美味しいわたりがにの見分け方 わたりがにはアシが早いため、購入するときは生きているものを選ぶのがおすすめです。ずっしりと重みがあり、甲羅を触ってみてフワッとして柔らかさを感じるものは、脱皮したばかりで身詰まりが悪い可能性…
画像ギャラリー旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■クイズの答えは……
正解:わたりがに
難易度:★★★☆☆
メスは卵とみそ、オスは身が絶品です
へら状の脚が特徴的なわたりがに。この脚をオールのようにして海中を泳ぎ回ります。標準和名は「ガザミ」ですが、わたりがにという名前のほうが一般的です。
晩秋から秋にかけて脱皮して交尾をした後、メスは沖合いへ移動し、海底に潜って冬眠します。そして、春になると冬眠から覚めて産卵します。
わたりがにの旬は地域によって若干の差はありますが晩秋が最も美味といわれています。
また、オスとメスでも旬の時期が若干異なります。オスは7月~11月頃が身が詰まった状態となり、身の甘みも増します。メスは、卵を携えた頃の11月以降が旬。オスと比較すると身の甘みは控えめですが、内子と呼ばれる卵とミソは絶品。旬を迎えたメスは高値で取引きされます。
実は、メスの卵には内子と外子の2種類があり、体内に携えている未熟な卵が内子で、ふんどしと呼ばれるおなかの外側に付いている成熟した卵が外子です。
内子は生のときは紫色ですが、加熱すると鮮やかなオレンジ色に変化します。ねっとりとした食感で、濃厚な旨味があり、身と和えたり塩辛やしょうゆ漬けにしたりして食されます。
いっぽうの外子は、内子と比較すると旨味は減るものの、プチプチした食感が楽しめます。こちらもしょうゆ漬けなどにすると美味しくいただけます。
生きたわたりがには太い輪ゴムなどでハサミを固定して売られていることが多いのですが、これはハサミが強靱で、はさまれるとケガをする危険があるためです。
わたりがには茹でるよりも蒸したほうが旨味が凝縮されて美味。蒸すときには必ず甲羅を下にしましょう。甲羅を上にして蒸すと旨味が逃げてしまうからです。
ちなみに、韓国ではわたりがには人気食材で、春から初夏にかけてが旬となります。生のものを醤油ベースの調味料に漬け込んで熟成させたカンジャンケジャンや、コチュジャンベースのたれに漬け込んだケジャンなどが代表的な料理です。
美味しいわたりがにの見分け方
わたりがにはアシが早いため、購入するときは生きているものを選ぶのがおすすめです。ずっしりと重みがあり、甲羅を触ってみてフワッとして柔らかさを感じるものは、脱皮したばかりで身詰まりが悪い可能性があります。
茹でたものを購入する場合は、甲羅にツヤがあって、鮮やかな朱色のものを。また、裏返してみて、おなかが白いものを選びましょう。
わたりがにの注目栄養素
赤血球を作るうえで欠かせないビタミンB12が豊富に含まれています。
かにみそには、肝機能の改善を助けるタウリンが含まれているため、お酒のアテとしても最適です。
甲羅の赤い色素はビタミンEの約1000倍もの抗酸化力を持つといわれるアスタキサンチン。この成分をとるなら、甲羅ごと煮込んだ味噌汁などの料理がおすすめ。汁に溶け出したアスタキサンチンをとることができます。
低脂肪・高タンパクな食材で、ダイエット中の人でも安心して食べられることもうれしいポイントですね。
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