林的チャーハンを食べるのに理想の町中華とは
「僕がチャーハンを食べるのは、ラーメン屋さんか町中華と呼ばれるお店であることがほとんどです」というギャロップ林さん。チャーハンを食べるにあたって、理想の町中華があると言います。
「朱色のカウンターやテーブル席で、縁には龍の絵か渦巻きみたいな模様が入ってるラーメン鉢に、薄緑色かえんじ色のレンゲを使っています。店内のすみっこの上の方には小さいめのテレビ。リモコンはラップでグルグルに巻かれていて、カウンターの下の棚からはいつのものかわからない漫画雑誌が出てくるようなお店。もちろん大将は若くない」
あぁ、確かに! っぽいなぁと思った方が大勢いるでしょう。しかし、ここまで詳細な条件に当てはまる店はあるのでしょうか?
「はい。そういうお店は、僕のテリトリーである下町からもどんどんなくなっていき、この条件をすべてを満たしてるお店どころか、半分を満たしているお店すらありません」
やはり、そうなのか、と少し寂しい気持ちになります。肩を落としていると……。
「それでもそういうお店の雰囲気に近いものがあるなと思うのが、『ひろや 元町店』さんです」
「チャーハン林 #17」で登場したこちらは、難波八坂神社の近くに位置する現在の場所で17年、その近くで25年、合わせて42年の歴史を誇ります。
「赤や黄色を使ったテントや看板。大将が醸し出すオーラ。壁に貼り付けられてるメニュー。実際においしいお店なんですが、そのおいしいチャーハンを食べるのにピッタリな空間だと感じます。 逆に言えばお店が出すおいしそうな雰囲気に負けないお料理が出てきます」
実は『ひろや』さん、前回の本連載で紹介していた『直ちゃんラーメン』と、親方が同じなのです。その親方を、林さんは「関西のチャーハンの祖」と称しています。いずれ、この連載記事でも登場することでしょう。