甘味、軽食、ご飯まで 散策途中に立ち寄りたい【”名物”のある喫茶店】 観光地とあってか、喫茶店がそこかしこにあるのが谷中の特徴。どこもほっとひと息つけるおいしさなのだが、せっかくの谷中なのです。甘味から軽食まで、中でもこ…
画像ギャラリー谷根千エリアの中心地と言うべきなのが、ここ谷中。路地や寺社、歴史に人情があり、さらにこだわりの飲食店に買い食い天国の商店街まで揃うのだ。ならば、美味をあれこれ食べながらの散策を心ゆくまで楽しみたい。そのための店、揃えました!
【その味わいに行列必至!?“とっておきの昼ご飯”】
谷中周辺で昼ご飯を楽しむならここ!を揃えました。行列ができる魚定食の名店から昼酒も楽しめる最新立ち飲みまで、お腹も心も満たされるひとときを。
『谷中 冨じ家』
老舗の魚屋が自信を持っておすすめする日本の和定食
部屋に飾って眺めていたいほど完璧な”ザ・日本の和定食”。メインの魚料理に切り干し大根、白菜の浅漬け、クルミと小女子の佃煮などなど御膳に並んだあれやこれ、魚の質&味的にも栄養的にも1ミリの文句もございません。そりゃそうだよね、谷中で90年近く続く鮮魚店が昼限定で営業する定食屋さんなのだから。
ぎんだら御膳 1690円
3代目店主が豊洲で目利きした魚の旨さは当然も当然。刺身は上質で新鮮だし、肉厚にこだわるアジフライはふっくらサクサク、一番人気の「自家製谷中西京漬けぎんだら」なんて麗しい色気を放つ飴色の照りにほおっ~とため息が漏れる。葉生姜の搾り汁を加えた独自配合の味噌に1~2日ほど漬けて炭火で焼いており、ほろりと崩れる身の芳醇な香りと脂は魂をぶんぶん揺さぶる旨さ。伝統を背負う店も味も、町の宝です。
[住所]東京都文京区千駄木3-42-16
[電話]03-5834-2882
[営業時間]11時半~13時45分(食材が無くなり次第終了)
[休日]日・祝
[交通]地下鉄千代田線千駄木駅2番出口から徒歩3分
『薬膳カレー じねんじょ』
谷中名物!胃も体も大満足する薬膳カレー
独自配合のガラムマサラを使った同店のカレーは香り高く、とろりとしてご飯とよくからみ、食べる手が止まらない味わい。そして食べ進むうちに、体がぽかぽかと温かくなってくる。辛口なことに加え、カレーには杉菜や紅花、桑の葉、柿の葉なども入れられているからだ。これらには血行促進や免疫の活性化などの働きがあり、さらに特製カレーにはナツメ、クコの実、高麗人参、さんざしといった健康に効く10種以上の食材も使われているのだ。
特製カレー 2200円
昭和63年の開店当初は店名に冠した「薬膳」を、すっぽんなどを使った精のつくカレーと間違う人も多かったそう。しかし、おいしさと「疲れを感じたら食べています」(店長・田中さん)というその効果が評判となり、今では、谷中に来たならこちらで身体を癒したいという人でにぎわう名物店に。
[住所]東京都台東区谷中5-9-25
[電話]03-3824-3162
[営業時間]11時半〜16時、17時半〜21時(LO)、※木は昼のみ、土・日・祝は11時〜
[休日]月(祝の場合は営業、翌休)
[交通]JR山手線ほか日暮里駅北改札から徒歩6分
『クラフト サケ スタンド やなか純米や』
おいしい和食と国産クラフトの魅力を発信して生産者を応援!
谷中といえば昼から一献も定番。てことで宣誓。今度から週末の谷中の昼飲みはこの店と決めました。理由は明快。まずは名物商店街を見下ろせる明るい店内がいい。日本酒やジンなど造り手の想いが詰まった国産クラフト酒の品揃えがいい。そして素材を厳選した料理がすこぶるいい!ひとりでも仲間とでも満喫できること請け合いだ。おすすめは人気料理が大集合の「旬菜六点盛り」。
旬菜六点盛り 2200円(2〜3人前)
どれどれ、自家燻製したベーコンを使った風味豊かなポテトサラダに旬の白和え、イカの醤油漬け……って、これ永遠に飲める肴揃いやん(笑)。他にもマグロ専門仲卸から仕入れる生本マグロ刺身など、本格的な味が立ち飲みで楽しめる気軽さがいい。主力の日本酒なら春は生酒、秋はひやおろしなど季節感も満載。つまりはオールOK、気持ちよく過ごせます。
[住所]東京都台東区谷中3-11-11 マガザン谷中2階
[電話]03-5809-0195
[営業時間]土・日・祝12時~21時
[休日]月~金(不定休)
[交通]地下鉄千代田線千駄木駅2番出口から徒歩5分、JR山手線など日暮里駅北改札から徒歩6分
甘味、軽食、ご飯まで 散策途中に立ち寄りたい【”名物”のある喫茶店】
観光地とあってか、喫茶店がそこかしこにあるのが谷中の特徴。どこもほっとひと息つけるおいしさなのだが、せっかくの谷中なのです。甘味から軽食まで、中でもここにしかない名物のある喫茶店はいかが?
『HAGI CAFE』
見た目と違う さっぱり食感のサバサンドに注目
「萩荘」として親しまれた木造アパートが、文化複合施設の「HAGISO」として生まれ変わって約10年。1階にある『HAGI CAFE』は、平日もウェイティングが出るほどの人気ぶりだ。カレーやパスタ、サンドイッチなど幅広く揃うが、我々が注目したのはサバサンド。開店当初から続く看板メニューで、谷中に多い猫からヒントを得て考案されたとか(諸説あり)。
出雲ジンジャエール 700円、サバサンド 980円
サバ缶を使ったサバフライは大ぶりで食べ応えあり。間に添えられた玉ねぎの塩レモンのマリネのやわらかい酸味が主張し、味がしっかりと染み込んだサバムニエルのがっつり感をやわらげてくれる。マスタードの辛みも効いて、ぺろりと完食!コーヒーやソフトドリンクもいいけど、ビールのつまみにもぴったり。
[住所]東京都台東区谷中3-10-25 HAGISO
[電話]03-5832-9808
[営業時間]12時~20時(フード19時LO、ドリンク19時半LO)※8時~10時半(10時LO)のモーニング営業あり
[休日]不定休
[交通]JR山手線ほか日暮里駅北改札から徒歩6分、または地下鉄千代田線ほか千駄木駅2番出口から徒歩5分
『喫茶 ニカイ』
溢れ出すチョコも青春時代の懐メロもインパクト大
2階に上がると聞こえてきたのが、松田聖子の歌。若かりし時の思い出が蘇ってきて、思わず一緒に口ずさみそうになる。ほかにも、松任谷由美、中森明菜、渡辺美里など、オーナーが買い集めてきたという80年代のレコードが中心に流れている。その音楽だけでなく、昔の喫茶店風情に浸れるクリームソーダも、味のバリエーションが豊富に揃う。そして、ぜひ一緒に味わいたいのが、ニカイのフレンチトーストだ。
ニカイのフレンチ&クリームソーダ 1595円(平日限定)
たっぷり挟まれたチョコレートが滝のように溢れ出し、そのルックスにテンションが上がる! パンは抜群にふわっふわで、エスプレッソバニラアイスクリームのほろ苦さとのバランスも最高。平日限定なのだが、味もビジュアルも他に類を見ないフレンチトースト、一度体験してみてほしい。
[住所]東京都台東区谷中6-3-8 2階
[電話]03-5834-2922
[営業時間]11時~18時(フード17時LO、ドリンク17時半LO)
[休日]水
[交通]JR山手線ほか日暮里駅南改札または、地下鉄千代田線ほか千駄木駅1番出口から徒歩8分
『散ポタカフェ のんびりや』
料理からワインまで ポテンシャルの深さが半端ない
オムライスにスプーンを入れると、ご飯が本当に真っ黒でびっくり!「イカ墨のパスタを出していたとき、常連さんにイカ墨炒飯をリクエストされたのがきっかけ。ここまで黒いと知らず、食後に皆さんが口を黒くして笑っているのを見るのも楽しいですよー」。店主のきんちゃんはアハハと笑うが、料理の腕も抜群。
オムライス【黒】 1200円
オムライスのご飯には魚介や野菜をじっくり煮出したスープがベースに使われ、凝縮された旨みが広がるのだ。奥さまのもしゃさんはお酒に精通し、ワインの知識も実に豊富。おすすめ4種から選んだ「taiyou2021」(ワイン畑 浦本)はスイスイ飲めるのにコクもあり、オムライスと相性抜群。ここはただのカフェではない。
[住所]東京都台東区谷中5-2-29
[電話]03-6879-5630
[営業時間]11時半~15時、18時~23時(土・日・祝11時~23時)
[休日]水・木
[交通]JR山手線ほか日暮里駅南改札から徒歩7分
撮影/谷内啓樹、橋本真美(冨じ家、やなか純米や)、小澤晶子(じねんじょ)、小島昇(HAGI CAFE、ニカイ、のんびりや)取材/肥田木奈々(冨じ家、やなか純米や)、編集部(じねんじょ)、井島加恵(HAGI CAFE、ニカイ、のんびりや)
※2023年5月号発売時点の情報です。
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