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海外でも話題のウイスキー体験型施設「小諸蒸留所」とは?

全面ガラス張りの「小諸蒸留所」

チェックアウト後は、2023年6月に長野県小諸市にオープンしたウイスキーの体験型施設「小諸蒸留所」へ向かおう。所要時間は車で25分ほど。

実はここ、イギリスの大手専門誌で「世界で最も訪れたい蒸留所3選」の一つに選ばれ、世界中のウイスキー関係者が集う「World Whisky Forum」の開催地として、アジアで初めて選出された、話題の蒸留所なのだ。

ポットスチル(左奥)を眺めつつウイスキーが味わえるバー

建物は全部屋から製造過程を眺めることができる、ガラス張りの2階建て。

「ウイスキーをもっと身近なものとして生活に取り入れてほしい」という思いのもと作られた1階のバーでは、バーテンダーのオリジナルカクテルや、ウイスキーに合う地元食材とのペアリングメニューなどを味わうことができる

2階ではテイスティングをしながらウイスキーについて学んだり、カクテルを作ったりすることができる「ウイスキーアカデミー」に参加することができるところが魅力だ。

世界的な造り手がウイスキーに挑む拠点

ツアーではウイスキーが発酵する様子を鑑賞できる

できたばかりなのに海外からも期待されている理由は、世界的なウイスキーの造り手であるイアン・チャンさんが骨を埋める覚悟で移り住み、「ウイスキーのアインシュタイン」とも言われたウイスキーコンサルタントの故ジム・スワン博士の教えを活かし、ジャパニーズウイスキー造りに励んでいる場所だからである。イアン・チャンさんは台湾出身で、世界的に評価の高い台湾のウイスキー「KAVALAN(カバラン)」の元マスターブレンダー。2020年から、小諸蒸留所を営む軽井沢蒸留酒製造の副社長兼マスターブレンダーを務めている。

水質が良く、冷涼な気候で、ウイスキーの本場・スコットランドと同じ平均気温の小諸は、ウイスキーにいい影響をもたらす最高の立地だそうだ。製造過程を眺められる見学ツアーもあるので、実際にウイスキーが作られる様子を自分の目で確かめておこう。

ニューメイクこそ、ウイスキーの真骨頂!?

ニューメイクと麦汁や地元のりんごジュースを混ぜて作ったジェラートのセット

ちなみに1階のバーでは、熟成前のウイスキーの原酒「ニューメイク」をセットのジェラートとともに味わえる。これを樽の中に詰め、熟成を経てウイスキーが完成するので、現時点では無色透明で味も違うが、「ニューメイクがおいしければ熟成後はもっとおいしくなります」とイアン・チャンさんは説明する。

「口当たりはまろやかですが、このニューメイクは芳醇な香りとボディ感のある味わいが特徴的です。渾身のニューメイクをお楽しみ頂き、この蒸留所のウイスキーが将来どのようなものになるか想像して頂ければ」

世界が注目するウイスキーの成長過程を楽しむことができる「小諸蒸留所」。ウイスキーボトルの販売は、2026年ごろを予定しているという。今は、ニューメイクで体を温めつつ、数年後に完成するウイスキーに想いを馳せてみては。

■小諸蒸留所
[住所] 長野県小諸市甲4630-1
[電話番号] 0267-48-6086
[営業時間] 10時00分~19時00分 (最終入場18時、バーL.O.18時30分)
[定休日]不定休
[料金] 入場券+ウェルカムカクテル+ツアー大人2500円
[交通]車:小諸駅から約10分

文・写真/中村友美

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中村友美
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