いいことがあった日のごちそう。幼かったあの頃、それは洋食ではなく喫茶店の洋菓子だった。プリンにアイスにホットケーキ……。あの豪華さ、あの甘さに今もときめかずにはいられません。今回は、テンションあがるパフェを集めてみました。
昭和の純喫茶らしい雰囲気を守り抜く『COFFEE SHOP ギャラン』@上野
店内中央で存在感を放つゴージャスなリング型シャンデリアは特注品。昭和52年の開店時、内装にかかった費用はなんと約9000万円!真鍮のライオン、花型ランプ、本物のレンガを使った仕切り壁など、こだわりが随所に詰まっている。チーフの藤沢健さんは、「再販のないものが多いので、とにかく必死に磨いて、この内装を使い続けていけるように」と話す。
タータンチェックのベストも創業時からの制服で、メニューの内容も変わっていない。チョコレートパフェも、チョコレートソース、生クリーム、バニラアイス、みかん、そして上にちょこんとのったサクランボという王道のスタイルが健在。食べながら、「そうそう、この味!」と、思わずひとりで頷いてしまう。70~80年代の歌謡曲のBGMも最高!
チョコレートパフェ 1050円
[住所]東京都台東区上野6-14-4 2階
[電話]03-3836-2756
[営業時間]8時~22時半(22時LO)
[休日]無休
[交通]JR山手線ほか上野駅中央口から徒歩1分
優雅な曲を奏でるようなアートなパフェ『ルーブル洋菓子店』@東中野
昭和25年に工場併設のパン屋から始まり、ビルを建てた昭和41年に喫茶スペースを増設。高度成長期の真っただ中で、バーテンやケーキ職人もいるハイカラな店だったという。その頃、メニューに加わったのが、パフェの「セレナーデ」。当時、両親と店を切り盛りしていた立松さんの姉が音楽好きで、曲を奏でるようなイメージを表現したとか。
セレナーデ 780円
そそり立つようにのせられたアイスクリームをはじめ、生クリームやメロンの盛り付けがアーティスティック! ストロベリーアイスの甘酸っぱい味が全体を包み込み、食べ進むと底に潜んだブドウソースが現れて味にメリハリがつき、最後まで飽きずに楽しめる。昭和生まれのパフェでこんなに芸術的なビジュアルは珍しい。さぞ、モダンでオシャレな喫茶店だったに違いない。
[住所]東京都中野区東中野4-1-8
[電話]03-3361-0845
[営業時間]9時~20時
[休日]木、第2・4水
[交通]JR総武線東中野駅東口から徒歩1分
撮影/小澤晶子、取材/井島加恵
※2023年10月号発売時点の情報です。
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