南アルプスに絶景グランピングスポットがあった 露天風呂やデッキから富士山と甲府盆地を一望できる贅沢なモバイルハウスとは

絶景の眺め

ゴールデンウイーク(GW)が迫ってきた。山々の緑も鮮やかになってきており、都会の喧騒から離れて自然の中でリフレッシュするのにぴったりのシーズンだ。そんな今こそ足を運んでほしいのが、南アルプスの麓で2024年1月にオープン…

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ゴールデンウイーク(GW)が迫ってきた。山々の緑も鮮やかになってきており、都会の喧騒から離れて自然の中でリフレッシュするのにぴったりのシーズンだ。そんな今こそ足を運んでほしいのが、南アルプスの麓で2024年1月にオープンしたアウトドアホテル「ALPS LAPS withTENAR(アルプスラプス ウィズ テナール)」だ。甲府盆地と富士山を望む高台にあり、グランピングを楽しむには絶好のスポット。客室やデッキからはもちろん、併設した貸し切り露天風呂からも絶景を眺めることができる。雄大な景色を独り占めし、非日常の1日を過ごそう。

知る人ぞ知る絶景スポット、グランピングもお花見も◎

「ALPS LAPS withTENAR」(山梨県南アルプス市)は、地元の人々の間では「知る人ぞ知る絶景スポット」と言われる「築山広場」に建てられた。毎年3月下旬から4月上旬になると、ソメイヨシノや枝垂れザクラが咲き誇る“お花見スポット”でもあり、取材時も満開の桜が出迎えてくれた。

もともとは南アルプス市の市有地。隠れ家的な「桜の名所」として愛されてきた

グランピングとは、グラマラス(魅力的な)とキャンピングの造語である。自然環境の中にいながらホテル並みの環境で過ごすことができる点が特徴的だ。コテージやテント設備はもちろん、事前に食材も用意されているケースが多く、手ぶらで優雅にキャンプやBBQを体験できる。

コロナを機に、3密を避けて屋外に宿泊できるとして、一気に注目度が高まった。

“景色を選べる”モバイルハウス「TENAR」の最大の特徴

モバイルハウスは、移動式の小屋である。簡単に設置出来、ニーズに応じて人間と同じように移動もできるので、解体工事の必要がないところがポイントだ。狭い空間なので、室内を温めてもエネルギーを使わずに済み、環境に負担をかけないサステナブルな建築として、近年注目を浴びている。

通常のグランピングはテントやコテージをベースに行われることが多いが、「TENAR」は、モバイルハウスを最大限に生かしたグランピング施設だ。ホテルのような空間で快適に過ごせることに加え、移動できるため、絶景を選んで設置しやすい。

特徴的なのは三角形の窓。この窓で「どんな景色を切り取るか」ということを意識し、自然の中で最も美しい風景を切り取れる場所に設置されている。

1日2組限定のアウトドアホテル「TENAR」

周囲の自然を含めて1室が占有できる広さを1000平方メートルと仮定して、客室やサービスを設計しているのだという。だから、「TENAR」の名称には、「1000平方メートルの自然を客室に」という想いが込められている。1000平方メートル=10a(テンアール)。テンアールから「テナール」だ。

標高545mからの眺望は絶景

受付棟でチェックインを済ませ、鍵を受け取ったらさっそく客室へ。左手に見えるのが寝室棟である。中央には食事が楽しめる専用のウッドデッキがあり、デッキを挟んだ右手の建物が、貸し切り利用できる露天風呂となっている。

甲府盆地と約300mの高低差のある標高545mからの眺望は、まさに絶景。美しい日の出やパノラマ夜景を満喫できるのはもちろん、晴れた日には富士山も望むことができる。

時間帯によって刻々と表情を変える空と街並みは、いつまで眺めていても飽きることがない

自然を美しく切り取る「三角形の窓」

客室に一歩足を踏み入れると、緑を美しく切りとる三角形の窓が目に入る。窓の手前にはローテーブルとクッションがあり、移り行く景色を満喫することができる。建築は森と住空間の境目のない空間を目指して作られており、ゆるやかな傾斜をつけることで、窓から見える自然の景色がより広く見える仕掛けになっているそうだ。

ユニークな「TENAR」の客室

モバイルハウス事業を営む「CountryWorks」代表の岩本淳兵さんによると、「屋外空間を独占できる、このTENARという名称のモバイルハウスは、これまで安曇野(長野県)でも展開を行ってきました」という。

「より景色に特色のある場所での展開を以前から望んでいました。そんな時に山梨県の山岳観光の活性化を目指し、南アルプス市からこの土地を借り受けていたアウトドア専門旅行会社、GATES(ゲイツ)からお声がけいただき、同社と提携しここでモバイルハウスを展開することになりました。スケールの大きい甲府盆地の夜景や秩父の山々を望むことができるので、どの時期に訪れても満足できる空間になっていると思います」

クラフトビールや甲州スパークリングワインが全て無料!

荷物を置いて一息ついたら、選べるウエルカムドリンクとウエルカムスイーツを楽しもう。この日はレッドローズやレモンバーベナ、ペパーミントなどがミックスされた「Sexy」というハーブティーをセレクト。薔薇の華やかな香りもありながら、ハーブのしっかりとした味も感じることができ、ほっとリラックスできる一杯だ。

ドリンクは3種のハーブティーから好きなものをセレクトできる

冷蔵庫には時期によって入れ替わるクラフトビールや、マンズワインが手がけた甲州のスパークリングワイン「酵母の泡」なども揃い、宿泊者はすべて無料で味わえるところがうれしい。

甲州のスパークリングワイン「酵母の泡」

ほかにも、客室には温かいインナーダウンジャケットや、ブランケットが備え付けられ、寒い季節も安心してくつろげる。同施設は、甲府市の老舗アウトドアショップ「ELK(エルク)」を展開するアウトドア専門旅行会社「GATES(ゲイツ)」と提携しているため、機能性に優れたアイテムが揃っているのだ。

温泉に南アルプスの天然水使用、“インフィニティ風呂”は開放感抜群!

露天風呂はぜひ夜だけでなく、明るいうちに一度は足を運んでみてほしい。三角形の窓から望む景色は、唯一無二。目の前にさえぎるものが何もなく、窓からパノラマ絶景を楽しみながら湯浴みを堪能できるので、開放感抜群だ。

「露天風呂には南アルプスの天然水を贅沢に使用しています。湯量はご自身で調整できるので、なみなみに入れていただくと、インフィニティ風呂(浴槽と景色の境界がなくなり、一体化しているような開放的なお風呂)が楽しめます。浴槽の脇にテーブルも設置しているので、冷蔵庫のドリンクを片手に湯浴みを満喫するのもおすすめです」と、岩本さん。

浴槽にお湯をなみなみとはれば、インフィニティ風呂としても楽しめる(提供画像)

露天風呂のキャビンには小スペースながらも、洗面スペースやトイレ、素泊まりのゲストの為に用意されたキッチンスペースなども併設している。歯磨きやシャンプー、ボディーソープなどのアイテムはもちろん、洗顔ソープや化粧水などのアメニティが充実しているところも必見だ。

洗面スペース

甲府盆地の夜景はまるで「宝石箱」

暗くなってきたら、再びデッキへ。目の前には甲府盆地のきらめく夜景が広がる。街の灯が静かに光を放ち、まさに宝石箱のようだ。食事は、甲府市のイタリアンレストラン「meri-mero」とコラボした、イタリアンフルコース。日によって入れ替わる、山梨県産の旬食材を使用した、とっておきの限定メニューが味わえる。

夜景を眺めながら夕食を満喫

玉手箱のような大きな木箱を開けると、華やかな8種の前菜が登場。パプリカのうま味を引き出した「マグロの赤身に見立てたパプリカの握り」や、シャキシャキとした食感がたまらない「小淵沢産 バターナッツ南瓜のローストとパルミジャーノレッジャーノ」など、新鮮な野菜本来のおいしさを体感できるメニューばかりだ。

8種の色鮮やかな前菜

自分で焼く「甲州ワインビーフ イチボステーキ」

メインは、きめ細かい肉質で、噛むほどに芳醇なうま味が広がる「甲州ワインビーフ イチボステーキ」だ。セルフで焼き上げるスタイルだが、焼き方の解説付きなので、初心者でもしっかりおいしく焼き上げることができる。香ばしい香りや臨場感あふれる音を楽しみつつ、できたてのジューシーな肉を味わおう。

「甲州ワインビーフ イチボステーキ」
小淵沢産の野菜を使った「チーズフォンデュ」も揃い、身も心も温まる

ホットサンドメーカーでカリっと焼き上がったパンを

翌朝は、昨晩とはひと味違った「meri-mero」の朝食を味わうことができる。この日はミートソースやチーズをサンドした「ラザニア風サンドイッチ」と、「旬野菜のサラダ」、「フルーツ入りヨーグルト」などが登場。味わい深い「ヴィーツのポタージュ」も用意され、充実のラインナップだ。

テーブルの上には、ホットサンドメーカーが用意されており、自分でパンをプレスすることで、キャンプ飯を作るときのような、ワクワク感が味わえる。耳までカリっと焼き上がるので、サクサクふわふわの食感が楽しめるはずだ。

ひと手間プラスして絶品サンドイッチが完成

自分で豆を挽いてコーヒーを淹れ、焚火の前で楽しむ贅沢

「Kalita」のコーヒーミルや、オリジナルのフィルター袋などが並ぶ

チェックアウトまでの時間は、備え付けのコーヒーミルやコーヒー豆を利用して、デッキでコーヒーを楽しむのもおすすめ。フィルターやポットなど、洗練されたアイテムが一式揃っているので、コーヒーを淹れる作業も不思議と楽しく感じる。

デッキ前のウッドチップが敷かれたエリアでは、事前にリクエストすれば焚火を楽しむこともできる。壮大な山々の景色に包まれ、深呼吸しながら、爽やかな朝の一杯を噛みしめよう。

焚火はスタッフが火おこしから火加減の調整まで行ってくれるので、アウトドア初心者も安心

自然と境界のない独創的なキャビンと露天風呂、そして、ここでしか見ることのできない圧倒的な絶景を体感できる。時には日常から離れ、隠れ家的なグランピングスポットで、身も心も癒されてみてはいかがだろうか。

「ALPS LAPS withTENAR(アルプスラプス ウィズ テナール)」
[住所]山梨県南アルプス市築山561
[電話]055-269-5155
[定休日]なし
[料金]素泊まりの場合2万5000円/人~、2食付きの場合3万8000円/人~(2名1室利用時)
[交通]JR甲府駅より車で約40分

文・写真/中村友美

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