先輩たちと感覚を共有できた大切な思い出
他人との感性の共有だなんて、諦めていた節もありました。口にしても理解してもらえなかったり、冗談ではないのに笑われたりすることも多々。分かってもらえることなんて、もう無いものだと思っていました。
けれどね、稀に、ごく稀に、感性を共有できる人がいます。本当に共感できたり、してもらえたりすることなんて、そんな希少なことなんだと思います。
オードリーの若林さんにお好み焼き屋さんに連れて行ってもらって話をした時は、共感してもらえて泣きそうになった経験があります。
せっかく小籔さんに教えてもらった美味しいお好み焼き屋さんだったのに、ひたすら私が仕事に対しての悩みを若林さんに聞いてもらうばかりの時間だったのだけれど。
こんな思いをしているのは自分だけだと思って孤独を感じていたものを、そうではないと教えてくれたから救われたように思えたのでした。
同じような気持ちだったことや、それに対しての対処の方法などのアドバイスをもらった時の時間は宝物になっています。
銀シャリの橋本さんにも居酒屋に連れて行ってもらって、仕事の話をした時に「あれって、こうだよね?」という心の動きを話して、同じような感情になった確認をし合えた時に”一人じゃない”という安堵感を覚えました。
私だけじゃなかった、という事実は、精神的に大きな影響を与えるのだな、と思ったのでした。
共感というのは、自分は孤独じゃないと確認できる作業なのかもしれません。
芸歴10年目にして、共感できる人が片手で数えられるほどなのは、それがいかに難しいことなのか表していると思いますが、私は、その先輩たちとの会話を今も大切に心にしまっています。