ラーメンをラーメンたらしめているスープや麺の進化が多様性をもたらし、ラーメンの人気を牽引してきた。しかし、それだけではない。トッピングの雄である“チャーシュー”の進化もまた、ラーメンの旨さ、人気に大きく関わっているのであるっ!
【チャーシューの進化】
1.黎明期
肉に調味料をすり込み大きな窯の中に吊るして焼く『叉焼』。中国語の発音が「チャーシュー」
2.第一の進化
豚骨や鶏ガラと一緒に煮てスープを取った煮豚をチャーシューにするタイプパサパサになる場合も有
3.第二の進化
低温調理で作るチャーシューパサつきがちなモモ肉もジューシー。初期は炊飯器の保温モードで作る店も
4.第三の進化
スライスした煮豚をグリルやバーナーで炙り焦げ目をつけ香ばしさを加えたチャーシュー
5.第四の進化
低温調理器の普及で肩ロース、ロースにバラ、モモなどの豚以外に鶏の低温調理チャーシューも登場。群雄割拠時代へ
6.第五の進化!?
超巨大、超ブ厚い等々、店独自の自由チャーシュー卍巴時代の次の美味として「コン……」登場の予感
話は「そもそもチャーシューとはなんぞや?」というところからはじまる。本来チャーシューとは、中国語で『叉焼』と書き、調味料と紅麹の酒粕を塗った肉塊を、大きな窯の中に吊るして焼いた料理だ。
そして日本に於いて、現在のラーメンに近いスタイルの料理を提供したのは、明治43年に開業の浅草『来々軒』であるというのが定説である。この店のラーメン(今では表記が憚られる名称が当時は使用されていましたが)には、叉焼が載せられていたようだ。
しかし、この店が人気を博すと、屋台のラーメン店も東京に登場。当然、叉焼を作る大きな窯などない。そこで、表面を焼いた肩ロースやロースを醤油味のタレで煮込む、いわゆる『焼豚』をのせるのが一般的となる。
ここで面白い現象がおきる。焼豚に「チャーシュー」と呼ぶ発音だけが残ったのだ。