ハイブリッド角打ちや日本酒の樽生など呑兵衛必見の店も
●『角打ちKAN』
居酒屋と角打ちのハイブリット。そんな酒好きのど真ん中を狙ったコンセプトに飲兵衛は歓喜必至だろう。というのも、こちらを運営するのが小売や卸を手がける老舗の酒販店なのだ。
居酒屋エリアのカウンターで湯気を上げるのが、自由が丘で人気の『おでん高太郎』を約10年間経営していた店主が開発した“虎ノ門おでん”。静岡産の花鰹や日高産の昆布のダシが沁みた種類豊富な具材を揃えている。
その奥にあるのが角打ちスペースで、冷蔵庫にある赤星の大瓶からクラフトビール、日本酒のワンカップなどをセルフで選んで気軽に楽しめる。もちろん酒販店でもあるので、気に入ったボトルは購入も可能。
●『虎ノ門 おお島』
酒蔵から日本酒を樽詰めしそのまま直送。特別なサーバーから注がれる、いわば日本酒の樽生を味わえる。酵母が生きたままの状態で飲み心地は微発泡。舌の上で弾ける泡からフレッシュな香りが鼻に抜ける。
つまみは居酒屋以上、割烹未満がコンセプトで、四季折々の食材を使った海鮮から煮込み、気の利いた一品を用意している。紅ズワイガニの身を、ほんの少量のつなぎだけで揚げた「カニコロッケ」(1200円)はカニの風味が口いっぱいに広がる赤字覚悟の名物だ。
●『鍈(すずのね)』
恵比寿にある予約困難な焼鳥店『鍈輝(えいき)』が、T-MARKETに鳥料理の専門店として出店した。
なんと自慢の焼き鳥は封印し、鶏ダシのおでん、から揚げ、はたまたジャークチキンやタコライスと、鶏の旨さを引き出した創作メニューにチャレンジしている。気軽なカウンタースタイルで、サクッと1杯も。
他に、本誌でも紹介した神楽坂の『CRAZY PIZZA』の新常態や、醸造所を併設した『dambrewery restaurant』と目移りしそうな14軒が軒を連ねている。
さらに、140席設けたパブリックエリアでは、各店から料理を取り寄せ、クロスオーバーに注文も可能というのもうれしいポイント。ランチにもディナーにも足を運びたくなる新スポットだ。
取材・撮影/菜々山いく子