80トンの茅葺き屋根が壮観『茅乃舎』の総本山でサステナブルな美食を堪能
そしていよいよ総本山『御料理 茅乃舎』へ。久山町の山深い里山にあえて開業したという豊かな環境。西日本最大級、屋根の高さが11.5m、幅37.5mという茅葺き屋根は壮観だ。大分県日田市の職人たちが80トンもの茅を担ぎ上げ、1本1本手作業で整えて重ねたという。
四季折々の地の食材を、だしによって際立たせた里山料理が自慢。ディナーでは名物十穀鍋や、黒豚と旬菜の出汁しゃぶなどのメインを筆頭に、色とりどりの前菜、根菜をすりおろした大地の恵みスープなど素材そのものの力を引き出す料理をコースで提供している。
93歳の“路代おばあちゃん”のレシピ
特徴的なのは路代おばあちゃんの逸品。「93歳の長野路代さんのもとへ毎月通い、そのレシピを伝授してもらっています。季節の食材の加工食品づくりに永年取り組んでいるだけに、素材の生かす調理法、味を引き出す知恵にはいつも発見があります」と、西垣良太料理長は語る。
『御料理 茅乃舎』の近隣には茅乃舎のロゴのモチーフとなった「伊野天照皇大神宮(いのてんしょうこうたいじんぐう)」もあるので、参拝するのもいいだろう。太陽をつかさどる天照大神を祀っている、九州のお伊勢さんとも呼ばれる由緒ある神社だ。
久山町の壮大な自然に囲まれたパワースポットを参拝すれば、身も心も清められる。さらには滋養たっぷりの食材で内側から浄化されよう。
冬野菜や鍋がますます滋養たっぷりになる季節。そんな美味しい循環を体感できる、久原本家の総本山を訪ねる旅を企画してみてはいかがだろう。
文・写真/間庭典子