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若者が頑張れば手が届くミドシップスポーツ

初代MR2はカローラのFFモデル(前輪駆動)のエンジンをはじめとするパワートレーンをミドに移植。そのエンジンは1.6L、直列4気筒DOHCエンジンの名機4A-G型と1.5Lの2種類が設定されていた。初代MR2はAWの型式で呼ばれ、1.5L搭載モデルがAW10、1.6L搭載モデルがAW11となる。トランスミッションは5MTと4ATを設定していたが、クルマのキャラクターからも5MTが圧倒的な人気だった。

初代MR2の透視図。FFモデルのカローラの駆動系をフロントからリアミドに移植してミドシップ化に成功

1986年にマイナーチェンジを受け、1.6L、直4DOHC+スーパーチャージャーが追加されると同時に、オープン仕様のTバールーフが新設定された。走り屋にはTバールーフはボディ剛性が落ちるという理由でノーマルルーフが好まれていたが、それ以外の人にはタルガトップのように開口部の大きいTバールーフはオープンエアを満喫できる魅力的なアイテムだった。

初代MR2についての動力性能を当時の『ベストカーガイド』で調べてみると、0-400m加速:15.94秒、0-1000m加速:30.02秒、0-100km/h加速:9.32秒、最高速:188.32km/hとなっていた。1.6Lエンジン搭載のスポーツモデルとしては、特別速いわけではなく平均的だが、最高速が180km/hを超えているのは空力のよさだろう。

初代MR2は驚くほど速くはないが、ワインディングこそ真骨頂。回頭性に優れたミドシップの特性を生かした小気味いい走りが魅力

発売当初の新車価格(東京地区)は139万5000~189万4000円だった。同じ4A-G型エンジンを搭載していたAE86レビンが130万~160万円程度だったため、初代MR2のほうが20万円程度高かったが、若者にとって手の届く魅力的な価格設定だった。ただ、マイチェン後のスーパーチャージャー+Tバールーフにすると、約240万円ほどに価格が跳ね上がってしまった。

最終的に1989年まで販売され、2代目モデルにバトンタッチとなった。

初代MR2のTバールーフはセンターバーが細いためタルガトップ並みの解放感があった。写真は最上級のスーパーチャージャー+Tバールーフ

これまでに2度の購入チャンス到来

高校生の時に惚れた初代MR2だが、これまで2回購入のチャンスが巡ってきた。

1回目は1988年、大学3年の時だった。田舎の友人が高校卒業後に初代MR2を購入。ウチの田舎では社会人になってすぐにクルマを買うのが当たり前だったのだが、大学に行かない代わりに親から新車のMR2を買ってもらったという。私がMR2好きということを知っていて、4年乗って飽きたから破格の条件で買わないかと言ってきた。ボディカラーはグリーンメタリック+ゴールドという私が一番好きな色だった。それを30万円でどうかと言われ、当時としても破格の安値に即決しかけたのだが……。

これがグリーンメタリック+ゴールドのツートーンカラー。独特なデザインのホイールもスポーティムード満点

問題は買った後の維持費だ。私の大学時代の棲家は目黒区碑文谷のアパート。東京の城南地区の人なら知っている目黒区の高級住宅街のひとつなのだが、私が借りていたのは家賃1万9000円の1Kボロアパート。家賃は安かったが、近くの駐車場は4万円!! 家賃と合わせて6万弱だから買えないことはなかったのだろうが、勇気がなかった。駐車場代、保険代、ガソリン代など諸々考えるとこりゃ無理だ、と断念したのだ。

2回目の購入チャンスは、社会人になってから。1994年だったと思う。クルマ雑誌『ベストカー』の中古車企画で神奈川県の中古車店を取材した時に、初代MR2の最終年である1989年式の”ビカモノ(新品同然)”の初代MR2と遭遇。スーパーチャージャー+ノーマルルーフで、無改造ときた。その頃中古の初代MR2は2代目の登場により買いやすい価格になっていたこともあり、購入するか大いに悩んだ末にハンコを押しかけた。

ミドシップの初代MR2は重いエンジンがフロントにないため、走り出した時にステアリングを斬り込んだ時の軽さに驚く

しかし当時私は周りにフェラーリを購入すると豪語し、そのために『フェラーリ貯金』をしていた。MR2を買っても変わらない、という誘惑もあったが私のなかでは、MR2<<<<<<フェラーリなので、購入するのをやめた。フェラーリ購入に対する意志は固かったのだ!! 

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もはや手に入れるのは無理!?...
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市原 信幸
市原 信幸

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