ブリはもちろん、サバも牡蠣もハマグリも!魚介しゃぶしゃぶを堪能できる6軒

牡蠣にブリにハマグリ。様々な食材で楽しむ鍋が人気となっている。ダシにくぐらせ、ハフハフ頬張るしゃぶしゃぶだ。カジュアルに食べられ、しかし奥深いこのしゃぶしゃぶ。今回は、具材を「魚介」にしぼって大調査。様々な食材、味わいを…

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牡蠣にブリにハマグリ。様々な食材で楽しむ鍋が人気となっている。ダシにくぐらせ、ハフハフ頬張るしゃぶしゃぶだ。カジュアルに食べられ、しかし奥深いこのしゃぶしゃぶ。今回は、具材を「魚介」にしぼって大調査。様々な食材、味わいを集めてみました!

『能登美』 @水道橋

リピート必至 地元愛あふれる天然ぶりしゃぶ

石川県七尾市出身の米田店長の思いはただひとつ。「地元食材の本物のおいしさを伝えたい!」。その情熱が宿る「天然ぶりしゃぶ」はこの店の冬の大看板だ。

7kg以上など基準をクリアした「天然能登寒ぶり」を漁港から毎日直送。鍋に適した厚さ約2mmに切り付け、皿に盛った姿は有無を言わせぬ整列美。天然独特の色艶にため息が漏れる。

天然ぶりしゃぶ 1人前 1980円

『能登美』天然ぶりしゃぶ 1人前 1980円 身の切り方やダシの味などおいしさを追求。基本は白菜をたっぷり乗せて味わうのがおすすめ

まずはそのまま刺身で上品な脂を味わい、次に昆布とカツオのダシにくぐらせ身の香りと甘みをハクサイと共にポン酢で堪能、さらに自家製の薬味「梅ニンニク」をちょいと付けて……と味変すれば豪快な量もペロリと胃袋に消える。こりゃ罪な旨さだわ。他にも東京では滅多に出合えない能登の味に感動しきり。行かなきゃ人生損するかもよ?

『能登美』

[住所]東京都文京区本郷1-14-5
[電話]03-5805-1808
[営業時間]15時~23時半
[休日]現在は月・火
[交通]都営三田線水道橋駅A6出口からすぐ、JR水道橋駅東口から徒歩5分

『城ケ崎 おかもと』 @恵比寿

美しき姿の高級魚をしゃぶしゃぶで

伊豆半島を中心とした静岡の食材&料理が人気の和食屋からは金目鯛のしゃぶしゃぶを。何といっても日本一と名高い水揚量を誇る下田直送の上物だ。

貴婦人のような身にサッと火入れすればホロリと崩れるしなやかさ、野菜と一緒に味わえば染み入るような滋味深さ……あったまるぅ。

金目鯛しゃぶしゃぶ 1人前 2200円

『城ケ崎 おかもと』金目鯛しゃぶしゃぶ 1人前 2200円 冬の定番人気。1~2kg程度の金目鯛を仕入れる。ダシを取ったアラも出してくれるので2度おいしい

鍋のスープも特徴で、丸鶏をベースに注文を受けてから金目鯛のアラを煮出したダシを加えることで深みを出している

実はダシを取った後の頭もつまみで供してくれるのだが、これがまあ何と!カマや頬肉など身がたっぷり潜んでいて、地酒片手にほじほじ発掘するのも楽しい。こういうの、うれしいよね。

品書きには静岡と言えばの名物おでんや希少な伊豆牛など魅力的な面々も。ニンマリです。

『城ケ崎 おかもと』

[住所]東京都渋谷区恵比寿2-9-1 EBIS FLAT 1B
[電話]03-5422-7684
[営業時間]17時~23時
[休日]日(月が祝の場合は変更あり)
[交通]JR山手線ほか恵比寿駅東口から徒歩7分

『三忠』 @千駄木

タコしゃぶでひたる、おいしいという幸せ

店主が謙虚な店は間違いなく旨い。この店もそうだった。創業36年を迎えるタコ料理専門店。タコの調理法を研究するうちにメニューが増え、今では30種類以上もある。メニューの多さは鮮度のためでもある。仕入れたタコをその日中に使い切ることで、常に新鮮なものを提供できるそう。

たこしゃぶ 1人前 2400円

『三忠』たこしゃぶ 1人前 2400円 タコしゃぶに使うのは北海道釧路産の水だこ。切り身に少しドレープが付く程度に火が通ったら食べ頃

「素材の味があってこそだから」と店主は謙遜するが、タコしゃぶの切り身は透き通るほどの薄さ。この包丁技が作る食感がいいのだ。

昆布ダシにサッとくぐらせポン酢をちょいとつける。口に運ぶと、なめらかな身を噛むほどにジュワッと甘みが溢れ出し、あ~幸せ! 幸が多いと書いて多幸と読む。ただの語呂合わせと思いきやタコしゃぶを食べて納得した。1年の始まりにタコで幸せ、感じるべし。

『三忠』

[住所]東京都文京区千駄木3-1-17
[電話]03-3824-2300
[営業時間]17時半~22時半(22時LO)、日祝17時~22時(21時半LO)
[休日]水
[交通]地下鉄千代田線千駄木駅1番出口から徒歩5分

『主水』 @丸の内

職人の仕込みで、サバはさらに旨くなる

旨い魚って2種類ある気がする。ひとつは鮮度抜群の魚、もうひとつは職人によって丁寧な仕事がなされた魚。ここで食べられるのは、前者に後者のワザを加えた魚だ。

島根の郷土料理店の名物は、サバのしゃぶしゃぶ。刺身でも食べられるサバを醤油ベースのツユにくぐらせて食べる島根の漁師めしだ。

さばしゃぶ 1人前 1740円

『主水』さばしゃぶ 1人前 1740円 島根のサバしゃぶは、醤油で仕込んだ甘露醤油にサバ節、昆布、いりこを加えた黒いツユが定番だ

サバが温まるくらいにしゃぶしゃぶしゃぶ。シャキシャキの薄切り玉ねぎともやしを巻いて食せば、コクのある甘露醤油、香り良い玉ねぎがサバの甘みを引き立てる!

同店のサバは、毛細血管レベルで血抜きを施し余分な水分をしっかり抜いた上で氷温冷蔵。そうすることで、鮮度を保ちつつ旨みが凝縮されるそう。東京でもこんなサバにありつけるなんて……、職人技に拍手喝采だ。

『主水』

[住所]東京都千代田区丸の内3-2-3 二重橋スクエア地下1階
[電話]03-6206-3966
[営業時間]11時~14時半(14時LO)、17時~23時(22時半LO)
[休日]日
[交通]地下鉄日比谷線ほか日比谷駅B5出口から直結

『かきしゃぶ屋』 @東銀座

牡蠣の一番旨い食べ方、見つけました!

初めて知った。牡蠣って生よりしゃぶしゃぶにした方がおいしかったのか、と。店主が牡蠣しゃぶに出合ったのは、約25年前。産地の業者から聞き試してみると、その味の変化に驚いたという。

利尻昆布ダシの中でさらさらと洗われた牡蠣は内側から風味が立ちのぼるよう。火が通ることで身がしっとりとし、甘みも増す。こんなの食べたことない!

牡蠣と穴子しゃぶ 1人前 4300円

『かきしゃぶ屋』牡蠣と穴子しゃぶ 1人前 4300円 牡蠣は8秒間しゃぶしゃぶし、ポン酢でどうぞ。穴子は5秒火を通すともっちり身が引き締まりこれまた旨い!

しかもこの牡蠣しゃぶ、冬だけじゃなく一年中食べられるメニューなのだ。春に身が一番大きくなる三陸産や、夏には濃厚さを増す北海道産などなど。使う牡蠣はその時期に一番おいしい産地のものだ。「種類や季節によって味が変わる牡蠣の面白さを伝えたい」と店主は話す。新たな発見もうひとつ。牡蠣は春夏秋冬の季語かもね。

『かきしゃぶ屋』

[住所]東京都中央区銀座4-13-15 成和銀座ビル地下1階
[電話]03-6228-4087
[営業時間]11時半~22時(21時LO)
[休日]水
[交通]地下鉄日比谷線ほか東銀座駅から徒歩1分

『割烹 藤』 @中目黒

具材は何と蛤だけのシンプルな旨さ

今か今かと鍋を見守る高揚感。硬く閉じたその口がパカッと開けば思わず拍手、よくぞ隠れた美味の姿形を現してくれました。いそいそと殻を手に取り、ふっくらした身に口を近づけエキスごとチュッと啜れば旨さも全開。くう、蛤と対峙して心底わかり合えた気分だ。だって脇役の野菜類は一切ナシ。貝をシンプルに味わうことこそが醍醐味なのだから。

はまぐりしゃぶしゃぶ 1人前(150g) 1650円

『割烹 藤』はまぐりしゃぶしゃぶ 1人前(150g) 1650円 殻の縞模様も桑名産の特長だとか。〆は蛤の旨みが染み出たダシで雑炊かラーメンを味わおう

それもこれも素材の上質さがモノをいう訳で、使うのは三重県桑名産。淡水と海水が混じり合う栄養豊富な漁場で育つそれは柔らかくて味が濃厚、程よい塩分を含むのも特長だとか。

魅力を生かすため昆布ダシに少量ずつ投入して貝が開く瞬間を待つのが“藤流”。この鍋をはじめ人気の「からすみ蕎麦」が付くコースもおすすめだ。

『割烹 藤』

[住所]東京都目黒区東山1-8-6 サンロイヤル東山109
[電話]03-4362-8597
[営業時間]18時~24時(23時LO)
[休日]日
[交通]東急東横線ほか中目黒駅正面口から徒歩10分

撮影/鵜澤昭彦(能登美、三忠)、小澤晶子(おかもと、藤)、小島昇(主水)、西崎進也(かきしゃぶ屋)、取材/肥田木奈々(能登美、おかもと、藤)、藤沢緑彩(三忠、主水、かきしゃぶ屋)

2024年2月号

※2024年2月号発売時点の情報です。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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