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「おとなの週末」2024年6月号の「町パン」特集のために、編集部に集まったパン、パン、パン……食べ比べたその数ザッと約130軒。いやあすごかった。地域に根付く町パンの定義から順位決定の裏側まで、ライター池田、井島、市村、肥田木と編集武内&戎が振り返ります。

いい町パンを選ぶおと週的基準とは

戎「今回は本当に苦労しました。皆で持ち寄ってパンを食べ比べるのは楽しかったけど、そこからランキングを決める難しさといったら……」

肥「こう言っちゃ何だけど、順位を付けるのはやっぱり無理があったんだよ~!」

市「そもそも試食会は皆が推す店の味が集まった訳だから、全部おいしかったもんね」

池「好みもあるし、町パンとはいえ開店してまもない新店と創業100年超えの老舗を比べるのもまた難しいし」

肥「そ、町パンとは何ぞやと考え込んでしまった(笑)」

調査を重ね吟味したパンを持ち寄り試食、順位を決めた

井「今回はおしゃれな店はナシとのお達しがあったけど、おしゃれって何だろうって」

戎「まぁまぁ、今回おと週的いい町パンの基準にしたのは味の他、創業年数も含めて町に根付いてるか、毎日買える価格帯か、雰囲気としては昔ながらの懐かしさを感じられておしゃれ過ぎないこと。有名店はなるべく外しました」

肥「井島さんが言うようにおしゃれ云々ってのが難しいけど、イメージ的には昼飲み帰りに楊枝加えたままふらっと寄れる店って感じだよね」

武「それアナタだけです(笑)。ま、おじさんがジャージとサンダルで気軽にひとりでも入れる感じでしょうかね」

戎「皆の考えが違う中、順位の決め手のひとつは創業年数。それだけ町に愛され続けているパン屋さんということですもんね。新旧のバランスを保った感じになりました」

井「今回の店ではないけど、単に古い店というだけでいい町パンとするのは少し違う気も……。中には惰性とまで言わなくとも昔のパンをそのまま作り続けている店もあって、ワクワクしないんですよね。懐かしいだけじゃなくて、やっぱりおいしくないと!

池「パンを選ぶ時のワクワク感って大事だよね。そういう意味でもランキング店は全部ワクワクがあったし、それも重視して選んだと思う」

武「昔の味をただ守るだけじゃなく、基本を大事にしながらも新しい考えや素材を取り入れて進化させている店も多かった。『赤丸ベーカリー』とかそうでした」

『赤丸ベーカリー』(左奥)赤丸ラスク 360円 (右奥)味噌カツサンド 300円 (左手前)唐揚げサンド 330円 (右手前)クリームドーナツ 200円 それぞれにファンが多いパンたち

市「どの店もお客さんに喜んでもらいたいという気概にあふれているんですよね」

肥「例えば『ヨシナカブレッド』の調理パンは具がぎっしりで安い!地域周辺のスーパーでもこの店の商品が並ぶほど町の人気者。あの超一流モデルも有名芸人もファンらしいよ。パン好きの小澤カメラマンもおすすめ」

池「町の顔的な存在なら地域のイベントを積極的に主催する『マザーグース』もそうだな。『麦ふうせん』のコッペパンはその場で中に塗るものを注文して作ってもらうサービスも懐かしくて、何だかうれしかった」

『パン工房 麦ふうせん』(左奥)クリームフレンチ(さつまいもとりんご) 183円、(右奥)きのこのホワイトシチュー 324円、(左手前)フルーツタルト 259円、(右手前)エビカツコッペ 345円 ラウンド生地に染み染みのフレンチトーストも、フルーツたっぷりのタルトもシアワセ

市「焼きたてをどんどん出せるよう工夫していた『コトリパン』には味も手法も感心しました。イチオシ店の『リスト』はユニークな惣菜パンや季節メニューが豊富でワクワクした!」

井「私が推した『Honey』も種類が多く、ここに来れば何か食べたいパンが見つかると思わせてくれる。ちょっとおしゃれだからとランキングに入らなかったけど紹介できてよかったー」

武「そうなんですよね。最初の話に戻るけど、ランキング店も、そうでない店も美味。では順位は何かと言われると、町に溶け込んでる雰囲気+ちょっとしたこだわりの差かな。

それは味ばかりでなく、近隣住民に毎日食べてほしい、そのために飽きない味にしたい、原材料が高騰しても何とか安く提供したい等の矜持も含めて。おと週的基準なので、お店の方、ご容赦ください!」

文/肥田木奈々、撮影/小澤晶子(赤丸ベーカリー)、西崎進也(麦ふうせん)

2024年6月号

※2024年6月号発売時点の情報です。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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おとなの週末Web編集部
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