車で地方に出かけて国道沿いを走っていると、はじめて見たのに、そのあとも見かけた!というファミレスに出くわしませんか? 実はそんな“ご当地ファミレス”が、埼玉に多いのです。その中から厳選のチェーンを巡りました。
和も洋もすべて揃い、セレクトに困らない埼玉へ行くべし
意外と知られていないけど、実は埼玉にはご当地チェーンが数多くある。しかも大手にはない個性と魅力が大爆発! 県北・行田市出身の菜々山が思い出とともにレポートします。
まずは『馬車道』。店名からして横浜への憧れを強く感じる。埼玉っ子が外食でパスタデビューするのは大抵この店。フォークでくるくる巻く術をここで学ぶのだ。私も初めて訪れたのが小学生の頃だったと思う。矢絣に袴のハイカラさんみたいなユニフォームをまとって颯爽と料理を運んできたお姉さんを見て「私も大きくなったら、ここで働く!」と思ったっけ。ン十年ぶりに行ってみると、ハイカラさんは健在。そして当時よく食べた「ペリー来航スパゲッティ」も。しかしトマトクリーム味で、なぜペリー? 今考えると、ぶっ飛んだネーミングセンスだと思う。でもそんなところも好き。
『とんでん』は、少し価格帯が高いこともあって、日常使いというよりハレの日のファミレスってイメージ。年末年始、お盆、七五三のお祝い、ほとんどの埼玉ファミリーはここへ行く。そしてお決まりのように「ジャンボ茶わんむし」を食す。なめらかな口当たりに上品なダシの風味、そして具材もたくさん。久しぶりに食べてもやっぱり旨い!
星野源も通った『るーぱん』
今回、初訪問となったのが『るーぱん』。調べてみると会社の所在地が、まさかの行田。なんで行ったことなかったんだろ。というわけで川越市出身の友人に思い出を語ってもらった。「アラフォー世代は学校帰りに『るーぱん』に寄るのが埼玉ではイケてる高校生だったわけよ」
だから蕨市出身の星野源さんも通っていたわけね。「ボンゴレ赤」を食べてみたら、チビッコじゃ泣き出すほど黒胡椒が効いてスパイシー。でもこれでいい。独自路線を貫く姿勢に惚れた。
加えて、埼玉には周辺の県からもチェーンが続々と流入している。某ファミレスの担当者によれば国道や県道などの交通量が多く、さらに人口密度も比較的高いってことが理由らしい。
そんな中訪れたのが群馬発の『いっちょう』。お食事版のメニューブックだけで、なんと約50ページと品数が膨大で、何でも揃う。寿司を注文したところ値段から想像するよりネタがいい。シャリがちょっと乾燥していたのは仕方ないとしよう。
こちらも群馬創業、現・栃木発の『フライングガーデン』。ここでは鉄板の上でジューッと音を立ててくる「爆弾ハンバーグ」をぜひ。スタッフが目の前で仕上げる演出から楽しい上に、口中で肉汁溢れる逸品だ。
どうです? 行ってみたくなったでしょう。大手にはない、どこかゆる〜い感じも埼玉ご当地チェーンの魅力なのです。