あんこ×バターの旨さを別格に引き上げるバターのインパクト
大事に持ち帰ったシーラカンス モナカは、箱を開けたらビニールに包まれたままでも皮の香りが漂った。
早速頬張る。パリッと香ばしい皮の奥から、しっかり小豆の香りがするあんこと濃厚なバターが顔を出す。あんこ×バターのおいしさは周知の事実だが、このイズニーバターとやらはちょっと様子が違う。今まで味わったことがない強い塩味に、飲み込んでもなお口にとどまる濃厚なミルキー感。これらが、あんこに合わないわけがない。一般的なモナカより若干薄めに感じる形も、個人的に好みだ。
こちらは、オーナーシェフのXより。
「はじめてご購入のお客様へ。ゆたかな風味のイズニーバターの余韻がのこるあんバターモナカです。クセになる強めのゲランド塩のえんみに驚かれるかもしれませんが、あずきは十勝産だけをたっぷりと使用。がんこ職人が何度も何度も試作して、とうとう完成しました」(原文ママ)
常温で十分おいしかったが、残暑のせいでバターが軟らかめだったので、冷蔵庫で冷やしてから食べてみることにした。冷えた硬めのバターをかじって食べるのが好きなのだ。
口の中で軽やかに溶けていくため、かじる楽しみが達成できたのはほぼひと口目だけだが、硬めのあんこ×バターも、ん~やっぱり美味。
食べたあとの、おなかにずっしり来る満足感もすごい。
寒い季節にはオーブンやトースターで温めると、皮はサクッと、中のバターはトロリとした食感になるらしい。すべて食べ終えてから、箱の裏面にその文言を見つけた時は軽く絶望したが、ありがたいことに私は宮城県民。またオープン前から並ぶモチベーションができた。
■『maison cœlacanthe(メゾン シーラカンス)』
[住所] 宮城県仙台市青葉区一番町2-2-3
[電話番号] 022-748-4061
[営業時間] 11時~19時※土・日・祝は10時~
[定休日] 1月1日
[交通] JR仙台駅西口から徒歩10分
取材・撮影/阿部真奈美
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