ティモンディ前田裕太の“おとな”入門

ティモンディ前田裕太が「友人といて疲れるのは優しい証拠」と考える理由

ティモンディ前田裕太

担当編集者からのひとこと 友人と会っていても気疲れするという相談者さんのお気持ち、共感する方も多いのではないでしょうか。 私の場合、学生時代はそういった経験があったのですが、最近は記憶になく、その理由を考えてみました。そ…

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「目指せ、理想の大人」をメインテーマに掲げて始まった、「ティモンディ前田裕太の“おとな”入門」。自身の経験や見聞きしたエピソードから思考を広げてきた「コラム形式」から、次のステップへと進みます!
その内容は、「お悩み相談」です。これまで約1年半のコラム連載を通して、食・あそび・勉強・旅…と、様々なテーマで「(理想の)大人とは?」について考え、目指してきた (そしてこれからも目指していく)前田さん。その経験を生かした視点で、皆さんから寄せられたお悩み相談に答えていきますよ◎
第5回の今回は、子供も大人も難しい…友人との付き合い方について。

[今回のお悩み]

「友人と会っていても、気疲れしてしまう…これは、私に問題があるのでしょうか?」

わたしには「友だち」と呼べる人が少ないです。

声をかけてくれる友だち、こちらから声をかけられる友だちは一定数います。

もちろんそういった人たちと会うのは楽しいのですが、途中で気疲れしてしまうので、誘われても「今日はひとりでいたい気分」を優先してしまったり、こちらから誘うのもめんどくさくなってしまったりします。

定期的に会う友だちが何人もいる人は、そういった気疲れを感じることのない友だちがたくさんいるのでしょうか。それとも、気疲れはするけれども、それは他人同士だから付きもの、と割り切れているのでしょうか。

自分の、友だちとの付き合い方に問題がある気がして、前田さんの感覚を聞いてみたくなりました。

(30代・女性・東京都・会社員)

相手への気遣いは、優しいから?それとも自分を守るため?

相談者さんは、みんなに気を遣う人なのでしょうね。

だから誰かと一緒にいて疲れるのでしょう。

世の中のみんなが、相談者と同じような人であればそのことに対して気を揉むこともないのでしょうけれど、平然と他人とコミュニケーションを取り、仲良くして、友人が沢山いるような人を見ると、何故自分だけこんなに疲れるのか、と思うことでしょう。

私も同じようなことを感じることがあるので分かります。

我々のような人と比較すると、常に人が周りにいたり、一人では寂しくて生きていけないから他者の存在が必要不可欠である人がいるのも確かです。

そういう人って大体明るいし、こういう風に生きていければ楽なんだろうなあ、とも思う。

一人でいることは楽。けれど、自分もああいう生き方は出来ないものなのか、と。

では、友達が多くてフレンドリーで、他人といても疲れない人ってどういう人なのでしょう。

私は、そういう人たちって他人に興味がない人なんだと思います。

相手にどう思われたとて構わない。

響きは良くないけれど、他人のことをある種の”どうでもいい人間”だと思うから、必要以上に気を張ることもない。嫌われたって構わないから、思ったことをそのまま口にできるし、気を揉むこともない。

一種の自己愛だと言ってもいいでしょう。ちゃんと自分が一番だから、自分がそうしたい、と思う範囲でしか気を遣わないので、そこまで疲弊しない。

意識的にだとしても、無意識だったとしても、気を遣ってしまうのは、他人の存在を”どうでもいい”と割り切れず”一緒にいるこの時間を心地よく過ごしてほしい”という心根の優しさが出ているのだと思います。

そのとても優しい気持ちは、素敵な部分です。

けれど、「この人はどうしたら喜ぶだろう」「どうしたら気分を害してしまうだろう」という、そういう相手を思いやる気持ちが他人といると疲れてしまう理由の1つにもなるんです。

魅力の1つではあると思いますが、それで生きにくさをどこかに感じているのであれば、友人という存在に対しての認識を改めた方がいいかもしれません。

嫌われたっていいと思う心を持つ。その心があると、友達といても、少しは気楽に接することができるのかもしれません。

では、何故、気を遣ってしまうのか。

一言で優しいと片付けてしまうのも違う気がする。

というのも、私自身を顧みた時に、なぜ気を揉んでしまうのか、という問いを投げかけたら優しさではない部分が大いにあるから。

私の場合は、自分が良く思われたい、と何処かで思ってしまうから、他人に気を遣ってしまう場合が多い。

嫌われないように気遣うことで、自分を守っているつもりになっているんですよ。

非難されたら自身が傷つくから。

誰かに優しくしている間は、情けなくて惨めな自分から目を背けることもできるし。

だから、自分の意見や感情をそのまま口にして真っ直ぐ生きるよりも、誰かに嫌われたり悪いように思われない道を選ぶんですよね。

自分が大事なんですよ。

その自己愛に関して言えば、他人に興味がないタイプの人の自己愛と同等のものがあるとも言える。

けれど、他人に興味がないタイプの人と比べると、他人の目を気にしているタイプの人は、結局、自分をすり減らす時間が多いのだ。

あまり健全な方法だとは言えない。

だからその結果、他人といることに疲れて、一人でいる方が楽だな、と思って人から遠ざかる。

悪循環なのだ。

私はこの自己愛の欠如による悪のカルマから脱することができず、頭では分かっていても、自身の情けない部分を口にすることが憚られるのだけれど、もしも相談者が、一歩踏み出す勇気があるのであれば、他人に興味がない、興味を持たない、という道に足を踏み入れてみてもいいのかもしれない。

担当編集者からのひとこと

友人と会っていても気疲れするという相談者さんのお気持ち、共感する方も多いのではないでしょうか。

私の場合、学生時代はそういった経験があったのですが、最近は記憶になく、その理由を考えてみました。その結果、社会人になってからは、相手の性格や自分との関係性、「仲良い度」などによって、遊ぶ内容を変えている、ということに気付きました。

何でも話せて、食事から日帰り旅行から海外旅行まで、内容に関係なく会える人を「友達」と呼ぶならば、2~3人しかいません。でも、そのほかにも、「ただ楽しく飲みたい時に誘いたい人」「カフェ巡りをしたい時に真っ先に思い浮かぶ人」といった人たちのことも、私は「友達」だと思っています。よくある、「“友達”の基準とは?」問題ですね。

ちなみに、2016年に「マイナビウーマン」が、200名の女性に「友達は何人いる?」というアンケートを取っていました。その回答者のコメントを見ると、「Facebookでつながっていれば友達」という人から、「素を出せる相手しか友達と呼べない」という人まで、様々(※)。

「友達」がこんなにも曖昧なものならば、自分の中でも、「ちょっとランチに行くくらいがちょうどいい友達」から「お泊まり旅行もできちゃうマブダチ」まで、色々な種類の「友達」がいて、それぞれに接し方や会うときの心持ちが違っても良いのかもしれませんね。

※出典:https://woman.mynavi.jp/article/160225-26/

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前田裕太(まえだ ゆうた)
1992年8月25日生まれ、神奈川県出身。愛媛県の名門、済美高校野球部の同期である高岸宏行とのお笑いコンビ「ティモンディ」のツッコミ担当。趣味はサッカー観戦、読書。テレビ番組で画力を披露したり、複数メディアでコラムを執筆するなど、マルチな活動で注目を浴びている。

ティモンディ
高岸宏行・前田裕太によるお笑いコンビ。コンビ結成は2015年、グレープカンパニー所属。高岸のポジティブなキャラクターや、二人の野球経験と身体能力などがバラエティ番組で引っ張りだこに。コンビの野球経験をいかしたYouTubeチャンネル『ティモンディチャンネル』の登録者数は約28万人。

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