地もスタイルも個性さまざま。最新&絶品の味を探しました!
『アジ好きですか?』 @練馬
富津の美味満載 黄金とプラチナの名物を食べ比べ!
黄金とプラチナのお宝発見に鼻息も荒くなる。お宝はお宝でもこちらは食べるお宝。前者は香ばしい衣がまさに黄金、後者はふわりと口溶けいい白い衣をプラチナに見立てた。実はどちらも店主の故郷・千葉県富津市の「黄金アジ」を使ったもので、揚げ方の違いと見た目から命名した2大名物である。
食べ比べアジフライ定食(黄金+プラチナ) 1900円(昼)
そもそも「黄金アジ」とは脂がのった体が黄金に見えることから地元で親しまれている根付きアジの呼び名。良質なプランクトンを大量に食べて育つため、体長30~40cmになる個体もあるとか。肉厚で旨み濃厚、後輩の漁師から直送されるその魅力を伝えたいと始めたのがこの店なのだ。米も味噌もほぼ富津産。つまり店主の地元愛がたっぷり詰まったアジ、いや味揃いなんです。
[住所]東京都練馬区練馬1-15-2
[電話]03-5912-3900
[営業時間]11時半~15時(14時半LO)、18時~23時(22時LO) ※いずれもアジが無くなり次第終了
[休日]不定休
[交通]西武池袋線ほか練馬駅西口から徒歩1分
『トーキョーアジフライ』 @市ヶ谷
手仕込みで作るアジフライ定食は味変も楽しい
今、東京で行列ができるアジフライの新風といえば『トーキョーアジフライ』だ。日本有数の名産地、長崎は松浦の生アジを主に使い、捌きから小骨1本1本まで取り除く処理も店で丁寧に手仕込み。ゆえに提供できる数には限りがあり、昼過ぎに完売することも多いのだそう。そんな世のアジフライ好き羨望の的とご対面~。
手仕込みアジフライ定食 1500円
おお、何という品格。ポリポリ軽快な骨まで旨い。衣サクッ、身ふっくら。この理想に仕上げるためアジは薄塩をして1日寝かせ、旨みを増幅させている。そのままでも絶品だが、ここでは全9種の薬味での味変が定番だ。〆は卵黄醤油漬けと共にご飯にオンも(これイケる)。そうそう、ご飯も30分置きに羽釜で炊いた出来立てを提供しており、全てを最高の状態で味わってほしいという配慮にも脱帽。そりゃ行列だわな。
[住所]東京都千代田区九段南3-8-10 ACN九段南ビル地下1階
[電話]03-6272-4666
[営業時間]11時~15時(14時半LO・売り切れ次第終了)
[休日]日
[交通]都営新宿線ほか市ヶ谷駅A3出口から徒歩3分
『釣りあじ食堂』 @大久保
これぞ贅沢!店主が釣った金アジの旨さ
開いたアジを丸ごと1尾揚げた逆ハート型にキュン。こんがりキツネ色に歯を立てるとサクサクゥ~。鼓膜と心が震えた。かぶりつけば舌の上で身がふわふわほこほこ。え、アジフライって雲だった?語彙力を失う旨さ。違いは歴然、だってこれ、店主の神山さんが東京湾で釣る通称「金あじ」なのだから。
金あじフライ 1尾300円~500円(写真は1尾400円)
背が金色で体高があり、脂のりもいいのが特長で、独特の風味を生かすためあえて塩をせずひと晩置き、注文後にパン粉を付けて調理する。揚げる音で身の水分量を見極め、最上の塩梅に仕上げる神業はさすがだ。ラッキョウ入りのまろやかな自家製タルタルと味わえば、ハイおいしい、何も言うことはございません。ちなみに素材が無くなったら釣りに行くため不定休なので要確認。営業日にもアジの旨さにも価値がある店なんです!
[住所]東京都新宿区百人町1-15-4
[電話]080-3364-0829
[営業時間]16時~23時(22時LO)※釣りの日は17時~
[休日]不定休
[交通]JR総武線ほか大久保駅南口から徒歩1分
違いが楽しめるほど多様化している真っ最中
揚げ物大好き『おとなの週末』ライター・肥田木と編集・武内がアジフライのアレコレを徹底討論!おいしい店を探して回ったからこそわかるその魅力とは?
【魚介系のフライでナンバーワン?】
肥「アジフライをウリにする店がグッと増えたよね。専門店には行列もできてるし」
武「たぶんきっかけは昨年放送の『マツコの知らない世界』じゃないかな。さすがテレビ、さすがマツコ。と思いつつ実はその前からおと週でも何度となくアジフライを取り上げてたんですよー。先に目を付けたのは俺らだあ!」
肥「まあまあ、今回も絶品の味をたくさん食べられたからいいじゃん。改めて思ったけど私、魚介系フライの中で一番好きかもだわ。あ、やっぱエビフライも好きかな。」
武「この浮気女っ。でもこれだけ人気になるとエビフライより多く目撃するようになった気がしません?とんかつ屋や洋食屋はエビの方がやや優勢ですが、居酒屋や定食屋になると断然アジフライが増える。まさに庶民の味方」
肥「居酒屋にあるとつい頼むよね。もちろん刺身もいいけど、やっぱフライよフライ。油で揚げたもんって何でこんなに魅力的なのぉ?衣カリカリ、身ふわふわのギャップにヤラレる。オトコの魅力と一緒。そうそう、アジフライがおいしい店は他の料理も間違いないよ。いい店を見極める基準にしていいと思う」
武「今回いろいろ食べましたが、特徴が大きくふたつありました。ひとつはハート型に開いて揚げる店。やや小ぶりのものを使っていて、味がぎゅっと濃縮された感じ。もうひとつは30cm近くある大アジを3枚に卸して揚げる店。こちらはふわっとやさしい食べ応え。個人的に酒の肴には小さいタイプ、ご飯のおかずには大きいのが好きです」
肥「店によって調理にも個性があったね。塩を振って寝かせるとか、あえて塩で締めず青魚独特の風味を生かすとか、パン粉も粗め、細かめとそれぞれ。奥が深いわあ」
武「僕、とんかつのパン粉は細かめが好きだけど、アジフライは大きめが好きだと判明しました。ガリガリの食感と甘みがジュワッとしたアジの旨みとバランスいいのです」
肥「春夏に向けてアジの旬到来で増々おいしくなる季節。食べ比べ散歩もいいね!」
【名店の呼び声高き、過去に紹介した三ツ星アジフライ】
『お座敷洋食 入舟』 @大森海岸
豊洲で仕入れる極上釣りアジを洋食の技で
人気洋食屋さんのアジフライは見た目もハンサム。淡路島などの釣りアジを使う。魚は4代目が毎日豊
洲で仕入れてくるもので、誠実な味わいは食べればわかる。
[住所]東京都品川区南大井3-18-5
[電話]03-3761-5891
[営業時間]11時半~13時半LO、17時~20時半LO
[休日]日
『神楽坂 睦むつみ』 @神楽坂
肉厚でふっくら名物フライはジャンボな旨さ
肉厚でジャンボ、ド迫力の存在感がうれしいねえ。特注の粗挽きパン粉で揚げたそれは香ばしくてふっくら。基本は銚子港から。刺身でも旨い新鮮なアジを使う。
[住所]東京都新宿区袋町17
[電話]03-6265-3863
[営業時間]18時〜翌3時
[休日]日・祝は不定休
『とんかつ八千代』 @豊洲
豊洲の人気店のアジフライは新鮮さが決め手
脂がのったアジはサクサクと軽やかな衣の揚げ具合もGOOD。長年の付き合いがある仲卸からその日水揚げされたものを仕入れている。時期によって産地は変わる。
[住所]東京都江東区豊洲6-6-1 豊洲市場7街区管理施設棟3階
[電話]03-6633-0333
[営業時間]7時~14時
[休日]日・市場休日
撮影/大西尚明(アジ好きですか?、トーキョーアジフライ)、橋本真美(釣りあじ食堂)、取材/肥田木奈々
※2023年4月号発売時点の情報です。
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