ブームから、メニューに必須の定番へ。
取材を重ねる中で、アジフライはもはや定食屋はもちろん、居酒屋でも外しがたい一品になってきた。でも、外しがたいであって、まだ外せないまでは行っていない。
そんなことを思っていたら……。揚げる手間はあるものの、自宅で食べられるおいしい冷凍アジフライを発見! 前言撤回。アジフライもいよいよ外せないメニューになって来たようだ。
アジフライ人気はレモンサワーブームに似ている
アジフライの注目のされ方はレモンサワーに似ている。
レモンサワーの場合はというと、
(1)おいしいレモンサワーを出す店がある……
(2)雑誌が取材する……
(3)テレビでもレモンサワーが紹介されるようになる&お酒メーカーから家庭で楽しめるレモンサワー(素も含めて)が発売される&個性的なレモンサワーを出す飲食店が増える……
(4)結果、いつでもどこでもレモンサワーな国・ニッポン!
になった。
そしてアジフライはというと、
(1)おいしいアジフライを出すお店がある……
(2)雑誌が取材する(小誌、がんばってます!)……
(3)テレビでもアジフライが紹介されるようになる&………&レアで揚げたり、タルタルソースに凝ったり、自身で釣ってきたアジしか使わないなど個性的なアジフライの店が増えてくる(小誌、こちらも頑張ってます!)というわけで、(3)の“家庭で気軽に楽しめる”アジフライが弱く、(4)のいつでもどこでもおいしいアジフライの国には至っていない気がしていた。
街を歩けば、それまでコロッケやメンチカツを売りにしていた精肉店が“アジフライあります”とアジフライに力を入れ始めていたり、スーパーでもアジフライ売り場が充実してきている。
しかし、揚げたての極うまなやつをビールやレモンサワーを片手にハフハフと“自宅”で楽しみたいのだ。空白となっている………部分は重要で、店だけでなく、こだわりのおいしいアジフライが、気軽に家庭の食卓で楽しめるようになってはじめて、ブームから定番になっていくと思っている。
しかし、そんな想いに応えてくれる商品にはまだ出合えていない。これではアジフライはレモンサワーのような真の定番にはなれないかも……寂しいなぁ。さらには、このままだとちょっとしたブームで終わってしまうかも、とも。
そんな時出合ったのが、『瀬戸内との子や』の、その名も「究極の真あじフライ」だ。
知人からもらったもので、見れば広島県にあるメーカー。しかし、会社があるのは瀬戸内沿岸ではなく、どちらかというと県北部で海からは離れた場所。というわけでアジの身よりも衣の方がはるかに厚く、ソースをかければその衣がたらふく吸いつつも、食べると衣に使う小麦の香りががっつり……。つまりはおいしくないアジフライなんだろうな。そんな先入観を持って食べてみたところ……