【新宿の一角に残るうなぎ店】焼き台に立つ「4代目女店主」が守る約120年続く『小ばやし』の「味」と「風情」

(手前から)うな重松 4730円、肝のお吸い物 330円 うな重のご飯にはタレがしっかり回しかけられているが、くどくなくさらりといただけてしまう。うなぎの深い旨みもキレのあるタレのおかげか、思わず「毎日食べらる……」と感嘆するほど軽やかに感じられる

全店実食調査!『おとなの週末』が自信を持っておすすめするお店をご紹介します。今回は、東京・新宿のうなぎ店『小ばやし』です。1905(明治38)年創業の老舗です。 喧騒から離れうな重と向き合う口福 繁華街の一角に120年近…

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全店実食調査!『おとなの週末』が自信を持っておすすめするお店をご紹介します。今回は、東京・新宿のうなぎ店『小ばやし』です。1905(明治38)年創業の老舗です。

喧騒から離れうな重と向き合う口福

繁華街の一角に120年近く続く店がある。きっと新宿を歩いた人なら誰もが目にするだろう『小ばやし』の看板。騒がしい色に囲まれひっそりとあるが、中に入ると長い時を刻んだ空間が醸す心地よい静けさがある。うなぎを焼くのは4代目店主の古幡洋子さんだ。「小ばやしの味を守るため」と自ら修業を積み、焼き台の前に立つ。

うな重松 4730円、肝のお吸い物 330円

『小ばやし』(手前)うな重松 4730円、(奥)肝のお吸い物 330円 うな重のご飯にはタレがしっかり回しかけられているが、くどくなくさらりといただけてしまう。うなぎの深い旨みもキレのあるタレのおかげか、思わず「毎日食べられる……」と感嘆するほど軽やかに感じられる

その腕で焼き上げられたうなぎはかりっと香ばしく軽やかでありながら、皮目の柔らかさを引き出している。継ぎ足し受け継いだタレはほんのり酸味があり、それがあと引く旨さ。この空間でこのうなぎに向き合う幸せが、末長く続くようにと祈らずにいられない。

【店主が見てきた新宿の移り変わり】

古幡さんは「私が子供の頃、1960年代後半の新宿は普通の商店街という感じでした。店の前が舗装もされていなくて、近所の八百屋さんやコーヒー屋さんなどの子供がそこらへんで遊んでいましたね」と語る。

『小ばやし』の4代目店主・古幡洋子さん
『小ばやし』

東京・新宿『小ばやし』

[住所]東京都新宿区新宿3-25-6 
[電話]03-3352-5884
[営業時間]11時〜15時半、17時〜19時半LO
[休日]水 
[交通]JR山手線ほか新宿駅東口から徒歩2分

おとなの週末2024年3月号は「サクッと“とん活”」

2024年3月号

撮影/小島 昇、取材/藤沢緑彩
※2023年9月号発売時点の情報です。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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