次期コペンはトヨタ次第!?
ダイハツが軽自動車に専念するとなると、大きな問題が出てくる。2023年秋に開催されたジャパンモビリティショー(東京・有明)で公開されたビジョンコペンの存在だ。
このビジョンコペンは、初代コペンをオマージュしたデザインを纏った次期型コペンを提案したモデル。2022年に初代誕生から20周年を迎えた時、ダイハツはコペンの今後について熱く語っていたが、それを具現化したモデルにクルマファンはおおいに喜んだ。
軽自動車ではなく1.3Lエンジンを搭載する小型車で、それに合わせてボディサイズも軽枠を超えて大型化。そして駆動方式は市販されなかったX-021の再来となる新開発のFR(後輪駆動)!! とこれまでのコペンと根本的に違うのだ。
しかも、ダイハツサイドもビジョンコペンの市販化に対し非常に前向きだった。しかし、軽自動車に専念するとなれば、小型車ゆえにお蔵入りは必至。
一縷の望みがあるとすれば、トヨタが開発を引き継いでくれること。現行のコペンもトヨタコペンGR SPORTとして販売しているように、トヨタはコペンの存在を認めていると思うから、可能性はゼロではないと思いたい!!
トヨタ次第で、状況が芳しくないことは百も承知。今は祈るしかない。
【初代ダイハツコペン主要諸元】
全長3995×全幅1475×全高1245mm
ホイールベース:2230mm
車重:830kg
エンジン:659cc、直列4気筒DOHCターボ
最高出力/最大トルク:64ps/11.2kgm
価格:149万8000円(5MT)※デビュー時
【豆知識】
2023年10月に開催されたジャパンモビリティショーでのイハツブースの目玉は、世界初公開されたビジョンコペン。ボディサイズは全長3835×全幅1695×全高1265㎜で、搭載するエンジンのスペックなどについては公開されていないが、1.3Lエンジンであるとのみアナウンスされている。このビジョンコペンの最大のトピックは、駆動方式でこれまでのFF(前輪駆動)からFR(後輪駆動)に変更されていることで、より本格スポーツを目指している。コペンのアイデンティティであるアクティブトップを継続採用するなど快適性も健在だ。
市原信幸
1966年、広島県生まれのかに座。この世代の例にもれず小学生の時に池沢早人師(旧ペンネームは池沢さとし)先生の漫画『サーキットの狼』(『週刊少年ジャンプ』に1975~1979年連載)に端を発するスーパーカーブームを経験。ブームが去った後もクルマ濃度は薄まるどころか増すばかり。大学入学時に上京し、新卒で三推社(現講談社ビーシー)に入社。以後、30年近く『ベストカー』の編集に携わる。
写真/DAIHATSU、ベストカー