林さんが愛するチャーハンのルーツがココに
「大元はすべてこの大将。関西のチャーハンの祖」
林さんがそう語る大将は、大阪・桜川にある『なんやかんや』にいます。こちらは、以前本連載で紹介した『らーめんハウス 直ちゃん』や『ひろや』の店主がここで働いていた、ルーツといえるお店です。
林さんがはじめて訪れたのは、自身が発足したチャーハンサークルのメンバーである、かまいたちの濱家さんの紹介だったそう。
「町中華で、濱家と和牛の川西と3人で飲食しているときに、『なんやかんや』近くやし行きましょうという話になって行きました。まさかの町中華はしごで訪れたのが最初でした」
それから何度も食べることになる『なんやかんや』のチャーハン。動画では、同じくサークルメンバーのヒガシ逢ウサカ(公開当時)の今井(現・今井らいぱち)さんと訪れています。
いつも通りチャーハンを注文するのですが、4種類あるため、通常のチャーハン「やきめし」(750円)に加えて、「フカヒレあんかけやきめし」(1300円)もオーダーしました。
席はカウンターのみ。どこからでも関西チャーハンの祖が腕をふるう姿が見られます。これが「カウンター中華のいいところ」と林さんは言います。
「調理を見ているときは、ただただ楽しんで見るときもありますし、今何を入れたのかをなんとなく想像したり、鍋の振り方を見ています。
『なんやかんや』の大将は中華鍋を振らずにほったらかす時間が結構あったので、なぜこれで焦げないのか不思議でした。もちろんどれくらいならほっておいていいのかも知り尽くしてるんでしょうけど(笑)」
動画でも「高級中華では見られない。目の前で作って食べるのは、何%か(味の印象が)上がる」とカウンター中華の魅力を話し、これには「期待感も上がる」と今井さんも同調します。
こうしてできた2種類のチャーハン、まずふたりは「フカヒレあんかけやきめし」に目をやり、白いあんかけに驚きます。
しかし、まずはノーマルのチャーハンから実食。林さんは、いつも通り小皿によそってからひと嗅ぎ。恍惚の表情を浮かべ、れんげを動かします。
「野菜の匂いがめっちゃする!」と言う今井さんを尻目に、ひと口食べると、そのおいしさに「さすが、祖!!」、「さすがっ祖」と大満足。
「塩がぐっとくるわけではない。旨みがグーンとくる」と動画で話した林さんに、さらに『なんやかんや』のチャーハンについて伺ってみました。
「『直ちゃん』さんや『ひろや』さんがガツンとくる塩味があるのに対して、『なんやかんや』さんは少し控えめというか上品な味という印象です」
そして、シャキシャキの食感も特徴で、その秘密はレタス。これが上品な味を演出していると林さんは推測します。
「上品でやさしい味は、レタスの存在が大きいかもしれません。おいしい町中華のチャーハンでレタスが入っているのは珍しい。これまで紹介したのはラーメンと相性が良いものが多かったですが、こちらは他の料理と一緒に食べられるチャーハンだと思います。メニューの多い『なんやかんや』さんにピッタリです」
あまりのおいしさに、ふたりで一気にチャーハンが半分以上に減っていきました。